総利益100億超えたテスタさんが尊敬される理由

最近、メディアによく出ている著名投資家のテスタさんが、ついに大台の100億に乗ったということで、株式投資を嗜んでいる人達にとっては日経平均が上がった以上に喜ばしいニュースだったかもしれない。

個人的にテスタさんがここ最近でテレビ番組やイベントなどにも積極的に出演しているところをみて、これでパフォーマンス下がったら可哀想だなと思っていたが、心配御無用だったらしい。

テスタさんをご存じない方のために簡単に説明を挟むと(私も別に面識があるわけじゃない)、高校卒業してパチプロなどをしながら、どうやって生きていくか悩んでいた時に本屋で見た株の本をキッカケにして、株式投資の投資家として、つい先日総利益100億に到達した40代男性である。

そう簡単に説明してしまうと、へぇ、すごい人がいるもんだなぁと思っておしまいだが、冷静に考えてみて一人の人間が100億を稼ぐというのは、異常なことであると思いながらも、株式投資の世界にはもっと稼いでいる人もいるから、感覚がわかりにくいというのもある。

とはいえ、自分が思う普通の会社員のような生活をしている人が見えづらい、テスタさんのすごいことを簡単に述べていきたいと思う。

1.誰にも強制されてないのに、朝起きて毎日投資をしている

会社員の人からしたら、「は?何いってんの?」と思うかもしれない。人生で普通に大学に行って、普通に就職して、現在の生活に至っている人は、これがどれだけすごいことなのかよくわかっていない。

ましてや、テスタさんはもう稼ぐ必要がないくらい稼いでいるのに、毎日この生活を続けているという凄さがある。

人間なら誰しも昨日100万儲かったから、今週は何もしなくていいや。なんて思いがちである。テスタさんはそういうことをやらない。そもそも一般の人間が学校を卒業して働き始めるときに、「よっしゃ、投資家になろう!」と選択するだろうか。ある意味YouTuberより親に止められる気がする。親が投資に知見があるならまだしも、元金もないのに、投資なんかどうやんの?そもそも、生活できるほど稼げんのか?

いろいろな不安から、結局途中で挫折したり、普通に働き始めたりするもんだと思う。それでも自己を律して、不安と向き合って、協力してくれた友達やネットで繋がった人達はいたかもしれないが、文字通り自分一人で道を切り開いてきたのだろう。

誰しも自分一人で誰からも強制されることのない身に置かれたら、堕落してしまう。朝好きな時間に起きたり、株式投資なんか注文を前日に出しておけば、別に寝ていてもさほど変わらない。むしろ、素人の場合、下手に売買せずに寝ていたほうが儲かったなんてこともある。

だが、テスタさんは毎朝起きて市場と向き合っている。チームでやっているわけではないので、一人でパソコンへ向かっている。セルフコントロールが出来ているから、合理的な判断などをしっかり行えるのかもしれない。

2.毎日のパフォーマンスを記録している

100億突破したと冒頭で述べたが、テスタさんの去年の成績は80億くらいだったはずである。つまり、どういうことかと、今年2ヶ月で20億以上稼いだことになる。

は?と思ってしまうが、これが株式投資の世界であって、昨日までお金がたくさんあったのに、今日まったくないみたいなことも逆に起こり得る。そしてテスタさんはこれまで年間を通して損失を出していることも無く、年単位で区切れば10年以上勝ち続けている。

それもそうなのだが、そもそも自分の損益を記録し続けているというのも、すごい。

一行の日記でさえ、私達はおろそかにしてしまい、続かないことが多い。負担はそこまでなくても、損益を記録しておくというのは、意外と面倒なことでもある。もちろん、証券会社が勝手に計算はしてくれて、損益がわかるのだが、しっかりそれと向き合い続けるというのは、三日坊主になりがちでもある。

スポーツの世界でもなんでもそうだと思うが、上達したいと思うことや、どうして失敗したんだろう?という反省が無いと、成長しない。テスタさんは10年以上、そのようなモチベーションを保ち続けているということだと思う。

3.お金以上に上手になりたいという意識が強い

テスタさん自身も、投資家というのはアスリートのような側面も持ち合わせていると語っている。

大谷翔平に関しても、もう一生分の生活のお金はもらってるんだから、いつ仕事辞めてもいいじゃん。と普通の人間なら思う。だが、アスリートがそのような選択をしないのは、お金以上に技術を磨きたいとか、自分の活躍で人を喜ばせたいとか、そういう意識がはたらくからである。

単純に考えて、3億や4億稼げば40歳から一人で生きていくのに何不自由無いと思う。だが、そこで辞めないし、パフォーマンスが停滞する様子もない。

サッカー選手でもお金につられて、給料が高いだけの中国リーグに行ったり、中東のリーグに行ったりする人がいる。本人の選択の自由だから別にそれはいいのだが、その後のキャリアで上手くいく人は少ない。

「満足すると、成長が止まる」なんて、よく聞くかもしれないが、おそらくそうなのだと思う。

4.おそらくゲーム感覚の勇気を持ち合わせて人生をかけて楽しんでいる

じゃあ、苦行をずっとやっているのかというと、テスタさんの様子を見ると、そんなに苦しんでいる様子はない。

だからこそ、「あいつに出来るんなら、おれだって出来るはずだ」と思い込んで挑戦する人が増えて、テスタさんの人気が上がるのかもしれない。

よく著名な投資家には、パチプロ出身や引きこもりゲーマーみたいな人が多い。私の感覚としては、現実のお金に直結するけどゲーム感覚でお金を稼ぐメンタルに慣れている人が多い気がする。

