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モチョモチョ青春譚

おーい…あの、すみませんw
ボク、気づいちゃったンですケド……ww
オタクを表現する際に用いられる音の例として「ニチャニチャ」が最もよく挙げられていると思うんですけど、アレ、正しくは「モチョモチョ」じゃありませんか?仲良い根暗の先輩が己の恋愛を語るツイートで「モチョモチョ」と使ってて、すげーピッタリだな…と思った記憶がある。オタクって口を開けて喋らないからなんだかモゴモゴしてるし、どういうわけか口腔内の湿度が異様に高い。その籠った、水分量の多い喋りを最もよく表現しているのがモチョモチョというオノマトペ。想像してみてください。気持ち悪いですね。

かくいうボクもモチョモチョのひとり。しかも創作ができる優秀なモチョモチョとは違って消費特化型のクソ雑魚モチョモチョ。たまにこの無能モチョモチョ状態から無性に逃げ出したくなっては画材屋や古本屋を訪れ、"自分だって何かを生み出せるはず"と思うことで多少持ち直し、さすまたを買った時のちいかわの顔をして、手ぶらで店を出てくる。これは確信めいた予想なんですけど、たぶんボクは一生無能モチョモチョのままなんだと思います。

そのようなモチョモチョの声無き声を文字とか音楽に起こしたナードオタクってのはおそらくとてもエラい。いわゆる創作ができる側の優秀なやつら。ボクだって己の肥大化した自意識を小説にしたり、叶わなかった初恋の亡霊を歌に閉じ込めたりしたい。あの頃の恋の苦しみ悲しみをラヴ・ソングに書き起こせるオタクでありたかった。
一般ナードオタクはデカい声で愛を叫ぶことはしません。だって日陰者なんだもの。才能も素養も無いし。人の後ろでボソボソと愛を囁くだけ。もしくはデカい声で愛を叫ぶことが許されている強めの人間に自らの想いを乗せて気持ちを伝えた気になっているか。気持ち悪すぎて救えない。自分の声で叫べよ、愛を伝えろよ……。まあこれは私もそうなんですが…。

という前置きはともかく。私の好きなバンド挫・人間のボーカル、下川さんはライブで"除霊"と称し初恋や叶わなかった恋の相手の名前をデカい声で叫び、恋の亡霊を消す儀式をおこないます。ちなみに1度や2度の除霊程度で初恋の亡霊なんてのは消えません。当然です。だからライブの度に除霊するんです。私もよく除霊します。なんなら今度卒業式後とかに江古田駅前で除霊しようかと思ってます。それと今から文字の上でも除霊しようと思っていたところです。自分、除霊良いスか…?wあまりに結末が酷すぎたため未だに私の周りの友人も触れられないし、自分自身でも触れてこなかった10年モノの禁忌(タブー)を、今、解禁しちゃっても、良いんスか…?ww



小学5,6年生の時に好きな男の子がいたんですよ。当時所属してたバレーボールのスポ少のチームメイトの男の子で、バレーが上手かった。というか運動能力が高くて抜群にセンスがあった。別に顔は今思うと超普通なんですけど、バレーが上手くてなんだかシュっとしてて、あとめちゃくちゃ尖ってた。女なんかに興味無いぜ…みたいな。それがカッコよく見えたんでしょうね。女子チームの同級生とは合宿とか遊んだ時に恋バナをするからもちろんバレてはいて、きゃいきゃい盛り上がりはするけど、それ以外は特にアプローチとかすることもなく、練習中に盗み見してカッコいいなあ…と思うくらいで密かに2年ほど片想いしてました。
そして小学6年生の3月。いよいよ小学校も卒業して来月からは中学生になるぞ、という時。スポ少も卒団の時期です。卒団前のイベントで男女チーム合同で泊まりでレクリエーション大会みたいなのがありました。学年性別ごちゃまぜでチームを組んで試合をしたり、ミニゲームをしたり。夜は同学年の女の子たちで同じ部屋に泊まり、当然恋バナの流れになります。私の所属してたスポ少は小学校関係なく集まってきていたので、割とみんなが進む中学校はバラバラでした。好きな男の子と私も別でした。それまでは週2回のスポ少の練習で絶対に会えてたのが中学からは無くなる。チームメイトの女の子に「4月から会えなくなっちゃうよ!どうするの!?」と聞かれ、それじゃあ最後だし手紙でも書いて好きだったということを伝えるか…となるわけです。小さい便箋に簡潔に"ずっと好きでした。中学にいっても仲良くしてください"的なことを書いたような気がします。別に上手くいくなんて思ってませんでしたよ。当たり前に。小ガキで男女交際とかよく分かってなかったし。まあ今もあまりよく分かってませんが。
とっくに消灯時間は過ぎていて、手紙も薄暗い中で書いたので、よしじゃあこれは朝になったら渡しにいこうかという話になり、その日は寝ました。
翌朝、意を決して渡しにいくぞ!という段で先に男子側へ偵察にいっていたチームメイトの女の子が険しい顔で戻ってきた。どうしたの?と尋ねると「今渡しに行くのはやめた方いいかも」と。「あいつら、女バレ可愛いランキングみたいなのつけてる」←これいつだかのnoteにも書いてましたね。数ヶ月を経てようやくの伏線回収です。チームには同級生女子が自分含め5人いて、その中の2人がすげー可愛かったんですよ。私と幼なじみ2人は近眼ガキだったので目が小さくなるメガネをみんなしてかけていました。今や幼なじみ2人もメガネからコンタクトになって、ちゃんと綺麗なお姉さんになりましたけど。幼なじみ2人ももともと顔は整ってたし。

