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「クリスマスプレゼントは、電気でした」 旅行で感じた、他のアフリカ諸国とジンバブエの落差。

ジンバブエから、隣国ナミビアへ5日間の旅行をしてきた。

写真は、ナミビアの首都はWindhoek(ウインドフック)。
現地の人は「ウィンドゥック」と言ってるように聞こえた。
ドイツ、南アフリカに支配されていた国。街並みは整っていて、美しい。
公用語は英語、現地語はアフリカンスと呼ばれるものまでいろいろ。

マラウィ、エチオピア、ザンビア、ボツワナ、ナミビア、から隊員が集まって、合計8人で旅行した。
ナミビアは、日本の面積の2倍という広大さで、交通網が全然ない(広すぎて皆あまり移動しないのだろう)。
なのでドライバーを雇い、相当な距離を移動した。(ほぼ移動がメイン)

「ナミビアのナミブ砂漠行ってみたーい」とナミビアで活動している隊員に言ってみたら、有難いことにグループ旅行に私一人ポツンと混ぜてもらった。彼らのほとんどに面識がなかったので、完全アウエイ。

私は自分から話しかける方では無いのもあり、全く会話に入ることもできず。
「ボツワナは〜」「ザンビアは〜」と、いろんな国の話を傍で聞いていた。
皆、自分の国が好きで、それについて言いたい。
その会話の端々から、私は、圧倒的にジンバブエという国の後退具合を思い知ることになった。

興味深いのは、ナミビアは、「中所得国」だということ。
初めて聞いた言葉だ。
例えば、ナミビアで学校の先生は約1,000USドル(約10万円としよう)の給料。これが中所得国。
一方、ジンバブエは、約100USドル以下。月額1万円以下だ。
10万円ぐらいは、欲しいところ。

他にも、皆、それぞれいろんなお金を持っていたのだけど、まあジンバブエ紙幣の汚いこと。他の国の紙幣の綺麗なこと。

これがジンバブエの紙幣。新品と比べるとどす黒い。
テープでとめてあったりするのも多いし、酷いものは糸を引くネチネチのものまである。女性は、お札を胸の脇に入れたりするから、ジンバブエ人の汗と執念を物語っている。
USドルも(2019.6.25よりUSドル使用禁止)どす黒いのがザラ。私は、目立たぬよう、自分のお金は、わざと新札を汚したりぐちゃぐちゃにしている。
あと、ジンバブエの紙幣は、これだけインフレが進んで、物価が爆上がりしてるのに、2ドル、5ドルしかない。
他の国は10,50,100,200とかある。

停電や、断水の状況なんかも聞いてたら、悲しくなってきた。
悲しいけれど、これが現実。
ジンバブエは5月からほぼ毎日、今は7ヶ月目だ。

なんと言っていいかわからないのだけど、
ジンバブエは、周りの国よりもダントツに資源大国だ(タバコ、金など)。
なのに、その売り上げは、国民には分け与えず、ほとんどを政治家が湯水のように使う。(政治家の月の給料は、賄賂とは別に2500万円ほどだとか)
ガソリン、現金、電気、水の無いない尽くしに
ジンバブエの国民は翻弄されている。この蝕まれた汚職で、餓死者が出るかもしれない。

25日のクリスマスの日、ジンバブエに帰ると、無いはずの電気があった。
電力会社は、クリスマスホリデー期間は電気の供給を約束したらしい。
(借金を返せてないので、南アフリカからたくさん電気を売ってもらえないらしいのだけど、少し買ったらしい)
12/24-27まで、電気はあった。そして今日、電気は無くなった。
クリスマスプレゼントが電気だなんて、終わってる。

スローでも走り始めている国を応援するのは、楽しくやりがいがあるかもしれない。(それぞれ壁にぶちあたるだろうけど)
でも、こんな終わってる国ほど、スタートラインにも立てていないような国ほど、支援が必要なんだと思う。そう思うようにしている。
道の整備、公衆衛生、できればビジネスにつながること、スポーツや芸術の楽しみとか目に見えない部分などの支援。

いつも仲良くしてくれる2歳の女の子は、うす汚い耳の無いクマのぬいぐるみを自分の赤ちゃんのようにおぶっていた。「クリスマスプレゼントでもらった友達だ」と言って嬉しそうだった。
私がみたこと無い黄色の、これも薄汚れたワンピースを着て、髪には同じ色のリボンをつけ、背一杯のおしゃれをしているのをみて、切なくなった。

旅行は楽しんだけれど、来年は、誰かを喜ばせるクリスマスにしたい。

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