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『エンジニアリングマネージャーのしごと ―チームが必要とするマネージャーになる方法』読書メモ3

さらに前回の続きです。

ビジネスサイドの人と関わりを持つ

ビジネスの最前線にいる人たちは提供するサービスがもっている課題を身を持って体験している人たちだと思います。
そういった人たちと関わりを持つことで、本当にインパクトの大きい改善とはなんなのかの認識を持つことができます。
またそういった人たちが将来の会社のキーマンとなり自分のキャリアにも有効に働くかもしれません。

メンタリング、コーチング

どちらも近い要素に思えますが、メンターのほうが指導という側面が強そうです。
コーチングはプラスして相手の興味に従って問題解決をするための助力をしていきます。
またコーチングは特定スキルに依存せず職種が異なる人の相手でも実行することができます。
指導することで相手の思考を解放し、興味に沿って答えが出るまで寄り添うのを行き来することで相手の成長を促します。
本書ではGROWという言葉で話す内容を説明していました。

  • G(ゴール):何を解決したいか?

  • R(リアリティ):今どうなっているか?

  • O(オプション):考えられる方法は?取り組み方は?

  • W(ラップアップ):やることを決める、そのための議論をする

ここを意識すればよい対話ができそうですね。

メンバーのモチベーション

メンバーにやる気の出る状態を創出していくのもマネージャの大事な仕事の一つです。
目に見えるアプトプットがない、やってる感がみえない、やる気が見えないというような状態になっているメンバーに対して、ただただもっとやってくださいと煽ってもよりやる気がなくなる場合もありそうです。
きちんと目的を伝えてやる気を出してもらうのが重要そうです。
ここではダニング=クルーガー効果とインポスター症候群が紹介されていました。
簡単にいうと、ダニング=クルーガー効果とは自己を過大評価しがちな状態を指していて自信のある若手や腕のにぶったシニアなどがそれに当たります。
インポスター症候群は優秀さが周りに伝わらないふるまいをしてしまう状態で、ベテランに囲まれたジュニアや慎重すぎるシニアなどがそれに当たりそうです。
これらの対処には問題について常に考えられる状態になれるよう、ペアプロなどでフィードバック機会を提供したり、チームでの議論に入れる様意識してきちんと巻き込んであげる必要がありそうですね。

人員が増える場合

チームに人が増えることで人数比率による生産性は落ちていくと思います。
これはコミュニケーションする必要が増えていきますし、関わる人数が多い分やることが多くなっていて仕事の難度が上がっていることが一般的にあるのだと思います。
長く続けていることでレガシーなコードも増加していき、人数が増えたことでチームや会社に新しいフローが増えているかもしれません。
単純な作業以外にも隠れた複雑性がひそんでいてそこで時間を取られている可能性があります。
この隠れた複雑性を明らかにして、不要なものは消して、より効率的になれる様な部分に投資していくことが重要ですね。

情報の扱い

会社はさまざまな情報で溢れています。
それぞれの情報を誰にいつ渡すのか、情報の組み合わせを決めないといけません。
基本的には隠す重大な理由がないものに関しては情報は共有されるべきと考えています。
いわゆる透明性というやつですが、会社に一貫性と公正性をもたらす要因になると思います。
逆に隠すものとしては会社にもよるかもしれないですが、給料、評価、人事情報などでしょうか。
知っていて有益になる情報についてはすべて公開していてほしいですし、詳細まではなくとも今こういうプロセスです、とか必要十分な範囲でも公開されていることで会社に対する信頼も変わると思います。

似た様なところで社内政治についても書いてありましたが、誰とコンセンサスをとって進めれば良いのか、逆に誰とは話を避けるべきなのかを判断してつながりを作っていく、というあたりがまさに政治っぽいなと感じました。

委譲

メンバーに作業を任せて自律的なメンバーの動きを促して成長させるのがチーム成長をしていく上でマストになります。
その中で、メンバーの作業に関して
・自分でやった方が早いな
・遅れていそうで不安
・品質は問題ないかどうか不安
などを思うことはありますよね。
もちろんここで自分で引き取ってやってしまうのはよくないです。

なので自分の中でコントロールがある程度可能な領域に対してだけ力を注いでできる限りのベストを尽くしたという自分の中の内部的なゴールを達成するようにして平静を保つようにするとよいとのことでした。
ここだけ読むとちょっとよくわからないですが、作業においては
・コントロールできるもの
・コントロールできないもの
・ある程度コントロールできるもの
の3つにわかれるようで、この中のある程度コントロールできるものが委譲に当たりそうです。

その領域に対して、マネージャは余裕をもっておいて何かが起きたらすぐに動ける様にしておき、その範囲でベストを尽くして手助けをしていくスタンスでいれば、やれるだけのことはやった(内部ゴール)という形になるのかな、と。
結果としてこれは失敗になることもあるのでしょうが、メンバーの自律性を促すために必要な行動ではあるので、フィードバックなどでよりよい動きにしていくためのプロセスなんだと思います。
チームとして目標が達成できない場合であってもそこはそこまでの委譲をしたマネージャ側の判断に責任がかかってくるのでマネージャとしても学びになっているはずです。

まだまだ終わらなかったので次回に続きます。

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