豊かさを作るもの|47キャラバン#32@富山
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豊かさを作るもの|47キャラバン#32@富山

はじめに

ポケットマルシェに今年の7月に入社して早半年。
はじめまして!開発チームのへみんと申します。
人生初のnoteは、REIWA 47キャラバン富山県編(以下「富山キャラバン」という)のレポートです。

そもそもREIWA 47キャラバンとは?
東日本大震災から10年の節目を迎える2021年3月11日までに、弊社代表の高橋博之が47都道府県を行脚し、現地参加者との対話を通じて「生産者と消費者が直接つながり合う世界」の未来を探ります。

都会に生まれコンクリートジャングルで育った反動からか、人工的ではない自然の美しさに出会うとついつい立ち止まって魅入ってしまう、そんな日々を送っています。しかし、自然とは美しさだけでなく厳しさも兼ね備えるもの。日常的に自然と向き合う生産者さんのリアルを知りたい!その一心で富山県への同行を決めました。

富山キャラバンの講演会場には、富山県朝日町で水産加工業を営む愛場商店の愛場さんによるお声がけのおかげもあり、地元の漁師さんや農家さんにご参加いただきました。

(会場右手後方に座る背筋がピンとしている人が私)

過去に開催された47キャラバンにはZoomで参加しており、雰囲気を知っていたつもりでしたが、やはり生の会場の温度感は別物。高橋や会場のみなさんの熱量をダイレクトに受けました。

本当の豊さってなんだろう

世界最大課題とも言われているウェルビーイング(Well-Being)。
幸福の条件は良質な人間関係が生み出すと高橋は語りました。
その関係性を生み出すための身近な場が「食」。
例えば、作った人と食べる人を食べ物が繋ぐ。
また、家族や友人といった食べる人同士を食べ物が繋ぐ。
そうして友情や愛情といった「情」が育まれていく。
ネット直販の一般的なイメージは、買い手が作り手の顔と名前が見えるという安心感や親しみを感じることにあると思います。
高橋はそこから更に新たな関係性が生まれることに価値を置いています。

『他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論』にこんな記載があります。

 対話について重要な概念を提示した、哲学者のマルティン・ブーバーは、人間同士の関係性を大きく2つに分類しました。
 ひとつは「私とそれ」の関係性であり、もうひとつは「私とあなた」の関係性です。「私とそれ」は人間でありながら、向き合う相手を自分の「道具」のようにとらえる関係性のことです。(中略)
 一方で、「私とあなた」の関係とは、相手の存在が代わりが利かないものであり、もう少し平たく言うと、相手が私であったかもしれない、と思えるような関係のことです。(中略)
 対話とは、権限や立場と関係なく誰にでも、自分の中に相手を見出すこと、相手の中に自分を見出すことで、双方向にお互いを受け入れ合っていくことを意味します。

「私とそれ」という無機質で一方向な関係性から、「私とあなた」という温もりある双方向の関係性へ。私たちが食べるものの背後にどのような過程があり、どのような想いが込められていて、どのような喜怒哀楽があったのか、生産者さんの物語を知ると他人事ではなくなる。対話するように食を通して繋がりや絆が育まれていく。本当の豊さや幸せは、こうした血の通った関係性から生み出されるのだと思いました。

変革は一番小さいところ、弱いところ、遠いところから始まる

https://www.zck.or.jp/site/forum/9253.html- 「消滅可能性都市」のレッテルが意識の変革に ―人口減少に立ち向かう―
平成26年、民間の政策提言組織「日本創生会議」(座長・増田寛也氏)がとりまとめた増田レポートにおいて、「消滅可能性都市(896市町村)」が発表されました。
朝日町は、このうちの1つに含まれており、ひいては、県内で最も女性人口減少率が高いと予想され、「富山県で一番消える可能性が高い自治体」という不名誉なレッテルを貼られました。このネガティブな位置付けに対し、町では「消えてたまるか!」という気概のもと、柔軟な発想とスピード感を持ち、様々な施策を展開しています。

質疑応答の時間、泊漁業共同組合の組合長の脇山さんが教えてくれました。
朝日町に漁場を構える泊漁協にも合併の話が上がりましたが、その道は選ばなかった。「合併はいつでもできる。にっちもさっちもいかなくなるまでは自分たちでやる。まずは苦労してからでも遅くない。」と。
結果として、漁協が協調して元気になっていったそうです。
そうした背景には、町外の人も快く受け入れたり、これまで培ってきた知識や知恵を惜しみなく開示し若手を全力でバックアップするなど、組織ぐるみで町の未来を拓くという覚悟もあったのだと思います。

