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コーチの視点から共に考えるビジネスコラム

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「Coach's VIEW」はコーチ・エィのエグゼクティブコーチによるビジネスコラムです。 コーチ・エィ代表取締役の鈴木義幸をはじめ、東京、上海、バンコク拠点在住コーチが、エグ… もっと読む
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#意識変革

フィードバックを自分のものにする

written by 稲川由太郎 先日、私のエグゼクティブコーチのクライアントであるAさんと、彼の上司との三者面談の機会がありました。Aさんの上司は、コーチである私に対して、「Aさんにはもっと厳しくフィードバックをしてほしい」と言います。 上司から見ると、Aさんはフィードバックをかわしたり、受け止めたふりをしているように見えるようです。 Aさんの上司の言葉を私自身の「フィードバック能力に対するフィードバック」として受け止めつつ、Aさんがフィードバックをかわしているように

一つ上の視座を手に入れるために必要な、たった一つのこと

written by 大山悠 「高い視座で物事を見れるようになって欲しい」 多くの方が、この言葉を上司や周囲の人からかけられた経験があるのではないでしょうか。また、部下や周囲の人を鼓舞することがあるのではないでしょうか。 「視座」とは、「物事を見る立場、視点(広辞苑)」です。立場が変われば、見えるものも変わります。 エグゼクティブ・コーチングのテーマとしても、「事業責任者から経営者へ」といったように、一つ「上」の立場でモノを見ることを扱うことが、多々あります。 私自

あなたは、その人をどういう人だと思っていますか?

written by 長田祐典 最近よく街中で耳にする曲の歌詞です。この曲が流れてくると、私は次のように問いかけられているような気がします。 自分自身にレッテルをはり、自分を枠の中に押し込んでいないか? そうして安心感を得ているのではないか? もっと自分の可能性を見たほうがいいのではないか? また、次の一節は、Harvard Business Reviewに掲載された論文からの抜粋です。 あまりにも多くのリーダーが、決断というものに対して、正しいか間違っているか、よい

「他者に影響される」リーダーシップ

written by 栗本渉 私たちは成長する過程で、教育を通じ、自分で問題を定義し、自分で問題に向き合い、自己完結的に解決していく、そういう姿勢や能力を訓練されてきました。 自分なりに課題を整理する 自分なりに全体プランを考える 自分なりに解決策を考え提案する そして、自ら主導権を持ち、周囲に影響を与えていく。その力が強いほど、「あの人にはリーダーシップがあるね」と評価もされる。 リーダーとして役割を与えられ、難しい課題に直面し、解決の責任を引き受け、常に「では

「正しさ」の向こう側にあるもの

written by 内村創 私の家にはチワワが2匹います。外から家に帰ると、まるで10年帰りを待っていたかのように大騒ぎしながら出迎えてくれます。喜び丸出しのお迎えですが、そのように迎えられるとこちらも感情丸出しで、普段出さないような高い声を出しながらそれに応えます。 この日々の儀式は、また会えたというだけで、こんなにも素直に喜び合うことが出来る感情が自分の中にあることを教えてくれます。 毎日会社に出社して、こんな風にまた会えたことを互いに喜び合えたら、どんな毎日にな

「やりたいこと」はどこからやってくるのか

written by 大山悠 「やりたいことは何ですか?」 「あなたは何がしたい人なんですか?」 こうした質問をクライアントによく問いかけておきながら、私自身はこれらの質問に答えるのが得意ではありません。 「そもそもやりたいことって何だろう?」とも思いますし、「答えにくいな」という感覚もあります。あるいは、答える方法論は頭にいくつかあるけれど、なかなか考えが深まらない感じもあります。 「やらなければならないこと」であればいくらでも出てくるし、そこに紐づく「やりたいこと

私はいま何をしようとしているのか?

written by 小池恭久 ここ上海でロックダウンが始まり、1ヶ月以上が経ちました。政策への賛否はともかく、部屋から一歩も出ることができない状況がここまで長く続くと予想していた人は少なかったでしょう。 当然ながら、仕事をしている人は、ほぼすべての人が在宅勤務をしています。私自身、メンバーとオンラインでミーティングをする毎日です。 現在の上海の状況は特殊かもしれませんが、世界中で、2年前と比較して圧倒的に在宅で仕事をする人が増え、業務上でのオンラインでのコミュニケーシ

真似ることは学ぶこと

written by 片桐多佳子 「どうしたらもっと早くコーチ力が上がるだろうか?」 20年以上にわたって世界のコーチングの発展に貢献してきたICF(International Coaching Federation 国際コーチング連盟)は、コーチングを次のように定義しています。 「思考を刺激し続ける創造的なプロセスを通して、クライアントが自身の可能性を公私において最大化させるように、コーチとクライアントのパートナー関係を築くこと」(※1) この定義を前提に、もしも上

「主観」の可能性

written by 有吉祐介 コーチ・エィに入社する前、私はコンサルティングファームでコンサルタントとして、約20年間にわたり企業の変革を支援していました。 コンサルタントからコーチに転身した私が感じるコーチングの大きな特徴は、「客観」ではなく「主観」を扱うことにあるのではないかと思っています。 コーチングに感じた可能性コンサルタント時代に大事にしていたのは「客観的」であること。 論理的に課題を構造化し、ファクト(客観的事実)を重視し、客観的分析に基づいて戦略を立案

その遠慮は未来を創り出しますか?

written by 長田祐典 2015年に発表された "Dialogical Leadership: Dialogue as Condition Zero" という文献で、著者らは、今日私たちが生きる世界について、次のように書いています。 「極度に透明性が高く、 絶え間なく不確実で、即座に時代遅れになり、不可解なくらいに 複合的 (複雑)」であり、私たちが直面している数々の問題は、「複合的(複雑)で、やっかいな問題がほとんどである」と。 新型コロナ感染症への対応に代表

組織はなぜコーチングができる人材を求めるのか

written by 栗本渉 コーチングができる人材が求められつつあります。 「有能なマネージャーの資質のトップは、良いコーチであること」というGoogle社の調査結果(※1)や、「83%の組織は、今後5年でマネージャーの職務要件としてコーチとしての役割が加わる」という2019年の国際コーチング連盟の調査結果(※2)については、これまでコーチ・エィのコラムでもよく紹介してきました。 実際に私たちが企業の経営幹部と接する中でも、人材への要求が変化していることを感じます。自

経営チームを「チーム」にする

written by 鈴木義幸 「チームにする」とはどういうことか? ひとつの解釈は、そこに集うメンバーが「共創」をしているということではないかと考えます。 共創とは、簡単に言えば、全体が部分の総和以上になっているということ。1+1+1が3よりも大きくなっているとういうことです。 メンバーが相互に作用、影響しあい、集まって協力し合っていることによって価値を生み出している。 それが、「チーム」である状態。 チームというものをそのように解釈したときに、最もチームにする

エグゼクティブ・コーチングの進化

written by 鈴木義幸 エグゼクティブ・コーチングは、長らく「エグゼクティブである一個人を強くする」ことが目的だと考えられてきました。 「0コンマ何秒の競争にさらされているオリンピック選手のように、エグゼクティブも熾烈な競争に勝ち残る必要がある、だからコーチをつける」 エグゼクティブ・コーチングの必要性を訴えるために、こうしたメタファーが繰り返し語られてきました。アスリートにコーチがつき、その能力を最大限高めるためにコーチングをする。 特にアメリカでは、エグゼ