「ご近隣の民様へ」
はーい、もうすぐ、あけましたらおめでとうございましょう。(2022年12月27日)
今回取り扱う見出し語は写真の通りです。近所の工事現場の電光掲示板です。施工主は東京都、施工者は「論語と算盤」が社是の大手ゼネコンです。
民(たみ)
たぶん、現代口語では死語ですな。
weblio辞書には、上のような語釈がありますね。まあ、知っている通りの意味ですな。だけど、使いません。だから、死語です。
それでも使おうとしたら、どんなニュアンスがあるでしょうか。
「上から目線」ですね。下々(しもじも)かな。
「民はよろしくやっておるか」とオカミが言う感じ。
周りの人にも聞いてみたところ、同じような感想でした。つまり、「偉そうだ」。
それなのに、「ご近隣」とか「様」が付いたへりくだりの表現があって--おっと、日本語教育ではへりくだり(謙遜)ではなくて、たぶん「ていねい」になるんだろうな--、とてもかぐわしい。
漢語を使って「市民」「国民」「良民」とかとなると、そんな感覚はなくなるんですけどね。固有語が持ってている歴史のしがらみやステイン(錆)がなせるわざなんでしょうか。時間があったら、調べてみたいです。→「めくら」がダメで、「盲人」「ブラインド」はOKみたいな。でも、「めしい」はOKのような…。なんなんでしょうね。
で、なんでこうなったかというと、たぶん、キーボードで入力する際、「minasama」のaを押し損ねたんでしょうね。
わたしも今回、見出し語を入力する際、あえて、minsamaとしてみたら、めでたく「民様」と変換されました。
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