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コーチの視点から共に考えるビジネスコラム

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「Coach's VIEW」はコーチ・エィのエグゼクティブコーチによるビジネスコラムです。 コーチ・エィ代表取締役の鈴木義幸をはじめ、東京、上海、バンコク拠点在住コーチが、エグ… もっと読む
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#関係構築

フィードバックを自分のものにする

written by 稲川由太郎 先日、私のエグゼクティブコーチのクライアントであるAさんと、彼の上司との三者面談の機会がありました。Aさんの上司は、コーチである私に対して、「Aさんにはもっと厳しくフィードバックをしてほしい」と言います。 上司から見ると、Aさんはフィードバックをかわしたり、受け止めたふりをしているように見えるようです。 Aさんの上司の言葉を私自身の「フィードバック能力に対するフィードバック」として受け止めつつ、Aさんがフィードバックをかわしているように

一つ上の視座を手に入れるために必要な、たった一つのこと

written by 大山悠 「高い視座で物事を見れるようになって欲しい」 多くの方が、この言葉を上司や周囲の人からかけられた経験があるのではないでしょうか。また、部下や周囲の人を鼓舞することがあるのではないでしょうか。 「視座」とは、「物事を見る立場、視点(広辞苑)」です。立場が変われば、見えるものも変わります。 エグゼクティブ・コーチングのテーマとしても、「事業責任者から経営者へ」といったように、一つ「上」の立場でモノを見ることを扱うことが、多々あります。 私自

あなたは、その人をどういう人だと思っていますか?

written by 長田祐典 最近よく街中で耳にする曲の歌詞です。この曲が流れてくると、私は次のように問いかけられているような気がします。 自分自身にレッテルをはり、自分を枠の中に押し込んでいないか? そうして安心感を得ているのではないか? もっと自分の可能性を見たほうがいいのではないか? また、次の一節は、Harvard Business Reviewに掲載された論文からの抜粋です。 あまりにも多くのリーダーが、決断というものに対して、正しいか間違っているか、よい

わたしは対話が怖かった

written by 内村創 「わたしは対話が怖かった」 これは、永井玲衣さんの著書『水中の哲学者たち』の中に出てくる一文です。 数多くの学校や企業で哲学対話を展開する永井玲衣さん。彼女の対話に対する正直な言葉、正直な視点に、本のページをめくる私の手が止まりました。 私は、前回のコラムで「リスクを取って話すことから対話は始まる」、そんな主旨のことを書きました。「対話の先で自分が変わること、そのことに両者がオープンな姿勢で臨むことが大事」。そんなことも書いたと思います。

そのネットワークシステム、万全ですか?

written by 片桐多佳子 新型コロナウイルス第6波はピークアウトしたようですが、1日も早い終息を祈らずにはいられません。我が家でも、2月の初めに娘が保育園関連で濃厚接触者になったのを機に、家の中が何者かに侵されているような雰囲気となりました。 2月中旬には、夫と息子がコロナ陽性判定。私自身は陰性ながら、珍しく体調を崩し、それから1か月間、ひどい頭痛に悩まされ続けるという体調不良月間となりました。 このコラムの配信が残り1週間と迫った時、頭痛による睡眠不足はピーク

人は、自分が参加した対話を通じてリードされる

written by 鈴木義幸 先日、当社のイベントで、株式会社商船三井の池田潤一郎会長と対談させていただく機会がありました。 池田会長は、社長に就任された7年前からエグゼクティブ・コーチングを受けていらっしゃいます。昨年、会長になられてからは、自らがコーチとしてグループの子会社に新たに就任された4人の社長のコーチングをされるようになりました。私は現在、その4人の社長へのコーチングをサポートさせていただいています。 親会社の会長が子会社の社長をコーチする。 とてもユニ

お互いの前提を理解できたら、未来をどう変えられるのか?

written by 稲川由太郎 春を前に、今年も人事異動の季節が到来しました。新しい役割に心躍る方、新たな人間関係の構築に不安を覚える方。これから様々なドラマを織りなしていかれると思います。 クライアントのAさんは、3年前の4月にシンガポールの大規模拠点に社長として赴任されました。着任し、社員のフレンドリーで家庭的な雰囲気に安堵しつつも、このままでいいのだろうかと正体不明の違和感を覚えました。 「社員が安心して働ける文化を築いてきた経営陣には感謝している。ただ、社員の

思ったことを正直に話す価値

written by 今城直樹 みなさんには「何でも話せる相手」がいるでしょうか? 「何でも話せる相手」とは、自分が思ったり、考えたり、感じたりしたことを、そのまま言える相手という意味です。 そういう存在の人を思い浮かべることができる人は幸せです。とりわけ、一緒に仕事をする仲間が「何でも話せる」存在である場合は、とても大きな影響力とパフォーマンスが期待できるのではないでしょうか。 今日一日を振り返ってみてください。 会議で、1on1の場で、ちょっとした雑談で、自分自身

私は正しい、あなたも正しい

written by 青木美知子 先日、以前から知り合いだった経営者のAさんにお会いする機会がありました。知り合った当時のAさんは、某大手メーカーの経営戦略を担う専務執行役員でした。現在は違う会社で経営者をされています。 昔話に花が咲く中で、Aさんが当時を思い出しながら話してくれたことは、私をはっとさせました。 「会社のため」か、「自分のため」かAさんは、上司と異なる意見であっても、自分が「正しい」と思ったことを進言するタイプのリーダーです。ある時、Aさんと社長であるB

「私とあなた」の関係性

written by 稲川由太郎 職場であなたをいつも悩ませる人は、どんな人ですか。 人の話を聞かない。 「わかった」と言ってやらない。 レスポンスがない。 仕事が遅い。 決断が遅い。 では、相手はいったいどう思っているのでしょうか。 たいていの場合、相手にもそれなりの言い分があります。そう思うと、本質的な問題は、どこまでいっても「相手とわかりあえないこと」なのかもしれません。 そもそも、なぜ相手とわかりあえないのでしょうか? わかりあえなさの原因はどこにあるのでし