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HELLO!僕たちが「ハローハラル」というブランドを立ち上げたワケ。

アクセサリーメーカーでの勤務や、飲食会社の起業を経験された後に、教育の仕事を始められた森澤雄基さん。そんな一風変わった経歴を持つ彼が何故この度「ハローハラル」というブランドを立ち上げることになったのか。ブランド作成に至った経緯と、ブランドを通して見たいビジョンについて伺いました。

森澤雄基(もりさわ ゆうき)
ハローハラル発起人。平成生まれ、昭和育ち。幼少期を商店街で過ごす。 以来コミュニティの在り方や地域活性化などに興味を持つ。起業やスタートアップ、教育系NPOなどを経て現在6社に在籍。 パラレルキャリアとして生きる中、新しい視点として「宗教」に興味を持つ。 信仰心の薄まる日本社会において「ハローハラル」がどんな存在になるのか、 社会実験を開始。本人曰く「ムスリム(イスラーム)」について勉強していますが、大のお酒好きです。すみません (笑)とのこと。


日本で生まれ育ってきて宗教に感じていた率直なイメージについて

─ 現在の仕事と、今に至るまでの簡単な経歴を教えてください。

現在は数社にて「企画」や「経営戦略」などを担当しています。 また自分の会社や事業ではキッチンカーなどを使ったフードエリアの制作に力を入れています。学校を卒業した後、最初はメーカー社員をしていたのですが「作っては捨て、作っては捨て」のサイクルに疑問を抱きその後少しでも自分が納得できる循環型社会を作ることは出来ないか、と日々仕事を通して模索しています。その結果食を通して教育に辿り着き、最近まで教育NPOにも所属していました。今後は学校を作ってみたいと考えています。

─ 日常の中で「宗教」を意識して過ごしたことはありますか?

現在33才なんですが、少なくとも20才くらいまで意識することはなかったです。最初に意識したのは群馬から東京に上京して外国人の友達が何人か出来た辺りが最初かな、と言ってもイベントでたまに会うくらいで、頻繁に日常を共にする、とかではなかったです。その中にクリスチャンの方が何人かいて、でも、「ああ、キリスト」ね、くらいの知識しかお恥ずかしながら無かったと思います。

─ 森澤さんが現在想う「宗教」のイメージを教えて下さい。

それこそ小さい頃にテロなどの映像をテレビで見たり、宗教勧誘の方が家に来たり、 うーん、なんだろ、正直そんなに良いイメージも無かったし、どこか遠い国の、自分には関係の無い出来事に過ぎない、といった感覚でした。

今でこそ、学校の赴任を通してプロテスタントの小学校で生活したことで聖書に触れ、 グローバルなゲストハウス事業(hostle DEN)に関わったことでイスラームについても勉強しましたし、何より古事記などの書物も読み漁って幼少期に自分が持っていた 「宗教のイメージ」とは真逆と言っていいほどの「存在」になっています。

今では「宗教」は歴史そのものであり、人生を通して学ぶ対象として非常に面白く、必要な教養だなと感じています。

森澤さんの事務所に並んだ数々の宗教に関係する書籍

イスラームがあることでより見えてきた世界の話

─ 現在の日本は無宗教(無信仰)が6割を超えていますが、これからさらに減少するのではないか?と考えられます。宗教があることで生活や暮らしにどんな特徴や変 化があると思いますか?

僕自身は「ハローハラル」というブランドを立ち上げておいて無宗教(特定の宗教に属していないの意)なのですが、どこかの宗教に入信したと仮定すると「生活の中に心の置き所が生まれる」のではないかと考えます。

また例えば「イスラム教」であれば「豚を食べることが禁じられている」「酒を飲むことが禁じられている」というように、それこそ「vegan」や「pescatarian」もそうですが「ルール(制限・誓約)があることで日々の生活の中に問いを持つことが出来る」という楽しさがあると思います。 僕自身も食へのこだわりは人一倍ありますが、そもそも生きる上で「問い続けること」 を大事にしています。これはこうです、と言われても必ずその本質を問います。なぜ?どうして?と。 そういった意味ではどちらが良いという話ではないですが「宗教のルール」が発生することで「一つ一つの物事への理解・関心が高まる」のではないかと思います。

それを「めんどくさい」と思う人も多いかもしれませんが、一方では「面白い・楽しい」という見方もあると思います。僕自身は自由が大好きですが、自由の中にも多少のストレスやルールがないと本当の自由を求め続けることは難しいのではないか、と考えるからです。宗教があることで、工夫して生活したりする機会も増えるのではないかと思います。

─ 宗教は「支えになるもの」としての存在、人によって様々な「存在」としてそこにあると思いますが、森澤さんにとっての「支えになるもの」はありますか?