小学校卒アル、まあたしかに…という顔をしてますね。

それで、そのランキングをつけられてる、そして自分はおそらく最下位(同時にブサイクランキング1位である)という事実を可愛い2人から告げられるボクの気持ちですが…。めちゃくちゃ惨めでしたよ。生まれてはじめて心の底から死にたいと思った瞬間です。今思い出しても惨めで涙が出てきます。正直、それまでそこまで自分の容姿について意識したことがなかったんですよ。ちょくちょくブスって言われることはあっても、まあどうでもいい人に言われてたし、そんなに気にしてなかった。でもダメですね。好きな人からされるブス認定、一瞬で人間の心を破壊します。安易に他人にブスって言っちゃう男性陣、マジで気をつけた方いいと思いますよ。これは私怨なんですけど他人にブスって簡単に言える人間ほどたいした顔面じゃないの何のバグなんですかね。まあというわけでその時ようやく、社会における自分の顔面偏差値というか、女の中の位置づけみたいなのをはじめて実感しました。結局手紙は渡してません。永久に封印されました。今あの手紙どこにあるんだろ〜(笑)

そしてそこから大学入学時までの意識はありません。立派なブサイクのまま駆け抜けたから。中学入ってからはメガネをやめてコンタクトにしたり、高校ではアイプチをはじめたりとか、節目節目でマイナーチェンジはしていたけれど。彼氏とかも、まあ、いました。高校3年間ずっと付き合ってる人とかいたし。でもマイナーチェンジを重ねたとて顔の造形は変わるわけでもなし。常に心のどこかでは交際相手に対してブサイクな私に付き合わされて可哀想だ…みたいな気持ちがありましたね。
ようやく大学に入ってはじめて整形できた(埋没二重のプチ整形ですが)時は嬉しくて嬉しくてたまらなかったです。なんというか、魂の解放というか、呪縛が消えたというか。目の上に線をちょこっと入れたくらいでそんな大幅に変わりはしませんけど、心の持ちようはだいぶ改善したと思います。そこからもちょくちょく、額の切開リフトとか、あと整形じゃないけど脱毛してみたりダイエットしたり。なんか見た目に気をつかえるのが嬉しいんですよね。
そしてまあまあなお金をかけて今の状態まできました。ちなみに今月は顔周りの脂肪吸引をする予定です。大きい手術はこれで最後にしようかと思ってます。大体これでトータル100万くらいだし。顔に特段大きな不満も無くなったし。粗が目立たなくなってブサイク!と思う頻度が減っただけで別に劇的に可愛くなってるとかでは無いし、相変わらず骨格は低重心でガッシリした豆タンクのままだし。それでも。可愛い服を堂々と着れるようになったのが嬉しい。たまに容姿を褒められるのが嬉しい。割と良いことばかりです。

小学生の頃好きだったTくん、正直未だに憎悪の念はあるけど同時に感謝の気持ちもあります。いや、やっぱ全然ムカつくわ。でもありがとう。
とはいえ容姿に修正加えてもモチョモチョの精神は消えないんですけどね。これからもモチョモチョと気持ち悪い感じで、恋愛とか、青春を消費していくモンスターのまま、ただ生きて死んでいくんだと思います。有り得ないくらい長かったのにオチが弱くて申し訳ないです。これが私のモチョモチョの原因、人生トラウマ回の全容です。もし今後何か上手いオチを思いついたら加筆したいと思います。

そうだ、除霊の恒例、"デカい声で叫ぶ"をまだやっていませんでしたね。

消えろ!!!T!!!!消えろ〜!!!!!!!お前マジでなんでそんなエラそうなんだよ!俺の中から消えろ!!!!!!今すぐ!!!!!!!!

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