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FUNDAY PARK FESTIVAL かんたん感想

8.14 FUNDAY PARK FESTIVAL Day1

2年ぶりの音楽フェスは今年初開催のFUNDAY PARK FESTIVAL。その初日。
着いた瞬間からあ〜音楽フェスに戻ってこれたなって気持ちが溢れて、それだけで泣きそうになってしまった。

まずはオープニングアクトのペンギンラッシュ。ポストゲスの極み乙女的なジャズのエッセンスを取り込んだピアノが軸のバンドサウンドは大人ムードな音像。今後要注目!

そして1組目はSurvive Said The Prophet。この日のラインナップの中では割と異端なオルタナロック。本人たちも騒がしいバンドと自称してたけど、だからこそ刹那というか、この一瞬に全てを賭ける熱量を感じるアクト。この日1番ダイナミズムを感じたライブだった!またじっくり音源も聞こうっと。


2組目はtricot。7年前の秋、REDLINEっていう対バンイベントでKANA-BOONやクリープハイプと一緒に見て以来。あの時と相も変わらずくっっっそ変態チックな変拍子サウンドをガンガン鳴らしてて最高の一言。叩きつけるようにギターを鳴らすイッキュウさん、切り付けるようにギターを弾き倒すキダさん、その間でニコニコベースを弾きながらも時折見せるギラついた目線がゾクゾクするくらいカッコイイヒロヒロさん、その3人と変拍子の中枢を裏から支える吉田さんと、このバンド、この4人だからこそなんだ!に溢れたライブでした。

3組目はSIRUP。夏にも雨にも良く似合う、Chillなサウンドがこの日のモリコロにピッタリ。サウナ入って水風呂入って「整う」っていう今流行りのあの感覚、あれに通じるものがあった気がした。サウナあんまり好きじゃない(水風呂はもっと好きじゃない)から分かんないけど。チルには、というかSIRUPの音楽には頭の中の雑念や汚れをごっそり落としてくれる効能がある気がする。

SIRUPのChillっぽさを引き継ぐ4組目はiri。強烈にハスキーな歌声と音数を絞ったサウンドが熱量と洒脱を両立してて今まで聞いた事ない何かに満ち満ちてた。特に「会いたいわ」がめちゃ良かったな〜。この日の個人的ベストアクト。

そんなiriのハスキーボイスに呼応するかのような5組目はGLIM SPANKY。iriとはまた違った魅力の溢れる松尾レミのハスキーボイスにオールドロック、ブルースな今の音楽シーンでは異端中の異端なサウンドで観客たる我々をグイグイ惹き付けて。中盤ではギターの亀本さんがアコースティックギターに持ち替えてのアコースティックスタイルの曲も披露してて、その緩急がこの日の天気とか割とチルっぽいラインナップに違和感無く溶け込んでたりもして、そこにグッと来たりもして。もっとじっくり見たくなった!

GLIM SPANKYがグイグイ高めた熱量をクールダウンするかと思ってたNulbarichは、意外や意外結構熱量高めのライブを展開。2年前に見た時はオーガニックなシティポップって印象だったんだけど、この日は歪みまくったギターがガンガン鳴ってたり、途中フェス向けでは絶対無いような長尺のセッションみたいなことやったりもしてて、いい意味で印象がガラッと変わった。オルタナティヴな感じ。色んな側面があって、それが全部溢れた時がポジティヴな意味で怖いなと思わせてくれたライブだった。でも前も聞きたくて聞けなかった「NEW ERA」が今回も聞けなかったのは残念...

ラストはみんな大好きオレンジレンジ。やっぱりオレンジレンジを聞いて小、中学生時代を過ごしてきた僕にとってオレンジレンジのライブを見たのは割と本当に念願叶ったりで。「以心伝心」「ロコローション」「祭男爵」「上海ハニー」ってもう下手な親戚の声より聞いてきたあの頃の曲たち乱れ打ちで気持ちが昂らない訳がないわけで。実際この日1番ぶっちぎりでみーーーんな盛り上がってた。そりゃそうだわ。個人的に1番思い出深くて1番聞きたかった「イケナイ太陽」も聞けて大満足でした。ノスタルジーと夏らしさのあまりにも強力なふたつの武器でぶっ飛ばされた感覚。次は声が出せるような状況でまたみたいぞー!!

