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断れない人が学んでおきたい品格のある「No」の伝え方

日本人って、空気を読んだり言葉を濁したりしがちですよね。本心では思っていても口に出せないことも多いんじゃないでしょうか。小説だと、曖昧な表現があるからこそ、想像が膨らんでいくわけです。

一方で、嫌だという気持ちを押し殺してしまうこともあります。「No」と言いたいけど、言えない……そんな人向けの記事です。
今日は、そんな「品格のあるNoの伝え方」についての話。


◯断るって負担が大きいよね

断るのって心理的に負担がかかりますよね。だから自分の中にある嫌な気持ちよりも、断ることへの負担感の方が大きいと断れなくなってしまうんですよ。ですから、まずは断ることへの負担がどこからきているのかを事例を交えながら考えてみましょう。

事例① 相手の期待を裏切ることへの罪悪感

Aさんは、友人から誘われることが多く、週末は友人と過ごすことが多い日常を送っています。しかし、Aさんは最近仕事が忙しく、のんびり休みたいと考えています。それでも友人からの誘いは減りません。

せっかく誘ってもらっているのに期待を裏切るのも申し訳なくて、ずるずるとOKを出してしまって疲れが溜まっています。

解説:Aさんの場合、他者の期待に応えたいという気持ちや、断ることで相手を失望させたくないという罪悪感が心理的ハードルとなっています。特に親しい関係や長い付き合いのある相手に対しては、断ることで関係が悪化するのではないかという不安もるかもしれません。

事例②:自己肯定感が低い

Bさんは同僚から頼まれた仕事を断ることができず、いつも自分の仕事が後回しになってしまいます。Bさんは「自分が断ると他の人に迷惑がかかるのではないか」「自分は重要ではない」という考えが根底にあるので、仕事を押しつけられても断れません。

解説:自己肯定感が低い人は、他人の要求を断ることで自分の価値が今以上に低く見られるのではないかと心配してしまうことがあります。そのため、断ることができず、結果として自分の負担が増えてしまうことがあります。

事例③:対人関係の不安

Cさんは職場の上司からの飲み会の誘いを断ることができません。
Cさんは飲み会が苦手で、家で過ごしたいと思っています。しかし、上司との関係が悪くなると会社で不利な立場になるかもしれないという心配があり、我慢してでも飲み会に付き合った方がいいと考えてしまいます。

解説:上司や権威ある立場の人からの依頼や誘いを断ることの心理的な不安って大きいですよね。特に職場などの公式な環境では、「断ることで評価が下がるのではないか」「キャリアに悪影響が出るのではないか」という不安が心理的な負担になることもあります。

事例④:社会的なプレッシャー

Dさんは親戚からの冠婚葬祭の手伝いを断ることができません。忙しい日々の中で時間を割くのは大変ですが、「家族は助け合うべき」というプレッシャーから断ることができず、引き受けてしまいます。家族親族が率先して動いているならまだしも、親族間で「Dさんに任せればいい」という空気があって断れません。

解説:家族や親戚、コミュニティからの社会的なプレッシャーも断りにくさがありますね。特に「助け合い」とか「協力」が重要視される文化を持つコミュニティや環境下では、自己中心的と見られたり、協力的ではないというレッテルを恐れたりして断れないことがあります。

◯相手が不快に感じる断り方

断れない理由は、断った後の不利益がほとんどです。しかし、このように断った後に起きる悪いことは、相手が不快に感じるから生まれます。つまり、相手が不快にならないように断れば、心配しているようなことは起きないんですね。
ここでは不快に感じる断り方について紹介します。

・すぐに断る

頼まれた時に、間髪入れずに断ると「あ、こいつ考える前に断ったな」という印象を相手に与えてしまいます。すると、相手は蔑ろにされたと感じてしまうんですね。そうなると悪いイメージを持たれてしまいます。

考える必要はありません。少し時間をかけて深呼吸を3回くらいしましょう。それから断るだけでも印象はだいぶ違います。

・理由もなく断る

理由もなく断られると、誤解が生まれてしまいます。「嫌だから」というのも立派な理由ですが、できれば10人いたら8人が「それはしょうがないよね」という理由を見つけて伝えるとよいでしょう。

