あなたはなぜソムリエに?
わたしの職場で、ソムリエ資格を持っている人がなかなかの数いる。エキスパートを含め、「鬼門」と言われる筆記試験を突破し、そのあとのテイスティング試験まで合格を得た人たちである。
その中のひとりに、林さんがいる。
林さんは、ソムリエの資格、チーズの資格、サケディプロマという日本酒の資格まで持っているのだ。
「メニューを読めるようになると、面白いし楽しいよ」
林さんはフレンチ好き。ワインも、「フランスワインが一番好き」らしい。好きなものはピュリニーモンラッシェという白ワインだそうだ。ちらっと調べてみたらだいたい1万円のからスタートするものばかり。
「フランス語が読めて意味がわかったりして、メニューが読めたりすると楽しい」
と彼女は言った。
「ワインも日本酒も、ウイスキーもそう。ただ美味しいものくださいっていうのじゃつまらない」
と林さんはにこにこと言った。
ソムリエの資格を取ろうか、まだ悩んでいた1ヶ月前。
ちょろっと調べていたら、「ワイン検定」というものがあることを知った。ブロンズクラス、シルバークラスと分かれていて、ブロンズクラスは講義にでればまずは受かる、そこから、エキスパート資格と同じくらいのレベルだと言われているシルバークラスを受けるかどうか、みたいな流れもあるらしい。
ソムリエの資格は欲しいけれど、まあ今はまだかなあ、でもそういう資格は欲しいのでまずはワイン検定とか調べてるんですけど〜とわたしが言った時。
「ああ〜。そんな、シロウトに毛が生えたみたいなやつとるくらいならソムリエの資格とったほうがいいよ」
わたしがソムリエの資格を取ろうと思った理由はいくつかあるけれど、彼女のこのセリフがきっかけの1つでもある。
その言葉で、わたしは彼女のことがすごく好きになった。同じ職場でも、わたしが自ら、今年ソムリエの試験を受けようとしているということを伝えたのは、今のところ彼女にだけだ。
「なんでソムリエになりたいか、その先だよね」
これは、ママにも言われたこと。毎日のように聞いているソムリエのYouTubeの人も、そう言っていた。
「ワインを、売りたいの?それとも自分が楽しみたい?」
林さんと喋っていると、モチベーションが高まる。絶対に今年、受かろうという思いが強くなる。その環境に、わたし今、いることがすごく幸せというか、感謝せずにいられない。
嬉しい!楽しい!だいすき!