BGBE出展レポート

3/24本日、23日から2日間に渡って開催されたBGBEに出展してきました。
その感想を記憶が新鮮なうちにまとめておこうと思い、飲み会の余韻&出展疲れの残る体で書いております。

はじめに

BGBEの出展レポートを一刻も早く書き記すのはもちろん相応の理由があります。Twitterで運営の準備のグダグダについて散々ダメ出しツイートをしてフォロワーのBGBEへの印象を最悪にした罪と、運営にダル絡みDM&メールを送った罪があるので禊の意味も兼ねてこのnoteを書いております。ただ、出展を決めた時から次回出展希望者の観測気球となることを心に決めていたので、良い事も悪い事も赤裸々に書きます。

良かったこと

まずは良かったことを挙げていこう。

①1日目の来場者数は想像以上に多く、客層も購買意欲の高い方が多く期待以上の売り上げが出た。

②他イベントではあまり関わることのできない海外パブリッシャーと交流できた。

➂ビジネスタイムで他の出展者と交流する時間を沢山取れたので横のつながりはかなり広がった。

④一般参加でも企業の方が参加されており、ブースにご挨拶に来ていただいたので、一般来場者入場後も商談する機会は多かった。
➡他のイベントよりも領収書を求められることが多いので次回からは用意しておいた方がいい。

⑤打ち上げの飲み会が最高だった。あの時間に値千金の価値があったと言っても過言ではない。1日目のサプライズ演出は痺れた(どこまで書いていいか分からないので伏せるが、ある世界的なゲームデザイナーから激励があった)。2日目の飲み会は普段話すことができない方ととても近い距離感で話ができて感無量だった。ずっと遠くの存在だった方と同じ目線で話すことができるのはBGBEが多くの企業や著名人を招聘してくれたおかげだ。


悪かったこと

はい、デレ終了。ではダメ出しをしていこう。

①ビジネスタイムがグダグダ。詳細は後ほど書くが、ビジネスの場としてのフォローが不足しており、何をしていいのかわからない出展者が多かったように見られる

②紙のカタログ・ブースマップがない。ホームページにブースマップなどがあるが、スマホの画面だとにかくブースが探しづらい。
➡次回も紙の資料がないようであれば、自分で印刷した方がいい。これは出展者に限らず、一般参加者もである。ブース番号も出展者のテーブルクロスで隠れているケースが大半なので、紙の資料の有り無しは回りやすさに直結する。

➂どのブースがバイヤー・パブリッシャーのブースかわからない。ブースマップやカタログ以外の情報でブースの属性を判別できないので、とりあえず特攻してパブリッシャーですかと聞くしかなかった。私の準備不足もあるかもしれないがw

④見本置き場が無法地帯。見本置き場にスタッフが常駐しておらず、どのように置いたらいいのか把握していない出展者が大半(自分含め)だったので、各々好きなように置いて後から来た人が置くスペースがなかったらしい。私はパッケージだけ置いたが、かなりのスペースを使って内容物を並べてる人もいた。(それを悪いとは言わない無法地帯なのだから先に制した者が正義なのだ笑)

⑤導線が悪い。出展者側の通路とバックヤードは広く取ってくれているが、来場者用の通路が狭く、どこかのサークルの前で人が立ち止まったらすぐ人が詰まっていた。

⑥サークルの規模が考慮されていないサークル配置。今回は様子見ということで、ゲムマなどではエリア出展しているサークルさんが一般参加していたのだが、人気サークルやベテランクリエイターも島中に配置されているので、彼らに挨拶に来た来場者を切っ掛けにして人流が詰まることが多々あった。

⑦とにかく寒い。会場の外にキッチンカーがあり、キッチンカーへの導線となっている搬入口が開けっ放しなので風が吹き荒びひたすらに寒い。一般来場者は動き回るぶん、まだマシかもしれないがブースからあまり動かない出展者は余計に冷えるのだ。来年は1月の開催ということなので防寒対策は必須だ。インテックス大阪は埋立地なので内地より冷えるということだけは重ねて強調しておく、冗談だと思ってたら痛い目見るよマジ。

存外少ないか?
ノウハウ部分は中々難しいので初回イベントにしてはかなり良い感じではないだろうか。

ジャンルごとの温度感

BGBEではボドゲだけでなくアナログゲーム全般(TRPG、マダミス)も出展できた。私はマダミスとTRPGを頒布していたのだが、マダミスは好調に売れていた(1日目だけ)に対してTRPGは2日合わせて2部しか出なかった。しかし、TRPGの体験卓を行っていたTGFFは傍から見るにほぼ常に満員で盛り上がっていたので来場者のTRPGへの関心が薄いわけではなさそう。パブリッシャーにもTRPGに関心を示してくれた方はいる(ただしメイン商材ではないのでかなり苦しい)。他のTRPG関連の出展者からは『ボドゲ・マダミスが目的の人が多く、TRPGに関しては結構アウェイな感じもしたものの、説明を聞いた上で「TRPG、やってみるか...?」みたいな温度感で買ってくださる方もいて、売れ行きも中々でした。』との声を頂いているので、私の販売戦略(そもそも新刊のマダミスを押していた)の問題な気もする。というわけで、私はTRPGのアウェイ感を打ち払うことはできなかったがTRPGの売れ行きはブースによるというなんとも締まりのない結論を出すこととなってしまった。ただ、やはりTRPGのアウェイ感は否めない。個人的にはマーダーミステリーの専門案内ブース「マーダーミステリーフロントライン」で配っていたマダミス出展者をまとめたパンフレットがかなりいい宣伝になっていたので、TGFFに手数料を払ってでもTRPG出展者をまとめたパンフレットやTRPGオンリーの販売スペースを作ってもらうのはどうだろうか(無責任)。

