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2023年に置いて行きたい2/4:お貴族様の思考と発言

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 それは差別ではないと、
 私は強く主張したい。

(文字数:約2500文字)



従姉妹と言えど接点が無い

  親世代が集団就職で働きに出た影響で、
  大阪には私の従姉妹一家も暮らしている。

  より正確に言うと、
  母の姉にあたる伯母さん、
  の娘一家だ。

  しかしお互いに行き来した事は無い。

  大阪府内に10年以上は暮らした方であれば、
  そのニュアンスを察してくれると思うのだが、

  従姉妹は豊中に住んでいて、
  私は南河内に住んでいる。


私には大変に水が合った

  日本全国で下から2番目に、
  面積が狭い都道府県ながら、

  大阪府はその実態を言えば、
  江戸時代における、
  摂津國、和泉國、河内國、堺、という、
  それぞれ独自に発展していた地域を、
  明治頃にほぼ無理矢理融合させて出来ている。

  面積的には狭いながらも、
  旧國・地域ごとに気候が違えば植生が違い、
  つまりは土地ごとに取れる産品も異なり、
  主要産業も異なり発展の経緯も異なり、
  結果として住民たちの気質も異なる。

  とりわけ河内國ときたら、
  応仁の乱あたりから独自の貨幣に法律を作り、
  歴代幕府の意向もそれほど気に留めてこなかった、
  実質的に独立国。

  悪く言えば好き放題だが、
  良く言ったとしても好き放題だ。

  私には大変に水が合った。

  さすがに令和にもなった昨今は、
  ミス花子の名曲『河内のオッサンの唄』のような、
  「ワレ」とか「オンドレ」といった文言を、
  日常的に耳にする事も無いが、

  現在であっても河内で生まれ育った者は、
  女性であっても子供であっても、
  いざというときの標準装備として、
  巻き舌しゃべりを会得している。

  近所の駐車場を所有している、
  掃除内職中に顔を合わせお話しする際には、
  穏やかな笑顔を見せてくれるおじいちゃんも、

  ひと度違法駐車を見つけたなら、
  「ダボが! こんガキャ何してくれてんねん!
   腎臓は二つ持っとんのやろ片っぽ売って払わんかい!」
  くらいの事はお怒鳴りになるんですのよ。
  正直に言って九州出身者には結構怖い。((○△○))

  余談だけど私の配偶者が、
  怒った時冷静な標準語になるのも、
  巻き舌で怒鳴り出しそうな自分を抑えるため。
  でも怒りは感じるのでやっぱ怖い。((○△○))

  一方で豊中市は、
  交通網鉄道網が発達し流通の便に恵まれ、
  明治政府のお膝元で順当に発展してきた地域で、

  同じ大阪府民とは他府県民から思われないほど、
  気質も言動も穏やかである。

  「豊中に従姉妹がいる」と、
  私の側からは言いやすいが、
  「南河内に従姉妹がいる」とは、
  言いにくいどころか迷惑がかかるかもしれんな、

  という感覚。

  しかしながらこれは差別ではない。
  あくまでも地域それぞれの、
  気質の違いと相性の問題だ。


2023年12月頃の母からの電話

  前回の記事で書いた「母からの連絡」とは、

  年末年始に向けて必要な食材、
  もちやかまぼこを送ってくれるというものだった。
  有難い。実に有難い。

  それはその後に続く母の取り止めのない話にも、
  耳を傾けはする。

  「従姉妹ちゃんの長男くんが、
   結婚したんですって」
  「おお。そうか(・∀・)」

  従姉妹が私より6歳は上だから、
  長男くんも26歳だ。

  「豊中市の近くに、
   今新居を建てているんだって」
  「ほお。そいつは立派だなぁ。
   今時すごいすごい(^∀^)」

  「あんたたちは何処に拠点を置くの?」
  「……は?(・∀・)」

  なんかきな臭くなってきたぞー。

  「何処も何も、
   今の場所から離れる気はありませんが?」
  「ええぇえ? 諦めちゃダメよぉ!
   今のうちから将来の事も考えておかなくちゃ。
   まだ元気に働けて体も動けるうちにぃ」

  今の居住地が既に娘の拠点であるという、
  発想自体お持ちではないのかい!(#・∀・)ノ

  いやいやいやいや。
  配偶者は御実家から南河内なんだよ。

  本籍地も一族の墓所も和歌山県にあって、
  我々は毎月、
  亡くなった義父から託された、
  お墓のメンテナンスに通っていると、

  従って配偶者の勤務地も、
  御実家にもお墓にも通いやすい、
  南河内近辺で選んでいると、
  ここ数年の経緯は逐一聞かせてきたはずだが。

  「配偶者さんもまだ大阪の、
   市内では働けていないんでしょう?
   お母さん南河内から大阪市内に、
   通っていると思ってたのにぃ。
   がっかりぃ」

  おおおおおおお。
  おのれ都道府県庁所在地で働いていない人間は、
  結婚して即一軒家を構え切れない人間は、
  成功していない格下みたいに思いくさって。

  それは、明らかに、差別だからな! 

  生まれ育った故郷では、
  長男と地方ミスコン優勝者の、
  お貴族様として扱われてきた御夫婦が!
  零落し尽くした分際で!


しかし自らに突き刺さってもいる

  「お母さんたちももう歳を取って、
   やるべき事は何も果たさないまま、
   一生を終えるわぁ……」

  嘆かれたとて心の底から、
  気の毒に、
  としか思いようがないんだ娘としては。

  自分たちが果たして、
  何を「やるべき」だと思い込んでいた?

  何を訴えようが相談しようが、
  自分たちの思い込みでしか判断せず、
  話にもならないからそれぞれで、
  自分たちの問題は片付け切れるように育った、
  二人の娘も無事に結婚して、
  それぞれの家庭を築いている。

  自分たちが幸せだとさえ気付けたなら、
  貴方がたはずっとただただ幸せだったはずだが。
  傍目からはお幸せでしかなかったはずだが。

  「ごめん。そろそろ切るわ」
  とやや強引に電話を切り上げたのは、
  話の途中からいきなり腹が痛くなって、
  その直後やはり腹を壊したから。

  両親へのえも言われぬ不快感が、
  思いっきり身体症状に現れるんだよ。
  ちなみに姉も帰省する度熱を出す。

何かしら心に残りましたらお願いします。頂いたサポートは切実に、私と配偶者の生活費の足しになります!