見出し画像

決して侮れない素麺

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 自分たちは当たり前だと思ってきた事が、
 他所から訪ねて来た人々に、
 笑われたりガッカリされた経験はあるか。

 笑ったりガッカリした事がある方は、
 今しばらく相手方の心持ちに、
 思いを馳せて頂けないか。

(文字数:約1500文字)



本州の方々にはきっと思いがけない繋がり

  毎年夏になると実家から、
  そうめん2kgが送られてくる。

  長崎県は島原のそうめんといえば、
  九州においては贈答にも選ばれる高級品であり、
  産地の西有家にしありえにはそうめんを模した看板まで、
  建てられているのだが、

  関西に生まれ育った婚家の人々からは、
  さほど喜ばれない。

  さもありなん。関西には、
  兵庫県揖保川の「揖保乃糸」であったり、
  香川県小豆島の「島の光」であったり、
  三輪そうめんの「神杉」であったり、
  名立たるブランドそうめんがひしめいている。

  それどころか、

  島原そうめんは実を言えば、
  歴史的大事件「島原の乱」により、
  住民がいなくなった土地に、
  全国各地から移住させられた人々の中でも、

  小豆島から来た人々が伝えたものであり、
  実質「島の光」と変わりはしない。


流しそうめん屋さん

  とは言え関西の人々も、
  そうめんそのものには馴染んでいるので、

  配偶者がまだ婚約者であった頃、
  両親への挨拶に帰郷した際、
  「流しそうめん屋さん」がある事を話すと、
  大変に興味を惹かれてくれたので、
  連れて行ったのだが、

  人の顔全面に思いっきり、
  「これじゃないよ」
  と書かれている様を、
  私はまざまざと見せつけられた。

  テーブルの上に設けられた、
  輪状の金属管の中を、
  水とそうめんがぐるぐる回っているだけ。

  これは「流しそうめん」ではなく、
  「回しそうめん」だなどとほざきやがる。

  私に言わせれば半分に割った青竹を、
  やたらに長く繋ぎ合わせて、
  そうめんを流し入れるばかりで食べられない、
  人員をわざわざ設ける方が邪道だ!

  そうめんの冷え具合にほぐれ具合も、
  十分ではあるまい。
  そこへ来ると私が言うところの「流しそうめん」は、
  島原の冷たく美味しい湧き水で冷やし続けてある、
  れっきとした「おもてなし料理」なんだよ!

  そうめんは水を食すんだ!

  貴様郷土の食事を侮るなよ。
  大阪において粉もんを侮られるのと同等だぞ。


そうめんと一緒に何食べる?

  今更思い出しエピソードで怒り出したのは、
  今年も実家から届いたそうめんをゆでて、
  スーパーの出来合いではあるが、
  鶏の唐揚げと一緒に提供した際、

  「え? そうめんに唐揚げ?」

  と配偶者から不思議がられたからだ。

  おお。そうだな。
  貴様は不本意だった「回しそうめん」しか、
  記憶に残していないのだろうが、

  「流しそうめん屋さん」には、
  キュウリにトマトといった野菜類に、
  鶏の唐揚げに、
  九州名物かしわ(鳥飯)おにぎりが、
  定番商品だったんだよ。

  「そうめんの時って、
   そうめんだけしか食べなくない?」

  そんなはずは無かろう、
  きっと何がしか提供されていたはずだよと、
  私は思うんだが、
  さて実際のところどうなのかな。

  皆様の意見が聞きたい。
  そうめんと一緒に何食べる?

気付いた方から寄り添って。


以上です。
ここまで読んで下さり有難うございます。

何かしら心に残りましたらお願いします。頂いたサポートは切実に、私と配偶者の生活費の足しになります!