【告知】
TRPGやマーダーミステリー、ボードゲームなど様々なアナログゲームを遊べる大規模コンベンションTGFFは5/5にも開催されます。アナログゲームがお好きな方はぜひお越しください。

公式HP:https://tgff.info/
Twitter:@TGFunFesta

ではボドゲは売れていたのかと言うと、知り合い曰く東京のゲムマの半分ぐらいとのこと、単純な即売会のパワーとしては今は亡きゲムマ大阪よりも一段落ちるぐらいだろうか。ただ、埋まらない差ではないと思う。関西コミティアよりは客層が一致しているため分がある。(とはいえ出展料がクッソ高いので即売会として見るなら割りに合わない)

次回出展者へ

とにかく出展料が高い。もし頒布で出展料をペイしようと思うなら、かなりの数売る必要があるが、今回と同じ来場者数だとかなり苦しい。(特に2日目の落ち込み対策が重要になるだろう。)

来場者数:
1日目 3250人(雨)
2日目 1855人(曇)
合計 5105人

他のイベントと出展料を比較してみよう
関西コミティア(半卓)       6,400円
ゲームマーケット(半卓:2日間) 22,000円
コミックマーケット(半卓)     8,000円
TGFF2023(半卓)         5,000円
BGBE(1卓:2日間)          55,000円

はい、高いですね。でもよく見ると、1卓2日間固定のプランしかないので、そこの条件を均せば印象が変わるのではないだろうか。つまり、共同出展にして半卓づつ使えば2日間で1サークル当たり27,500円になるのでゲムマよりもちょっと高いぐらいになる。
あとはビジネスタイムでどれだけ種を撒けるかによってゲムマではなくこのイベントに出展する意味が生まれるだろう。
ビジネスタイムの感想は総括で述べるが、ブースを離れる時間が長くなるビジネスタイムの特性からも次回以降出展する方は共同出展にして、お互いの不在時に店番できる体制を構築するのがいいと考えている。

総括

ビジネスエキスポと謳っているがビジネスの場としては十分機能しているとは言えない。企業や海外パブリッシャーが参加していて、彼らと話す機会を作ってはいるが、出展者と企業・海外パブリッシャーの間にはあまりにも高い心理的障壁があり、環境を十分に活用できるかは出展者の努力と才能次第といったところ。出展者の中には戦略立てて上手く立ち回っていた(1日目の飲み会で企業の上役とコネを作り2日目で商談まで持っていく)サークルもあったが、それはチームで参加している体力のあるサークルの話、多くの出展者は暗中模索していた。私も1日目どこに自分の求める流通パートナーとなり得る相手がいるのかわからず何をしたらいいかわからなかった。特に個人出展者はビジネスタイムで企業等と話すにはブースを開けなければならないが、中にはブースを回っている企業の方もいるのでブースを離れることがエンカウントの機会を失うことにもなりかねなず、運も絡む非常に酷な環境であったと感じた。(私の場合は、1日目は動かず来訪頼み、2日目は企業・海外パブリッシャーを訪問することで機会損失を最小限にとどめられたように思う。)こうした「何をしたらいいかわからない」「自由行動ゆえの行き違い」を防ぐ施策をイベント側で用意する必要があると考える。

一般入場が始まった後の「即売会イベント」としてはどうだったかと言うと、1日目は期待以上の盛況ぶりだったが、2日目は一気に来場者が減り、客層も1日目の方が購買意欲の高い方が多かったように感じる。(1日目はパッケージ買いが多かったのに対して2日目は購入前に熟考する方が多かった)2日開催のイベントの2日目は来場者が減るというジンクスがあるとはいえあまりも差がありすぎる。次回以降もこの状況が続くようであれば1日のみの参加、あるいは2日目は商談に専念するのも一つの手だと思う。

総括すると、改善して欲しいことも多いが、トータルで見たら価値のあるイベント。これから定着していくことで素晴らしい作品が生まれる土壌になる可能性が十分に感じられたが、それまでは多くの人柱(リスクを飲み込める出展者)が大量に必要になる。人柱が尽きるのが先かイベントが大成するのが先かはまだわからない。

私はBGBEの今後に魅力を感じたので来年以降も人柱になる気十分だが、開催までの態度が悪すぎて出禁になる可能性があるので、このレポートが新たな人柱の誕生に一役買ってくれたらと願う。(なお面の皮がクッソ厚いので、1日目の飲み会で、これまで散々文句言った癖に主催の斜め向かいで飲んでたのである。自己紹介をするタイミングがなかったので名乗ることもなく気持ちよく喋っていたが、翌日改めて名刺を交換しようと自己紹介した際の引き攣った顔は気のせいだったと思いたい…)

次回のBGBEは2025年1月18~19日
今回参加を見送った方もぜひ参加して欲しい。共に関西のアナログゲームハブを作り上げるための人柱になろう。



追記

本レポートが、次回出展希望者への観測気球として生の声を伝える&初開催でこれだけのイベントを成功させた運営に対する賞賛を意図して書かれていることを汲み取れない方がいらっしゃるので、このような蛇足を生やさなければならないのは己の文章力のなさを痛感し、忸怩たる思いですが、本レポートが運営に対する批判が目的ではないことをここに釈明させていただきます。

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