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スカーレットのストーリー #1. 旅立ちの始まり

私は幼い頃、夜がとても怖かった。

限りなく暖かい太陽が姿を消し、夜空が大きい口で私を飲み込もうとしたら、私は一糸もまとわないかの様にびくびく身震いしてた。夜空は果てもなく暗かったし、私を守ってくれる人は誰一人いなかった。友達が家族と寝る時、私を手掛けたのは非常に冷たい風だけだった。

“スカーレット、そろそろ寝ないと。”
そんな私の子守歌になってくれたのは祖母だった。生まれる前に父を、生まれてからは母を失った私には祖母が唯一の安息所だった。
夜空を怖がる私に祖母が聞かせてくれた物語は空の星たちの話だった。あれは神話にも出てくる星だよ、それは誰かと似てて名付けたんだ、祖母の声は穏やかで艶があった。そしていつの間にか私は星の美しさに気づいた。かすかに輝く星を見てると、夜空の大きい口も消えた。ただ流れる川みたいに散らかってる天の川だけが見えた。

”星が輝いていれば夜空はもう怖くない。”

そのせいなのか、星に夢中になっちゃって他のことは全部興味を失ってしまった。ハートコ惑星にいた間は特に問題はなかった。みんな昼間に砂漠へ移動して、夜になったら寝てたから。でも問題は地球という惑星の砂漠に行った時起きた。

初めて地球に行った私たちはハートコ惑星と比べられないほど暑湿の天気に驚いた。結局すぐにくたびれてしまったみんなは夜に移動することにして、日が暮れてから動き始めた。初めて地球の夜空を見た時をいまだに思い出すんだ... 地球とハートコ惑星は気候と同じく夜空も全く違った。真っ黒な夜空に星がキラキラと現れると私は一瞬も目を離せなかった。

だからずっと仰向いて空を見ながら歩いた。そのせいで何回も倒れる私を祖母が起こしてくれた。地球という新しい惑星で見た星は全く違う感じだった。

“おばあちゃん、あの星は何星座?”
“ … ”
“おばあちゃん..?”

いつもとは違い、うんともすんとも言わない祖母が不思議でちゃんと前を見た。ああ...飛び散る土埃で目がかすむ... でも祖母はもちろん、誰一人いなかった。

“あれ...? みんなどこ行ったの...?”

私はあてもなく砂漠をさ迷った。砂嵐で手先が見えないくらい目が乾燥した。しょうがない、それでも歩いた。朝になって、明るくなっても相変わらず誰一人見えなかった。どれだけ時間が経ったか、また星が出始めた。夜空で北極星が見えた。もう私に残ってるのは道標や友達である、思い出の詰まった星だけ…

それ以後私の本当の旅が始まったのだ。



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