進度のゆっくりしたクラス作りのアイデア

まずはクラスの自己紹介を

うちの学校は日本語など外国語を専門的に学習するコース(授業料+受講料が必要)と、普通課と分かれています。(他に、コンピューターや美術もあるようです)

普通科でも第2外国語として日本語を選択できます。学習時間は少ないですが、「あきこと友達」というテキストを使い、進めていきます。1年かけてひらがなを覚える、ぐらいゆっくりです。

自分は高校3年生の週2コマを任されているのですが、特にテストもせず「ご自由に」やっていいと言われています。前任の先生はだいぶ適当に(笑)テキストを一緒に読んで終わり、でした。

自分も1年目、2年目は試行錯誤で、どうすれば満足度の高い授業を深度の遅いクラスで作ることができるか、悩みました。彼らは、別に入試で日本語を使うわけでもなければ街中に日本人がいるわけでもありません。中国語やスペイン語、フランス語、ドイツ語とならんでなんとなく選んだ、という学生もイます。※男子はディープなオタクがいて、そういう学生は意欲も能力も高いですが・・・。

1コマを終えて「成長した」と感じられるように

コマをまたぐような授業計画はうまくいきません。逆に1コマで収まるようにワン・イシューな授業をすれば満足度が上がる、と気が付きました。

これを初めて学んだのは小学生に英会話を教えるバイトで、でした。社長が「小学生に細かいことを教授しても(週1回なので)習得できないから、今日、短い時間でひとつ、習得できるようにすればいいから」と教えてくれました。

つまり、この進度の遅いクラスでは「一つの文法、一つの場面の名詞群で徹底的に話しまくる50分」を目指します。

今日のクラスでは「ペットの紹介」でした。ここで使う文法は“象は鼻が長いです”の「…は…がーです」・・・国語学者の中で論争中の文法ですね。

軽く、形容詞、文法、絵を見て話すパターンプラクティスをします

その後、自分のペットの絵と文章を書いてもらいます。※書く作業を入れるのは、メモ無しで話すのはハードルが高いからです。

そして、各自発表してもらい、その学生の学力に応じて教師が適宜質問をしていきます。この点は、教師自身の語彙・文法コントロール次第になっていしまいますが・・・。


教科書の会話をなぞるだけってつまんないですよね。しかし、教科書から学んだことと、現実の自分の生活との融合は、リアリティがあり学ぶ意欲が増します。進度が遅いからこそ、学ぶ楽しさと満足感に特化した構成が、学びにつながると思います。

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