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適当文具紹介/墨運堂「墨磨り機 墨磨職人」

 4月で新年度だどうだって感じてるうちにもう下旬に差し掛かろうとしてるのって、何もしていない自分を焦らせようとし地球が差し向けているに違いないと感じる。
 年々1年が早く感じるのは、子供の頃に比べて生活にときめきがないからってこの前テレビで見たけども、まあ確かにそうかもなと感心させられた。ここでのときめきっていうのはおそらく未知のことで、年をとるに連れて既知のことが多くなるのは紛れもない事実なのだから、未知を探すことで1年がもっと長く感じるという寸法。
 でも「1年が短くなる説」で個人的に好きなのは、5歳の1年は1/5だが、40歳の1年は1/40なので、必然的に感覚として短くなっているってやつ。どうあがいても時間には勝てない感があって、頑張って一年を長く感じるように動こう!みたいな救済措置が一切ない感じがみんなに平等で良いなって思います。

 ということで、今回の文具紹介は貴方の未知を既知にするアイテムです。

 その名も「墨磨り機(すみすりき)」。名前の通り墨を磨る機械です。
 小学校の頃に習字の時間とかで硯に水垂らして固形墨で墨液を作ったことは、恐らく義務教育を経た人たちなら共通の経験としてあるでしょうけども、それを機械がやってくれます。便利。
 いやいや固形墨を硯で磨るくらい自分でやれよ!とか思うでしょうが、墨を磨るってその道の人に言わせれば、マジで途方もない時間を集中を奪われる作業なんスわ。2時間かけて1回分の墨液を磨ったり、正しい角度を速度で磨る集中力と体力がいるんです。おそらく趣味で書道をする人、プロの人はこういうところから作品作りが始まってるんだろうと思うわけです。
 え?じゃあ自分で磨れよって?それは面倒なのだ。
 結局、墨っていうのも伝統工芸品みたいなもので、膠から作り出して乾燥に数ヶ月かけたりと手間暇がかなり多くて、芸術に一役買ってる部分もあるんです。市販の墨汁でドバーってのもお手軽でいいっちゃいいんですが、やっぱり固形墨独特の滲みや色ってのもあるので、こだわりが強ければ強いほどこういう道具は重要になってくるんでしょう。

 自分の知らない世界には、それ用に制作されている道具が結構あって、ニッチすぎる用途にむしろ関心が出るってのも往々にしてあります。

墨にも色があるんですな。

あまりにめでたい金の書道液

今どきの筆ってグリップついてんの

まあ、書道なんて習ったこともない僕が言うのもどうかって話もありますけどね。


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