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季語六角成分図「野分」

俳句ポスト 第247回 2020年7月9日週の兼題。

季語六角成分図「野分」より。
(視覚)野原、風に吹き倒される草、舞い上がる木の葉、荒れた庭や倒れた木、飛んできた看板やら。過ぎた後の青空、夜空。
(嗅覚)独特な土と風の匂い。
(聴覚)強い風の音、吹き飛ばされた物がぶつかり転がる音、家の軋み。(触覚)肌に吹き付ける風、なぶられる髪。
(味覚)なし。
(連想力)枕草子、源氏物語。二百十日の稲の実り、秋の草花。旅、田舎。心のざわめき、物思い、心細さ、人恋しさ、あはれ、自然の厳しさ、眠れない夜。
★視覚、聴覚が強いのに加え、天文季語にしては連想力が強いです。枕草子の「野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ」の下りはあまりにも有名。和歌、俳句の例が多く、昔から沢山の人が想いをのせてその風情を歌ってきたようです。
★別季語「台風」より趣があり、目線が地に近く、風に焦点が当たっている感じ。雨は必ずしも伴わない。
★例句では意外な言葉を組み合わせたものが気になりました。個人的には妖怪やSFなど、異世界・非現実な取り合わせもできるのではと思います。

季語六角成分図に関する注意事項


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