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その花はいま、名を持たない


「物には輪郭はないんだよ。よく見てごらん、どこに線がある? 線など存在しない。君たちは物の境目を輪郭と呼んで鉛筆で黒く描くが、それは現実の物のありようとは全く違う。
 じっと見つめなさい。
 物と物の境目は黒いどころか、それぞれの反射でうっすらと光っているはずだ。線がないことを確かめなさい。いいかい、僕の言っていることがわかるまでひたすら、じっと、見つめなさい。

 決して、安易に線を引いて、物を描いたとは思うな。それは目の堕落だ。しかも、途轍もない堕落だ。」

今日は明日、昨日になります。 パンではなく薔薇をたべます。 血ではなく、蜜をささげます。