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コーチの視点から共に考えるビジネスコラム

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「Coach's VIEW」はコーチ・エィのエグゼクティブコーチによるビジネスコラムです。 コーチ・エィ代表取締役の鈴木義幸をはじめ、東京、上海、バンコク拠点在住コーチが、エグ… もっと読む
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#自己認識

あなたの知らないあなたの「〇〇〇〇」

written by 片桐多佳子 読書の秋、スポーツの秋、リスキリングの秋、そして、コーチングの秋。みなさんはこの秋、何を極めようとしているでしょうか。 5歳になった娘が、今年から友だちと一緒に英語教室に通い始めました。通い始めは、レッスンを待ちわびるほど楽しそうにしていた娘でしたが、数ヵ月前のある朝、突然「行きたくない...」と、もじもじしながら言い出しました。 教室へ通う目的としては、英語を学ぶというより、友だちとの遊びの延長で英語に触れられればいいというくらいに考

対話の質、主観の質

written by 今城直樹 昨今、「対話」という言葉を耳にしたり、目にしたりすることが増えました。そんな中、いったい「対話」とは何なのか、やり方はどういうものなのか、ということに焦点があたります。 コーチ・エィでは、対話を「互いの主観を持ち込み、その違いを顕在化させ、ともに捉え方、考え方を再構築していくプロセス」と定義しており、対話とは何か、何をすることなのかを説明しています。 この定義を踏まえたうえでさらに一歩踏み込み、今度は対話の「質」に目を向けると、実はそこに

「他者に影響される」リーダーシップ

written by 栗本渉 私たちは成長する過程で、教育を通じ、自分で問題を定義し、自分で問題に向き合い、自己完結的に解決していく、そういう姿勢や能力を訓練されてきました。 自分なりに課題を整理する 自分なりに全体プランを考える 自分なりに解決策を考え提案する そして、自ら主導権を持ち、周囲に影響を与えていく。その力が強いほど、「あの人にはリーダーシップがあるね」と評価もされる。 リーダーとして役割を与えられ、難しい課題に直面し、解決の責任を引き受け、常に「では

「正しさ」の向こう側にあるもの

written by 内村創 私の家にはチワワが2匹います。外から家に帰ると、まるで10年帰りを待っていたかのように大騒ぎしながら出迎えてくれます。喜び丸出しのお迎えですが、そのように迎えられるとこちらも感情丸出しで、普段出さないような高い声を出しながらそれに応えます。 この日々の儀式は、また会えたというだけで、こんなにも素直に喜び合うことが出来る感情が自分の中にあることを教えてくれます。 毎日会社に出社して、こんな風にまた会えたことを互いに喜び合えたら、どんな毎日にな

一流はリソースをどこに見出すか

written by 片桐多佳子 コーチ・エィでは、コーチングを「対話(コーチング・ダイアローグ)を通して、クライアント(コーチングを受ける人)の目標達成に向けた能力、リソース、可能性を最大化するプロセス」と定義しています。 「能力、リソース、可能性を最大化する」というのは、具体的にどういうことなのでしょうか。 みなさんにはピンとくるでしょうか。私自身はといえば、先日、新入社員から質問され、自分がわかったつもりになっていることに気づきました。質問に答えてはみたものの、口

先に進むために立ち止まる

written by 稲川由太郎 現代はVUCA、つまり先の見えない不確実性の時代と言われます。「自社の主要事業の5年後について、見通しがつかない」と回答した企業が7割に上るというデータもあり(※1)、多くの日本企業が経営環境を取り巻く不確実性を不安視していることが伺えます。 先日、この4月に、連結売上高7兆円、従業員数4万人を超える会社の社長になったばかりのAさんと1対1で面談する機会がありました。 「こんな会社にしていきたい」 「会社の存在意義(パーパス)から、こん