富山キャラバンはまだまだ終わりません。
この後は、泊漁協のみなさんからの盛大なおもてなしが待っていました。
懇親会の時間の始まりです。

集合場所の朝日町燻製加工室の扉を開けると...
そこには、お洒落なBGMが流れ、柔らかな暖色系の光に包まれた心地よい空間が広がっていました。

ウェルカムドリンクは、徳田さん(漁師兼猟師)が仕留めた熊の胆を煎じた白湯。「うわ!にげぇっ」「この苦味が良いのですよ」「薬飲んどるみたいだけど効きそうやね!」など盛り上がりが。
(確かに翌日早朝5時にバチッと目が覚めたので、熊の胆効果アリか🐻)

(正露丸を沈めたようなビジュアル。●●は熊の胆嚢を細かく刻んだもの)

(ポケマルのためのお品書き!)

富山県で数軒しか取り扱いのない、純米吟醸「林(はやし)」をはじめ、
海の幸・山の幸があれよあれよと並んでいきます。エンドレスに上がる感嘆の声。「いやぁ〜〜〜」

(食感がコリコリ楽しい朝日町の希少な天然黒もずく)
ここでクイズです。パッケージの男性は誰でしょう?(★答えは一番下)

(マイナス60度で超低温冷凍した本ズワイガニ、紅ズワイガニ)

徳田さんの漁船「聖徳丸」と山本さん(徳田さんの先輩漁師)の「大陽丸」からのご提供です。「ほんとはとれたてを出したかったんですけど」というお二人。このところ時化が続き出航できなかったのだそう。自然は人間の思い通りにはならない。自然の恵に感謝し、時にはその厳しさを受け止める。自然との共存というリアルな一面を垣間見た気がします。

(愛場さんの奥様お手製のヒラメとアオリイカのフライ)
まるで西洋の美術館に展示された油絵のよう。

他にも、とれたてをマイナス60度で超低温急速冷凍したホタルイカの燻製(ポケマルでも大人気!)やツキノワグマの燻製もありました。

そしてお話する中で特に印象的だったのは、みなさん口から揃えてでる「楽しい」という言葉。「自分が楽しみながらじゃないと地方創生はできない」と漁協組合長の脇山さんはおっしゃっていました。

翌朝、再び燻製加工室へと向かい、愛場さんが丁寧に淹れてくださったコーヒーでまったりとした時を過ごしました。

コーヒーのお供に出していただいた国民的チョコレート、ブルボンのアルフォート(リッチミルク)は、朝日町のキリっとした冬の空気に冷やされ一級品の味わいとなっていました... ああ、至福のひととき。

最後は燻製加工室をバックにパシャリ。
「富山のキトキトを届けたい おいしくたのしく幸せに!!」

穏やかなヒスイ海岸と雄大な北アルプスの山々に囲まれた自然豊かな朝日町で富山キャラバンの一行をおもてなししてくださった愛場さんご夫妻、そして泊漁協のみなさん、贅沢すぎるごちそうと時間をありがとうございました!

(ホタルイカと熊の燻製のお土産もいただきました)

おわりに

富山キャラバンを振り返って特に印象的だったのが、若手漁協組合員の方々の「楽しい」という言葉でした。楽しさ、そこには「未来への可能性」と「やりたいことを認めサポートしてくれる体制」というポジティブなパワーがあるのではと考えました。では、このパワーはどこから来るのか。
朝日町は2014年の日本創生会議で富山県で唯一「消滅可能性の高い自治体」とされた町です。自分たちの町が消えるかもしれないという危機感から、「やってやるんだ」という町の再生に向けた思いを一つにできたことから生まれたのではないでしょうか。
富山キャラバンで感じた豊かさの根底には、町民の方々の自分は町の一員で一人一人が欠かせない存在だという共同体意識があったのだと思います。

ポケットマルシェは「個と個をつなぐ」をミッションとして掲げる、作る人と食べる人を結ぶプラットフォームです。
身近な食を通じて相手の物語を知り、既存のコミュニティを飛び越えてさらなる広がりへ。それがより豊かな生き方になることを信じ、その未来に向けて自分は何ができるか考え、動き続けていきたいです。

おまけ

富山キャラバン後のTwitterでのやりとり

今度朝日町を訪れる時は、アルフォートのファミリーサイズを持っていこうと心に決めたのでした☕️

(★答え)
お忘れかもしれないですが、クイズの答えです。
正解は漁師の徳田さんでした!(パチパチ)

参考にしたページ

ポケットマルシェのご紹介

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