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季語六角成分図「春暑し」

俳句ポスト 第260回 2021年4月1日週の兼題。

季語六角成分図「春暑し」より。
(視覚)晴天、柔らかな日差し、若葉や花々のきらめき、濃くなりつつある影、青む山や野原。コートやジャケットを脱いで抱える人や袖をまくった人。
(嗅覚)体臭が少し、やや甘い香り。
(聴覚)さえずりや風。
(触覚)汗ばむ肌、上着の布地、湿気はそれほど高くない?やや蒸す?
(味覚)なし。
(連想力)午後ののどけさ、かすかな鬱陶しさと不快感、紫外線が気になる。

★触覚、連想力、視覚が強いが、時効の季語のため全体的に五感は弱め。過去の俳人たちも扱いかねたのか、例句が少なくて頭を抱えている私です。

★夏の季語である暑さ、薄暑との違いは、「春にしては暑いな」という軽い驚き、うっとおしさや不快感が少し、でもそこまでではなく笑顔で話す余裕もある…といったところでしょうか。時間帯はほぼ春の晴れた午後に限定され、日差しに春らしい明るさがあります。一方で、春というのどかな季節にあえて「暑し」と添えることで、苛立ちやうっとおしさが表れているともとれます。どんな取り合わせが金曜に登場するのか、楽しみです。

季語六角成分図に関する注意事項


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