コーチングがもたらす「旅」

written by 市毛智雄 この1年半以上、コロナ禍は、世界中の人々から移動の自由を奪いました。2019年まで増加傾向が続いていた来日観光客の姿は日本中から消え、私たち自身も、旅行はもちろん、日常生活における移動まで制限される日々が続きました。移動の自由がないことで、私たちは何を失ったのでしょうか。 移動と創造性の関係36歳で没したモーツァルトは、その人生の3分の1を「旅」に費やしていたといわれます。彼は父親からザルツブルクに留まるように要請されたとき、「自分の音楽的

あなたは自分の「前提」にどうやって気づきますか?

written by 大山悠 「大山くんさ、上司は何でも知っていると思ってない?」 「はい? どういうことですか?」 「いやさ、大山くんはさ、上司は何でも知ってて欲しいし、知ってるべきだと思ってるんじゃないかと思って。でもさ、僕は知らないことがたくさんあるし、何でも知ってると期待されても困るんだよね」 「はあ、、、」 これは、私がコンサルティング・ファームからコーチ・エィに転職して間もない頃の、当時取締役だった上司、Iさんとの忘れられないやりとりです。たしかに当時、

何のために自分自身をアップデートするのか

written by 稲川由太郎 最近、コーチングをスタートされる方の中に、360度評価など、周囲からのフィードバックの結果を持ち込まれるリーダーが増えています。 昨年4月に新しい組織のトップになったばかりのAさんも、初回のコーチングセッションに過去の360度フィードバックの結果をもって臨まれました。そこに記されていたのは、A氏に対する周囲からのフィードバックコメントです。 - 気づかずに、人のやる気をそぐことを言っている - 他者の気持ちになって考えることができない

我々を悩ます「目標」と「やりたいこと」

written by 今城直樹 2021年になり、はや1ヶ月が経ちました。みなさんは今年、どんな目標を立てられたでしょうか。また、目標に向けて順調に行動できているでしょうか。 順調に進んでいる人がいる一方で、目標の見直しに取り掛かっている人もいるのではないかと思います。 「適切な目標設定ができれば、半分以上は達成している」と言われますが、この言葉は、目標設定がいかに重要かを教えてくれると同時に、目標設定が簡単ではないことも示唆しています。 Have toの目標、Wan

2020年の未完了を完了させる

written by 片桐多佳子 あと2週間で、2020年も幕を閉じます。「誰がこんな一年を想像したでしょうか?」というセリフがこれほどまでに似合う年もありません。2021年には、また新しい何かがやってくるかもしれませんが、どんな状況になったとしても、リーダーたるもの、エネルギー高く、未来に向けて前進していきたいものです。 エネルギーロスを回避するためにそのためには、今年の未完了はできるだけ早く完了させて、自分自身はもちろん、チーム、組織、会社全体におけるエネルギーロスを

影響力を発揮する「自分らしさ」とは 【コーチングのコーチと共に考えるコラム】

written by 今城直樹 コーチという仕事柄、リーダーシップについて常に考えます。「リーダーシップ」に明確な定義はありませんが、リーダーとしての「周囲への影響力」だということはできるでしょう。 近年、「人は自分らしさを大切にするときにもっとも影響力を発揮する」という考え方を前提に、リーダーとして「自分らしさ」を大切にすることが語られるようになりました。「オーセンティック・リーダーシップ」と言われるものです。 さて、それはいったいどういうことなのでしょうか。「自分ら

「感じていること」を聞く 【コーチングのコーチと共に考えるコラム】

written by 片桐多佳子 秋も深まってきました。みなさんは最近どんな本を読んでいらっしゃるでしょうか。 私自身は毎晩、5歳児、3歳児と一緒に、絵本を読みながら眠りにつくというルーティンがここ数年続いています。一緒に読む絵本の中で、子どもたちが大好きなのが五味太郎さんの『質問絵本』です。 『質問絵本』には、質問が15問。 「男の子がごちゃごちゃおりますが、さて、 将来すごく出世しそうな子はどの子でしょうか? そしてその理由は?」 「ごらんのとおりの海です。さて