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返事の届かない手紙⑭

さて、何故面倒になるの事前に説明をしておきます
Kと出会う数ヶ月前に友人数名と歓楽街へ遊びに行き
しつこいポン引きに捕まり、断っても断っても服を引っ張ったり
行き先を塞いだりしてくるものだから
僕が「邪魔なんだよ、お前消えろや」と啖呵をきったら
用心棒さん?が出てきちゃって、イライラしてたもんだから
「ポン引きに呼ばれて出てくるドサンピンがシャシャってくるんじゃねぇよ」と言ったら、「お兄ちゃん、元気が言いな事務所に行こうか」と言われ
「あぁ、事務所でも何処でも行ってやるよ」と返し事務所に行き

事務所に着いたら「正座しろや」と言われ
「事務所まで着いてやったんだから、正座なんてしねぇよ」と言って
ソファーに座り、「客人に茶の一杯も出てねぇ、事務所なんて聞いたことねぇぞ」と言ったら
「粋がるのもいい加減にしろや」と怒鳴られた
「粋がっちゃいねぇだろうがよ、来いって言うから来たんだから客人だろうがよ」と怒鳴り返す
ドサンピンが「カタギのガキがいつまで粋がってんだ?」と鼻で笑ってきた
僕はタバコを取り出し、ローテーブルのライターをわざと使いタバコを吸い始めた

「申し訳ないけどさ、カタギのガキじゃねぇんだわ。子供の頃から
あんたらの世界に片足以上に突っ込んで生活してきてんだ、下手に舐めてもらっちゃ困る」と煙を吐き出しながら言う
続けざまに「早く部屋住みにお茶の一杯でも準備させろよ」と言うと
事務所の奥の扉から身なりの違う人物がが
「うるせぇガキだな」と言いながら出てきた

僕の顔を見て、部屋に戻っていった
僕は、はてどっかで見た顔だな?誰だっけ?知ってはいるけど
何処で会ったんだろうと考えながら、タバコを吸っていた
再び奥のドアが開き、身なりの違う人物と知ってる顔が出てきた
僕の家に、ちょいちょい顔を出して、お小遣いをくれるオジサンだった

僕は「あれ?オジサンこんな所で何やってんの?」と声をかけた
オジサンは困った顔して「ご子息さん、何で事務所へ?」と言う
何故がオジサンは、兄と僕にはご子息と呼ぶ

事のあらましを説明したら、ドサンピンは身なりの良い人物と
違う部屋へ入っていった
「オジサンさ、さっきからお茶の一杯も出てこないよ?」と言うと
「飲み物は何がいいですかい?」と聞いてきたから
「コーラがいいな〜」と言うと部屋住みに買いに行かせ
氷の入ったグラスを1,5リットルのコーラが出てきた

「オジサン、コーラ頂きますね」と言ったら
部屋住みがコーラを注いでくれた
僕の父親は、過去反社に所属をしていた
親父さんは、僕の父親の兄妹の盃を交わした弟分だったのを
この現状で説明をしてもらった(うすうす感じとってたけど)
父親が足を洗ったのは、母親を嫁に貰い
兄と僕が産まれ家族には迷惑かけらないと
足を洗ったそうだが、オジサンさんが
困った時とか父親がに口添えをしてたりしていたらしい

本来はカタギのガキッチョなんだけど
父親は解体業を営んでいた、足を洗った人間や
刑務所から出てきた人間を雇い会社を運営していたもんだから
下手な事務所より、事務所っぽかった覚えがある
だってねぇ、働いてくれてる人お風呂に入ったりすると
みんな背中にキレイな絵が彫られていたり、小指がなかったりだから
見慣れてなんとも思わなかった

身なりの良い人物とドサンピンが奥の部屋から出てきた
ドサンピンは顔をおさえてでてきた
うん、察しはつく
身なりの良い人は「知らずとは言えご迷惑をおかけしました」と
丁寧にお詫びをしてくれた

「知らなかったとはいえ、僕も売り言葉に買い言で買ってしまったので
お互い様って、僕を一発殴って貰って手打ちにしてもらえませんかね?」と提案したところ

「それは出来かねます、ご勘弁願いませんか?」と身なりのいい人物に言われてしまっては仕方がない

オジサンと、地元の悪ガキ連中の話をしたりしていたら
情報が欲しいって事だから、僕が分かる範囲で説明した
どうも、オジサンのシマで悪戯をしているやつがいるらしい
特徴を聞いたら、思い当たる人物が浮かんだけど
その時は、わざと黙っていた

オジサンに友人を待たせているから
「暇があったら、顔だしますよ」と伝えて事務所出たら
ご丁寧に送迎付きだった
それを、見ていた友人数名からは心配されたが、友人として距離を
置かれてしまった過去がある

その後、シマで悪戯をしているであろうヤツに連絡をして
一緒に事務所まで行ってやるからと説得をして事務所に行き
強面のお兄さん達から『ご丁寧な』注意をうけてた
その一件から、トラブルシューターみたいな真似事を始めた経緯がある