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飲食店勤務かつワイン営業が考える、家でワインを飲むこと

 2020年4月30日現在、全国の飲食店が通常営業できていません。時短営業や臨時休業、初めてのテイクアウトといった対応に追われています。ひるがえって、全国のお客様も飲食店を通常通りには利用できていません。間隔の開いた席、多人数で囲めないテーブル、そもそも入れないお店、テイクアウトだけ利用できるお店。

 かつてのような飲食店という場は失われました。たとえ緊急事態宣言が解除され、いつかCOVID-19の終息が訪れたとしても、以前の場ではもうありえないでしょう。場は飲食店を切り盛りする人とそこに訪れる人とを取り結ぶ要でした。その要が壊れた以上、新たな結び目をつくらなければ人と人とはどんどんバラバラになっていきます。新しく結ぶには場を離れた文脈やストーリー性がそれこそ重要になります。

家でワインを飲むって何なんでしょう?

 私は飲食店で働くと同時に飲食店向けにワインの営業をしています。目下これまでのような働き方はまるでできていません。会社のオンラインショップで直接お客様にワインを届ける方へシフトしています。

 ワインを扱う仕事をしているとはいえ、ワインが日常のものではないと自分でも感じています。そもそも私がワインに興味を抱いたのだって、ワインという非日常(ここではないどこか)への憧れからでした。

 お店でしかワインを飲まない人がほとんどでしょうし、たまに家で飲むのはちょっとした贅沢や気分転換という意味合いが強いと思います。いくらワインがコンビニやスーパーで買えるようになっても、米やパンと同じくらい日常に溶け込む日はまず来ないでしょう。

 私個人はもっぱら家でワインを飲みます。心がけているのは、日常からちょっと距離を置くこと。このワインを飲むのは今日こんな気分だから、最近こんなことがあったから、昔の思い出に浸るため…などなど。本を読んだりお洒落したりして非日常のスイッチを入れるのに似ています。

 家でワインを飲むのは“不要不急”だからこそ、飲むための「仕掛け」がいります。飲食店という場抜きで、ワインを飲む文脈やストーリー性を構成する必要があります。その文脈やストーリー性に巻き込むことで家でワインを飲む必要性が生じます。「どんなつもりでワインを飲もうか?」という「その“つもり”」も用意するのです。

 そう考えて、私たちが取り扱うワインがお客様のお手元に届く意味にこだわり、4本ずつのワインセットを考案しました。4本のセットにしたのは一週間に1本のペースで飲むことを想定して、一ヶ月の楽しみにしていただきたいと考えたからです。月曜日に開けて日曜日までに飲み切り、そして週明けに新しいのを開ける…在宅続きで曜日感覚が薄まるなかワインが一つの区切りとなるように
 個人的にも、ワインを一人で1本開けるのに3~5日かかるなあと思います。それに質の高いワインは時間が経つにつれ表情を変えるので、数日かけて味わいたいものです。まあ、二人以上で飲めば数日どころか数時間でも空いてしまうのですが(笑)

 今回9つの異なる「仕掛け」をご用意しました。ぜひ今のお気持ちに合うものをお選びください。眺めるだけでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

 ワインセットの一覧はこちらから。
「送料サービス!特別価格のワインセット お勧め4本シリーズ」
https://yu-un.com/


在宅勤務で自炊が増えたら「男の台所セット」

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溜まってる映画や本があるなら「夜更かしセット」

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来客の予定がなくなったなら「ピノ一家ホームステイセット」

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大切な人に贈るなら「香りの花束詰め合わせセット」

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連休を満喫するなら「ワイン色の休日セット」

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海外旅行がキャンセルになったら「涼やかなドイツ川下りセット」

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帰省を断念したなら「懐かしの思い出セット」

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旅行に行けないならせめて「気分はリゾートセット」

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ワイン会が延期になったら「またみんなに会う日までセット」

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 4本のワインがもつ空気感も一緒にご堪能ください。お飲みになられた方からのご感想ドシドシお待ちしております~!

ワインを飲む意味って?

 私はワインを飲むときにはほぼ必ず、その意味を考えます。難しく聞こえますが、要はこのワインを人に話すならどんな話ができるかなということです。ワインは飲んでしまえばなくなりますが、そのワインを飲んだ経験はずっと残ります。
 ワインは価値で考えれば必ずしも高い買い物ではありませんが、価格で考えれば安い買い物とは言えません。それだけにただ飲んでしまうのでは勿体ないです。そのワインを飲む意味を捉えて、飲んだ経験を伝えることはワインライフをより豊かなものにしてくれます。
 私がワインを飲む意味を考えるようになったきっかけは漫画の『神の雫』です。20歳になってアルバイトを始めたワインショップのバックヤードにありました。1本のワインをきっかけに別離と再スタートを果たす2人の男女の物語を見て、感銘を受けました。ワインにはこんなことができるのかと。
 それまではただワインを飲むことが好きなだけでしたが、あの話を読んで以来ワインと人との橋渡しをすることが好きになりました。今回のセットをご紹介するにあたり漫画第2巻を読みなおして、とても懐かしい気持ちになりました。ワインは、それを望む人のもとに届くと信じています。


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