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返事の届かない手紙⑫

「何で私の住所と家族構成調べさせたのよ」と怒り出した
「いや、仕事でアレコレとケチつけてくるから、そのうち突然伝えて
ビックリさせれば静かになるだろうと思って調べさせたのよ」と返した
「突然言われたらビックリして近寄らないようなったかもしれない」
「かもしれないってなんだよ」
「あのさ、仕事は私より卒なくこなすし、出来もいいから嫌味言ってた」
「なんだよそれ、僕は被害者だな、重箱の隅つつかれてたのか、けどな
やっぱりと言うと変だけど、女性目線は違うなって関心はしてたよ」
「そうなんだ、そのかわりにはいい加減な返事してたよね」
「あぁ、いい加減な返事してたな、実際に面倒に感じていたし」
「他の人に比べると、明らかに返事とか態度が素っ気なかったのは、そのせいだんだ」
「あぁ、面倒だったからな」こんな会話をして2階のマスターに挨拶をして
店を出ようとしたら、マスターから依頼が入った。

マスターには詳しい内容ははメールでお願いします
受けられるようなら、返信しますけど。手にあまるようなら
返信はしませんよと付け加えておいた
帰りは、とりわけ元気の良かった少年が「お疲れ様っす」っと言って
ドアを開けてくれた
1階のマスターにも、また近々顔だしますねと声を掛けて喫茶店を後にした

Kがみたいと言っていた、服・コスメ・小物を扱っているであろう
建物を巡りながら、なんでこんな事しなくちゃいけないのかと思っていた
最後に行った店で名前は忘れたけどブランドの店があった
Kは可愛い・可愛いを繰り返し商品を手に取りあれこれと見ていた
僕にとっては、何が可愛いのか全く理解は出来なかった
Kは1つの商品を手に取り、悩んでいた
「お〜う、どうした動き泊まったけど、飯食って腹でも痛いのか?」
と聞いたら
「欲しいけど、買うか買わないかで悩む金額なんだよね」
手に持っている商品を見たら筆入れみたいな入れ物だった
Kも女だから化粧道具でも入れたいんだろうなと思った
「悩むならやめておけば、今度来た時にあったら買えばいいじゃん」
と伝えたら、Kは自分を納得させるように商品を戻した
その姿を見ていたら欲しけりゃ買えばいいじゃんと思った

一通りKが見たいと行っていた場所は行った
あとは自分で開拓していくといっていたから
カラオケでも行くかとKに言われて服を引っ張られたけど
「腹いてぇから、トイレに行ってくるわ。建物の出て左側に喫煙所が
あるから、そこでタバコ吸って待ってるか、ベンチに座ってて待っててくんね?」と伝えてトイレに行き、個室に入って用を足しながら
さっき見たKの姿を、ふと思い出した
やはり女と男では欲しいものが違うんだな男なら
あんなもん買わないわなって思った