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これだけは知っておきたい『配筋基礎知識』

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鉄筋工事は建物の安全を確保するために非常に重要な工程ですので、配筋検査は、専門工事業者・施工者・監理者・審査機関が各々個別に行います。適切な配筋を行うには最低限の知識が必要となり…
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#建設業

配筋豆知識『柱』

配筋豆知識『柱』

配筋の基本ルールは、物件毎の構造図の配筋標準図によりますので、ここでご紹介するのは一例とご理解ください。

継手位置一般階の柱主筋の継手位置  :  梁天から500以上、上階の梁下からHo/4以下

1階の柱主筋の継手位置    :  梁天からDかつHo/4以上、上階の梁下からHo/4以下

上限の高さは、圧接作業の安全性を考慮して1500以下とする場合もありますね。

Ho:柱の最大内法寸法
D

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躯体の要”鉄筋工事”

躯体の要”鉄筋工事”

【鉄筋工事は重要なんです。】鉄筋工事は建物の安全性を確保する上で非常に重要な作業です。

コンクリート打設後に配筋の不具合などが見つかると、かなり厄介な事になります。
鉄筋のかぶり不足が原因で訴訟問題になることもありますね。

なので、専門業者・施工管理者・工事監理者が各々配筋検査を行います。

とはいえ、配筋検査のタイミングによっては配筋状況を確認することができない部位もあります。

また、配筋

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鉄筋はどうやって見分ける? 径と強度の関係は? サイズは?

鉄筋はどうやって見分ける? 径と強度の関係は? サイズは?

【鉄筋の記号】異形鉄筋にはSD295A SD295B SD345 SD390 SD490がありますが、JIS改正(2020.04.20)に伴い、表中のSD295Bは廃止され、SD295AはSD295に変更されています。

鉄筋表示のSDは、異形鉄筋(steel deformed bar)の略で、数字は降伏点(N/mm2)を示しています。

【鉄筋の見分け方】現場では圧延マークや塗色で鉄筋の種類を見

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鉄筋をつなぐ継手

鉄筋をつなぐ継手

鉄筋は運搬できる長さに制限があるため一定寸法に切断されます。
工事現場では、長尺の鉄筋が必要になりますので、鉄筋をつなぎ合わせなければなりません。このつなぎ合わせる部分を継手といいます。

継手の種類には、重ね継手・ガス圧接継手の他機械式継手やフレア溶接、エンクローズ溶接継手のような特殊な継手もあります。

【重ね継手】一般的にD16以下は重ね継手とすることが多く、鉄筋と鉄筋を重ねて結束するのです

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鉄筋の間隔のはなし

鉄筋の間隔のはなし

【鉄筋のあきには規定があります】鉄筋のあきはなぜ規定されているのでしょうか?
鉄筋に適切なあきがないと、骨材がひっかかりコンクリートが周らなくなったり、適切な付着力が得られずコンクリートと一体化し難くなる為、鉄筋のあきが規定されています。

鉄筋のあきは下記の最大値になります。
①25mm以上
②粗骨材径の1.25倍以上(粗骨材径の最大寸法は25mmが一般的)
③鉄筋径(呼び径)の1.5倍以上

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鉄筋の『かぶり』はなぜ重要か?”かぶり厚不足は違法になります”

鉄筋の『かぶり』はなぜ重要か?”かぶり厚不足は違法になります”

絶対に確保しなければならない『かぶり厚さ』鉄筋のかぶり厚の確保は鉄筋工事の最重要事項の一つです。

かぶり厚さはなぜ重要なのでしょうか?
 ①コンクリートで鉄筋を防蝕し錆による爆裂を防ぐ
 ②火に弱い鉄筋をコンクリートで被覆し耐火性能を向上
 ③鉄筋の付着を確保しコンクリートと一体にする

かぶり厚は建築基準法施行令第79条で規定されている事項で、不足している場合は訴訟問題に発展することもあります

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何と何をくっつけるのか?『鉄筋の定着』

何と何をくっつけるのか?『鉄筋の定着』

答え柱に大梁筋を、大梁に小梁筋やスラブ筋をのみ込ますことによって、各々の部材を剛接合し、基礎から屋根まで一体化した構造体を造り鉄筋コンクリート造となります。

定着は配筋の最重要事項です鉄筋の定着長さ(L2)は、設計図毎の標準仕様書や配筋標準図に示されてしますので、そちらをご確認下さいね。
鉄筋強度が高くなると定着長さが長くなり、コンクリート強度が高くなると定着長さは短くなります。

定着起点は鉄

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