「3きょうだいの長男」
またまたわが爱読紙朝日新聞からです。表題は、甲子園春のセンバツに出場している東海大菅生の小池選手と、父で元プロ野球選手・現DeNAコーチのことについて書かれた記事中にありました。その内容については、ここでは関係ないので触れません。
「きょうだい」とひらがなになっています。
記者ハンドブックや用語ガイドなどでは、男女が入り混じっている場合や性別がわからないとき、ひらがなにするようです。
あるいは、男女の区別をする必要がないときも使うかもしれませんね。女性に「キョウダイいますか」と尋ねたとします。
「いいえ、いません」
「そうですか。一人っ子なんですね」
「いいえ、姉がいます」
という会話には、一般にはならないでしょう。ふつうは「はい、姉が一人います」です。
言い換えると、「きょうだい」とひらがなを使う場合は、「親を同じくする子供」「同世代の2親等」だけの意味になります。男女を気にしていません。残念なことに「しまい」とひらがなにしても、そういうわけにはいきません。
で、言葉の意味としてはそれでまあいいのですが、今回の記事では次に「長男」と続きます。長男は男兄弟のうちの年長者のことです。3きょうだいで上に姉が2人いて、末っ子であっても長男です。なお、一人っ子でも男子なら長男、女子なら長女でいいそうです。
とすると、「3兄弟の長男」なら一番上だと考えられますが、「3きょうだいの長男」という表現では、いちばん上なのか、2番目なのか、末っ子なのかわかりませんよね。せっかく家族構成を紹介したのに、ちょっと残念。
さて、その東海大菅生は先日、4度目の「春」で甲子園初勝利をあげました。相手は聖カタリナで、わがふるさと愛媛の学校。5年ほど前までは女子高で、今回が春夏通じて初めての甲子園でした。
同じ松山市にある元女子高の済美も、甲子園で優勝や準優勝を重ねて今や強豪として知られていますが、「昭和」の頃なら松山商、そしてわが母校今治西なんですけどね。近年はちょっと…。
で、甲子園ではなかなか聞くことができなくなった母校の校歌(作詞葛原しげる・作曲小松耕輔)なんですが、その3番は次の通りです。
自治向上の 帆を張るや
わが同胞の 行くところ
燧洋闇の 船路にも
蛍雪行手を 照らすかな
この「わが同胞(はらから)・・・」の部分、戦後、旧制今治中学が新制高校として男女共学になるタイミングで、
今中健児の 雄叫びは
から改められました。
「はらから」はまさしく、ひらがなで書く時の「きょうだい」と同じ意味です。男女共学になって取り入れても大丈夫だったわけです。
ちなみに、この校歌の一節から、今治西では卒業生の集まりを「蛍雪会」と称しています。
そこで今回の閑話として、蛍雪会員である後輩で、今はDeNAの広報兼打撃投手の藤井秀悟さんのエピソードを。
藤井さんは大学時代は早稲田のエースとして大活躍しました。その早稲田の野球部で上級生に当たる人から聞いた話です。
「甲子園にも出て名が通っていた藤井が入学してきて、野球部の合宿所にやって来たんですがね、もう一同びっくり仰天ですよ。早稲田の野球部始まって以来、合宿所にピアスしてきたのは藤井だけです(笑)」
藤井さんには、ヤクルトに入団2年目、大量点差で勝ち試合だった巨人戦9回2死3塁の打席で、内野ゴロを打って全力疾走をしたことを巨人ベンチにやじられて涙を流した事件がありました。これって自称野球小僧の面目躍如ですよね。愛すべきエピソードです。たぶん、ご当人は純粋で天然なんでしょう。ヤジった元木大介(敬称略)が悪い。
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