・明らかに歓迎していない態度で断る

明らかに面倒な雰囲気や、ぶっきらぼうな雰囲気で断ると、相手の機嫌を損なってしまうことがあります。「普段誘わないのに都合のいい時だけ誘う」とか、「数合わせで誘われてるな」と察してしまったとしても態度に出すのはやめましょう。

「誘ってくれて嬉しいけど~」くらいのテンションで、少なくとも歓迎する気持ちはあったと伝えるだけでもだいぶ違います。

・正論で断る

自分の仕事を間に合わないからと周囲に振ろうとしている人っていますよね。そんなときに「計画性がない」とか、「自分の仕事は自分でやるもんでしょ」なんて、正論で断ると関係が悪化しています。

そんなことは分かってるんですよ。分かっているけど、目を逸らしているんです。だから正論で反論されると「そんなこと分かってるんだよ!そういう時こそ助け合いだろ」なんて、理屈の通らない反論を受けたりしてしまいます。
正論で断るのはリスクが高いので、特にやめたいですね。

・断る言葉から始める

結論から話し始めるのは大切なことですが、断るときは結論を先に話すのはやめた方がいいでしょう。頼む側は、相手がイエスと言ってくれる可能性を信じて頼んでいるわけです。

ですから、交渉の隙もなく、頭から断ってしまうと反感を買ってしまう場合があります。相手に断られる心の準備をしてもらうためにも、断る言葉は最後にもっていったほうがよいでしょう。

◯角が立たない断り方のポイント

都合のいいお願い事って、引き受けたくないですよね。というわけで、最後に相手がいい気分で断られてくれる断り方のポイントを解説をしていきます。

・ちょっとだけ叶える

断るのが嫌であれば、ちょっとだけ叶えるようにしてみるのは効果的です。「日曜日に遊ばない?」なら「15時までなら!」とか、「仕事を任せたい」って言われたら「半分だけなら」とか、全部引き受けないようにすることで、断る罪悪感も小さくなりますよね。

それに楽をしようとしている人などは、「半分しかしてくれないなら次からは別の人に頼もうかな」と考えますから、都合のいい頼みごとは減っていくでしょう。

・代替案を提案する

断る時に代替案を提示することで、相手のことを気遣っているメッセージにもなります。子供の送り迎えを頼まれた時に「タクシーで迎車してもらおうよ」みたいな感じですね。思いつかない場合は「私は対応できないけど、別の方法を考えようよ。なにか心当たりある?」なんて返してもいいですね。

だいたい、どうにかなりますし、どうにかしなけりゃならないことなら相手はどうにかします。

・感謝の気持ちを伝える

遊びに誘われた時に効果的な方法です。断る際に、感謝の気持ちを伝えることが大切です。「お誘いいただきありがとうございます。でも、今回はお断りします」といった言葉を添えると、相手も受け入れやすいでしょう。

・「今回はたまたま」と限定する

「今回はたまたま手が空いてるからよかったけど、無理な時は無理だからね?」と、断る可能性を事前に匂わせておく方法です。今回については断ることはできませんが、次回以降に断るハードルがグッとさがります。

・原因究明まで手伝う

仕事など、自分の関係のないトラブル対応が中心ですが、もし面倒だと感じるのであれば、あえて原因究明までしっかりと手伝ってあげるといいでしょう。「そのトラブルが起きた原因は?」「どうすれば未然に防げるだろう?」、そんなふうに相手のトラブルの原因を一緒になって考えてあげましょう。

毎回、丁寧に接していると「こいつに頼むと逆にめんどくさい」となるかもしれませんし、トラブルの原因が解決できてお願い事が減るかもしれません。行動自体は正しいものですし、断ることもしていませんから罪悪感も少ないでしょう。

◯誠意をもって断ってもダメなら諦めも肝心

断るというのはハードルが高い行為です。しかし、体良く使われていたり、数合わせだったり、そこまで仲良くなかったりと、「ん?」と感じる依頼やお願い事があったりもしますよね。

協力も大切ですが、自分の負担が大きくなるようなことはしたくないという気持ちもあるでしょう。そんなときは、上手に断って自分を守ることも大切です。自分が限界を迎えてしまわないように、適度に断るようにしましょう。

それでも断れないって? ……そういう時は諦めましょう。
でも、断る方法は探し続けましょうね?


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