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もやっとしたものに、ピントを合せるのが私の仕事。

ジンバブエの小学校教員養成校のArt & Design専攻の生徒にグラフィックデザインを教えている私。
ここに来て最初にやったことは、
「プロジェクターのピントを合わせること」だった。「今までピントの合わせ方も知らんとずっと授業でプロジェクター使ってきたんかーい!」と突っ込みたくなった。
モヤっとしたスクリーンの文字をノートに書き写してきた生徒たち。(美術の授業なのに、画像ほぼ無し、字のみ)
でも、グラフィックデザインの歴史が浅いこの国で私がそれを教えるということは、まさにこういうことなんじゃないかなと直感的に思った。
ピントを合わせ、ジンバブエの人たちの視界をクリヤーにすること。
見えていなかったものが見えるようになること。

グラフィックデザインの授業で、ポスターを紹介したいのだけどジンバブエにあんまり生徒に紹介できるような自分の思うクオリティーのものがない。(だから私が今ここに来ているのだけど)

いくつかジンバブエのポスターを紹介する。
ジンバブエでは、”家族計画”を勧めている。
子供が4人とか6人とかいる子沢山な家庭のイメージがあったけど、蓋を開けてみると、ただ避妊しなかった結果そうなったというパターンが多いのではないかと。お金持ちならいいけど貧しい家庭だと大変だ。

「ちゃんと家族計画してよ、子供の未来のために」というポスター。

「フォントがゴシック体で揃えてある」という例としては良い例。
でも果たして、
このポスターで何人が「よし家族計画立てよう」って思うだろうか?

「コンドームを使って、二重で守ってね、(望まない妊娠と性感染症やHIV)」のポスター

ジンバブエのHIV患者の割合はめちゃくちゃ多い。男性の5人に1人だ。
NGO団体とかが無料でコンドーム配布してるのに、なんで「コンドーム使わないの?」って、なんで未だにこんなにパーセンテージ高いのって思うけど、使わない人が多いのが現実。
このポスターって、特に若い人に響く?これで食い止められる?

「愛は一つの屋根の下で守って。(HIVが移るから何人もの人をパートナーにしないで)」のポスター。

なんか「アフリカ」だなーって思うデザイン。
イチャイチャ写真を載せまくる、、笑。
これもどうなんだろう。

なんかどれも訴求力が無いと言うか、
現実と溝がある感じがする。嘘くさいというか。
(でも日本でも病院とかに貼ってあるのてこんな感じか。)
ジンバブエの人にとっては訴求力があったりするのかな?

ポスターの役割なんて、そんな大それたものでは無いかもしれないけど
歴史が浅い以上、やれることはたくさんある気がしている。

例えば、妄想だけど
ジンバブエで大人気アーティスト、みんな大好きジャープレザンがどーんとポスターに載って、「避妊しようぜ!」って呼びかけたら強烈な気がするなあ。とか。ジンバブエ流ならこれじゃ無い?とか思うのだけど。。

ポスター分析は続く。。。

ジャープレザンの音楽はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=4hzaGrEawqE

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