どういうことかというと、もし自分が全財産100万円の貯金があって、株の勉強をした結果、この日このタイミングである銘柄に80万投資すれば、計算上、自分は将来的に億万長者になれると確信を持てたとする。

じゃあ、80万を掛けられる人が世の中にどれだけいるのか?ということである。

これは勉強したからどうという問題ではなく、完全にメンタルの問題であるし、自分をどれだけ信じられるかという問題でもある。

「確率99.9%で明日この銘柄は上がります。全財産掛けますか?」と言われた時、ましてや自分でも99.9%上がると信じられる時、人間というのは全財産をかけられないものである。

何かあったらどうしようとか、全財産は無理だから10%にしておこうとか、株価が2倍になると思ってたけど、怖いから1.3倍で売ってしまおうとか、そういうことが頻発する。

テスタさんクラスになると、待つ時はじっくり待てるだろうし、自分の予想が外れた時は1秒でも速くどれだけ数百万、数千万単位の損失を確定できる。

株式投資をやると誰でもそう思えてくるが、お金がただの数字に思えてくる。簡単に言えば、この数字を増やすゲームのような感覚になってくる。

それをマシンのように合理的に感情を排除して、ミスをしても10年以上利益を出してこれる人はそう多くない。

5.人間性が結局すごい

株で稼いでいる人、投資で稼いでいる人という人のイメージというのは、一般的に「すごい!」となるか「不労所得でダラダラ儲けてる」という二択になることが多い。

不労所得でダラダラというのは、おそらく不動産投資の家賃収入みたいなイメージと混同させる人が多い事によるものだと思う。

テスタさんはそのような投資家に対するネガティブなイメージを払拭したいと考えているし、投資詐欺撲滅の啓蒙活動をしていたり、なんか知らないがシングルマザーの子どものためにディズニーランドへの費用を補填したり、児童養護施設にiPadだか何だかを寄付したり、そんなことにも力を入れている。

そんな事をする必要もないのに、ツイッターで自分の損益、収益をつまびらかに公開しているし、時々変なヤカラに絡まれてイチャモンを付けられているし、それでも、一日の損益額が一般人の平均年収を遥かに凌駕しているので、ギャグみたいになっている。

そもそもテスタさんが有名人になる必要もなければ、公開する必要もない。それでも、何か投資の世界に恩返しをしたいとか、社会が良くなって欲しいという意識が強くなければ、そういうことを顔出しした人間がわざわざやらないと思う。

6.孤独感がない

テスタさんの様子を見て、家で一人で悠々自適に金を稼げて良いな。と思う人が大半だと思う。私もそう思っているし、そう思ったから自分でやってみて全くうまく行ってない人間である。

それ以上にテスタさんのすごいことは、株友達がたくさんいたり、孤独感があるように見えないということが個人的に一番すごいことだと思う。

今でこそイベントやメディアに引っ張りだことは言え、日中はずっと相場と向き合うことが大半だろう。それでも、孤独感がなくメンタルをコントロールできているのは、経験してみたらわかるが簡単なことではない。

売れっ子漫画家や小説家でも、同じような悩みを抱えるだろうし、売れなければ仕事上の人のつながりが生まれてこないという怖さもある。だが、売れっ子になるほど締切に追われていて、売れてない漫画家の方が時間に余裕があって、人間らしい生活が出来るなんてこともある。

そんなような感じで、投資家というのもある程度の利益を出さなければ孤独になり続ける。だが、テスタさんはしっかり利益を出せて一生食うのに困らないとの判断から、きっと詐欺撲滅の啓蒙活動であったり、貧困層の支援などをしている。これも、人の繋がり作りの一種であるような気もする。


株式投資でラッキーで勝てる人もいるが、勝ち続けられる人は極僅か

最近NISAが流行ってるので、貯金の代わりに始める人が増えているかもしれない。

それで、たまたま買った株がすぐに10万とか100万の利益を生むと、なんだ株ってこんな簡単に儲かるのか!と思った次の月あたりから、損失が膨らんでいく。

勝ち続けられる投資家というのが結局一番すごいことだと思う。テスタさんもよく語っているが、株仲間ですごい技術があったのに急に何かしらの原因で勝てなくなり、退場していく人も少なくないらしい。

確かにスポーツ選手でも、急に咋シーズンのような輝きを失って、ベンチ外になってしまう選手がいる。

一年二年と、普通に会社員として生きている分には気にならないかもしれないが、意外と人生というのは大きく変化しているものだろうし、それを感じ取りやすいのが株式市場でもある。

私もテスタさんのように、自分が思いついたことで社会が良くなるような事をいろいろやってみたいと思っても、自分ができるのはせいぜい地震の募金をするくらいで、自分が社会を良くしていくような感覚を持つことは出来ない。

これまでテスタさんの事を語ってきたが、最も尊敬することとしては、「自分は投資家になる」と決めて、それをやり続けて、莫大なパフォーマンスを生み出した意思の強さだと思う。

逃げではないのだろうが、普通に会社員として就職したほうが安定するだろうし、一日に数百万、数千万の資産が減ったり増えたりすることもない。

テスタさんのような人を見ると、自分が何をしたいんだろうかと改めて考えさせられる。




無駄に思えることを一生懸命やっていきます サポートありがとうございます。