日本のローカルエリアで生まれ育った僕にとって「地域の交流」や「お祭り」が僕自身のアイデンティティーの確立を含めて大きな影響をもたらしてくれたと感じています。それから「お墓参り」や「神社参拝」など自然と「宗教」と呼ばれるものに触れる機会は多い家庭だったかなと思います。

ただ「宗教に触れている!」といった感覚よりかは「大事だと言われていることに納得したからやっている」という感覚が近かったかも知れません。

その文脈から行くと、いまだに家に小さな神棚があり線香をあげてお祈りしたりする 「習慣」はあるので無意識のうちに繰り返す行為が支えになっている可能性もありま す。

また「無宗教」ではありますが「人と支え合って生きる」という選択を意識的に行うことで日々の生活の充実感と安心感に繋がっていると思います。

そういった観点から考えると「意識的に選択する」ことで「支えが出来る」これは「宗教」における「信仰」に近い感覚なのではないかと考えています。

─ たくさんの宗教を知る中で、ああこれは知ってよかったな、という教えや、心に残ったメッセージはありますか?またその理由もご自身の体験に紐づけて教えてください。

たくさんありますね・・・。といっても民族宗教や自然宗教が多いですが、シャーマニズム、アニミズム、神道的な観点で言うと「自然に感謝する気持ち」はとても大事にしています。

また食事の際の「いただきます」「ごちそうさま」「もったいない」も好きな言葉です。食事は信仰であるという話を聞いたことがあり、生き物の最後の供養だから皿を美しく彩る、と言う話はすごく腑に落ちました。

これはおそらく日本で生まれ育ったことも大きく影響していると思います。 国土の占める大半が森であったり、これだけ多種多様な魚が獲れる海がある。 海外にも何カ国か行ったことがありますが、比較した際により日本には豊かな資源が沢山あるのだな、と感じました。

学校に赴任した際に、新旧の聖書を読みました。思ったよりも冒険譚というか、失礼ながらもっと退屈なものかと思っていたので(笑) 想像以上にスラスラ読めてしまって驚いたことを覚えています。

その後、クリスチャンの方々にインタビューした際に各々に好きな章があることを知りました。ちなみに僕は以下、ヤコブの手紙に好きな一説があります。

私の兄弟たちよ。
あなた方が色々な試練にあった場合、それをむしろ非常に喜ばしいことと思いなさ い。あなた方の知っている通り、信仰が試されることによって、忍耐が生み出されるからである。だから、なんら欠点のない完全な出来上がった人となるように、その忍耐力を十分に働かせるがよい。<ヤコブの手紙 1章2~4節>

その上で困難な試練を喜べたらいいな、と思い、この言葉を選びました。

生きる上で試練は多いと思います。 むしろ「生きる事=試練」だとすら思うことも僕は多いです。毎日が修行です。

コーランでは以下の言葉が好きです。

人間には努力以外に、何ものも報いられるものはない。 ただその努力においてのみ、人は真の光の中に現れる。
ムハンマド[モハメッド、マホメット]
(イスラム教の創始者、予言者、570頃~632)

なんとなく一貫して「努力」や「学び」や「試練」みたいなテーマの言葉が好きな傾向にあるようです。週刊少年少年ジャンプが好きなので・・・(笑)

久しぶりに読み直して新しい気付きを得たいと思います。

森澤さんが運営する(家)コミュニティスペースのテラスにて

私たちが何故このブランドを立ち上げたのか、社会に思う事

─ アクションを起こす上で、様々な選択肢があったと思うのですが、ブランド立上を選択した理由は何故でしょうか。

一言で言うと「たくさんの考えるきっかけを創出したかった」です。 特に「宗教」に対して「ああ、なんか怪しいやつでしょ」と懐疑的に見る方が多い印象にあるので、理解や対話を面白く生み出すにはブランドというアプローチが良いのではないかと考えました。