本当ならこの日佐藤千亜妃も出演予定だったのだけど、コロナの関係で出演キャンセルに。元々20年4月に同じモリコロパークで開催されるはずだったYON FESに僕は参加するつもりで、それに佐藤千亜妃も出るはずで、そのYON FESは中止になって。今回のFUNDAY PARKは僕にとってある種あのYON FESのささやかなリベンジだったし、そこにまた佐藤千亜妃が出演するのは嬉しかったんだけど、残念ながら叶わず。このリベンジとして、佐藤千亜妃のライブも絶対近いうちに見にいく。

8.15 FUNDAY PARK FESTIVAL Day 2


オープニングアクトはOchunism。Suchmos以降のシティポップの流れを引き継いだチルなシティポップ。メンツ的にもむしろ前日の方がハマったのでは...?と思うくらい自由で開放的なムード。前日のオープニングアクトだったペンギンラッシュ同様、コチラも今後要注目バンド。

そして1組目はビッケブランカ!ライブを見るのは19年のRIJF以来2年振り。愛知が誇るポップアイコンの凱旋公演ということもあり、堂々のステージ。「ウララ」なら春、「夢醒めSunset」なら夏と、四季折々を乗りこなす繊細な表現力に思わず舌を巻く。中盤で披露した新曲はDJセットを用いたニュースタイルで、さながら会場はクラブのフロアに。表現方法を問わない器用さとビッケ持ち前のキャッチーでユーモラスなキャラクターで、ピースフルな祝祭空間を生み出してみせた姿が印象的。1組目から派手に楽しむことが出来ました。

2組目は石崎ひゅーい。ドラマ「みんな!エスパーだよ!」の主題歌を担当してた時からちょくちょく聞いてたミュージシャンだから遂にそのライブを見ることができたぞ!って気持ち。初っ端からまさにその主題歌である「夜間飛行」やってくれてめちゃくちゃ嬉しかった!そして続けざまに「さよならエレジー」と、代表曲連発に圧巻。彼の繊細さから生まれる強靭で高い熱量が、この日ここまで空を覆っていた雲に晴れ間を生んでくれた気がする。

3組目は緑黄色社会。今や愛知を背負うポップバンド。本当にどの曲もポップミュージックとしての精度が高すぎて圧巻。ゆずとかいきものがかりとか、紅白に出続けるような国民的とかそういう言葉が似合うバンドになっていく貫禄すらあるステージングだった。結構大きめのトラブルも容易く笑いに変えてしまう器のデカさなんかも感じたりして。これからどんどん大きな舞台に立つようになるだろうし、それを楽しみにしてしまう。

4組目はSCANDAL。揃いのビビッドカラーの衣装が印象的だったんだけど、ステージもその衣装のようにカラフル。この日最も歪んだギターサウンドをぶっ放したかと思えば、打ち込みのデジタル感のあるリズムパターンを用いてみたり、柔らかいアコースティックスタイルの曲も披露してみたり。メンバー同士の無邪気な絡みも相まって、なんだかおもちゃ箱ひっくり返したみたいなライブで楽しませて貰いました!

そしてそして個人的にも多くのオーディエンスにとってもこの日の最重要アクトだったであろう、小田和正御大がここで登場。我が母が最も敬愛していたミュージシャンのひとりが何を隠そうこの小田和正で。幼少期から小田和正情操教育を受けてきたのだけど、そんな小田和正を遂に見れるのかと感慨深い気持ちに。もう知ってる曲しかやらないから何歌っててもこれかー!と嬉しくなる。やっぱり「ラブストーリーは突然に」がベタだけど1番嬉しかったな。オフコース時代の「Yes-No」の歌詞にもグッと来たり。バンドメンバーの中にサザンのサポートもやられてる金原千恵子さんの姿もあって、久々にお姿拝見できて嬉しかった!小田さんのお声の調子が少し良くなさそうだったのが心配。「もうこれから会うこともないでしょう」なんて小田さんは仰られてたけど、またどこかでライブ見れたらいいな。穏やかで癒されるような時間でした。

そしてsumika!もしかしたら小田さん以上にファンいるんじゃないかってくらい、2日通しても1番人が集まってたイメージ。それぞれの曲ならではの振付とか、ファンタジックなサウンドと世界観も相まって、なんだか遊園地のアトラクションのようなライブ。若い女の子とかが好きになるのも頷けるなーって感じだった。惜しむらくは「フィクション」聞きたかったな。

2日間の大トリは高橋優!8年前のつま恋でのフェス以来。正直最初にタイムテーブル見た時は大トリが高橋優なのか、とちょっと面食らったとこがあった。なんで?と。でも蓋を開いてみたら高橋優以外有り得なかった。この時代、この時勢に高橋優のメッセージは強烈に刺さる。「福笑い」も「明日はきっといい日になる」も「現実という名の怪物と戦う者たち」も全部刺さりまくりだった。夕焼けの強烈な光線をバックに「虹」を歌う高橋優、めちゃくちゃカッコよかったー!

元々モリコロパークって愛・地球博やってた会場で、僕も小学生の頃に遠足で行ったりしたんだけど、今回出演してたミュージシャンの中にも「冷凍マンモス見に来たよ〜」って話してる人とかもいて、そうやって同じ時代を過ごしてきたミュージシャンのライブをあの場所で見てるのはなんだかとても感慨深かった。

2日通して本当に楽しかった!たくさんの制約がある中でのフェスではあったけど、やっぱり色んなジャンルの音楽が1日中鳴ってる音楽フェスという場所は最もピースフルな場所のひとつだと思う。僕はこの場所が好きだし、守りたいし、これからもただ参加するだけじゃなくてフェスやライブって場に還元できないかを考えながら過ごしたいなと思った2日間でした。

最後に2日間の写真を何枚か。

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