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季語六角成分図「睡蓮」

俳句ポスト 第262回 2021年5月20日週の兼題。

季語六角成分図「睡蓮」より。
(視覚)白、桃、黄、紫など楚々とした色。八重のぴんと尖った花びらとつやつやとした濃い緑の葉。風で持ち上がり、揺れ、波紋が広がる。池の広がり、水面のきらめき、水鉢。鯉、水鳥、トンボ、あめんぼ、めだかなど水辺の生き物たち。
(嗅覚)水と泥の匂い。
(聴覚)静か。魚の跳ねる音。夏鳥の鳴き声。
(触覚)池のほとりの泥土。
(味覚)なし。
(連想力)モネの「印象・日の出」をはじめとした連作が有名。古代エジプトでは太陽神の象徴。聖なるもの、透明感。

★スイレン科スイレン属の水生多年草の総称。日本で見られるものは移入種が多く、自生種はヒツジグサ(傍題でもあります)の1種のみ。
★大きな池を埋め尽くす艶のある濃い葉と清楚な花姿が印象的。朝に咲き、昼に閉じることを数日繰り返すためか、古代エジプトでは復活と再生の象徴として尊ばれたそうです。
★類想沼ではありますが、モネと睡蓮の関係は興味深い。モネは睡蓮を描き続けることで、水面の移ろう光、つまり瞬間性の美を追求したと言われています。
★蓮に似た花と言われますが、私からしたら全く印象が違う花たちです。蓮は豪華で孤高、睡蓮は清楚で儚げ、という感じ。ただ、俳句ではどちらも聖なる花として描かれることがあります。

季語六角成分図に関する注意事項


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