─ ブランド立ち上げで「楽しかったこと」「大変だったこと」または「今も大変なこと」を教えてください。

今ままでも幾つかのブランド立ち上げに携わった経験はあるのですが、今回は「宗 教」そして「イスラム教」がテーマということで、入信しているわけでもない自分がこのブランドを立ち上げることで、失礼や間違いがないように勤めたいとは思っています。そういった意味では勉強し続けることがとても大事なブランドなので大変かもしれませんが、学ぶことで自分の視野が広がったり、今まで出会うことのなかったタイプの友達と出逢えてとても楽しいです。

─ ブランド化することで周りの反応などはでどうでしたか?

ブランド立ち上げにあたって「ジャーミィ東京」を初め、いくつかのモスクに遊びに行くようになりました。またムスリムの友人知人と話す機会も増えました。 そこで「ハローハラル」の話をすると、最初は「入信していないのにどうなんだ」とか言われるかなと覚悟していたのですが、むしろ逆の反応が多く驚きました。

みんなウェルカムな気持ちで、一緒に盛り上げようという頼もしいスタンス。入信、改宗したばかりの方からは「(イスラム教と非イスラム教の)ハブのような存在になって欲しい」とメッセージをいただき、このブランドを気持ちの良いもの・場所にしたいという気持ちでいっぱいです。

僕たちを温かく受け入れてくれる「モスク」のような。

インタビュー中常にペンを走らせる森澤さん

ハローハラルを通して伝えたいメッセージとアクション、今後の動きについて

─ 森澤さんがハローハラルを通して、大事にしていきたいことを教えてください。

教育事業も飲食事業もコミュニティデザインも、沢山の仕事をしていますが根っこの部分というか、小さい頃から僕は「何故人と人は争うのだろう」という気持ちが強い子供だったこともあり、様々な手段を駆使して「小さな民主主義を作る」「対話時間を作る」 「居心地の良い場所を作る」この三つを大事にしています。

「ハローハラル」も同様で、一般的には少し難しく思われがちなトピックを、丁寧に失礼の無いように、しかしラフに、カジュアルに存在させたいです。スッと無理なく「そこに在る」って感覚が理想で す。

─どんな人たちにどんなメッセージを届けたいと考えますか?

この世代が対象!などは一切思いませんが、子ども達に届いて欲しい、このブランドを通して一緒に遊んで欲しいという気持ちはあります。

─ メッセージを届ける上で、どんな手段を用いていく予定ですか。またその手段を選択した理由も教えてください。

いくつかのアプローチを準備しています。一つはnoteも含めた「メディア」podcastなど音声を使った展開も考えています。

あとはモビリティサービスとの相性も良いと考えフードトラックなどの展開も考えています。 その他にも色々とありますが、その辺りは他のメンバーの記事にも掲載されるかと思いますので、是非そちらも合わせてお楽しみください。

終始熱量の高い森澤さん とにかく学ぶことが好きだそう

日本における「宗教」はどう存在し、どうなっていくべきと考えるか

ーこれから宗教のイメージがこうなったらいいなと考えていることはありますか?

僕も全然「宗教」については素人で、まさに日々勉強といった所です。 しかし「知らなかった昨日」より「知った今日」少し景色が変わるんです。

町でヒジャブを見た時や、中東料理を食べた時、ニュースを見た時の宗派についての説明の理解力など。日本人は特に「宗教は危ない」などと乱暴な一言で片付けてしまうシーンも少なくないと思います。

そういう人たちも、そうでない人たちも皆んなで楽しく話し合い 「イメージを良くする」ではなく「イメージを共有する」そんな方向に進めたら嬉しいなと思います。

─ 最後にハローハラルに関わりたいと思っている方に向けて、メッセージをお願いします。

代表が一番勉強不足なチームです(笑)頑張りますね。 是非色々教えてください。楽しく優しい世界を作りましょう。

─ ありそうでなかった新しいタイプのブランドが東京から始まるということで、とても楽しみですね! 森澤さん、どうもありがとうございました。

外の光が眩しくて目を細めている森澤さん

(文・撮影 森澤真佑子)

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