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本棚のある生活

◆本が好きです。
読むことは勿論だけれども、本そのものが好きで書店や図書館にはついつい長居をしてしまう。
沢山本のつまった棚も好きなのかもしれない。
こんな風に本を好きになったきっかけは、家族の本棚だったのかなぁと最近よく思う。

私の家族は本が好きで、特に母方は本好きが血筋なのか祖父母も母も本棚があり、本がぎっしり。
入りきらずに本棚手前の机に積んであったり、別の棚にも少しずつ本が収まっている。

祖父母の本棚は、色んな時代小説とその時その時に話題だった小説や本(祖母のもの)、そして様々な分野の辞典と祖父の仕事の専門書や関連した内容のもの(もちろん祖父のもの)。
かつて幼い母や伯父が興味があったという天体やら工学やらについては、祖父の辞典があってのことのような気がしている。

そして実家の本棚は大きかった。
父は仕事の専門書と、趣味のアウトドアや山菜の図鑑。母は小説やら新書やら、ミステリーや歴史や恋愛物や芸術……本当に色んなジャンルの沢山の本を持っていた。
梶井基次郎や太宰治や谷崎潤一郎などなど文豪と言われ昔から出版されていた本は、購入して帰ったら既に母が昔に購入していて「家にあるのに!」と言われることもままあった。そうやって被らないようにと、少しずつ母親の本棚に置かれている本を眺めて借りてしているうち、私は本が好きになった。


◆本棚はそれぞれ持ち主の特徴が出る。
何に興味があるのか。どんなお話が好きなのか。何を勉強したいのか。並べ方も色々で、出版社別だったり著者別だったり、単純に本の大きさで分けてあったりジャンルごとに分けていたり。
個人の本棚は、そういったところを見るのが楽しい。webで「本棚」「晒」で検索をかけると、似たように本棚を眺めるのが好きな人が結構いらっしゃるし、本棚の写真が沢山出てくる。皆さん、素敵な本棚をお持ちだ。

近頃は電子書籍があるので、本棚はあんまり大っぴらに置かれなくなっていくのかもしれない。もちろん色んなメリットもあるし、私自身もかなり利用しているけれど、目に見える形で本棚があるとわくわくする。
本棚が図書館の閉架書庫や鍵付き棚やプライベートな場所に置かれていなくて、家族だったら誰もが自由に手に取れる状態で育ったからかもしれない。

◆今思うと、小さい頃は寝る前に本を読み聞かせしてもらっていたし、誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントは本だったこともある。
祖父母には、一緒に本屋に行くと好きな本を一冊だけ買ってもらったし、これはもう好きにならない理由がない。……と思う。
家族のみんな、本好きにしてくれてありがとう。

一人暮らしを始めて自分の本棚を持ってみたものの棚が足りない。どんどん増えていく本が入りきらず、結局読み終わった本をまとめて実家に持って帰るなどしている。
大きな本棚を置くスペースがないので仕方のないことだけど、家族の本棚を見て育ってきた身としては、私もいつか、自分の本を一ヶ所にまとめた本棚を作りたいものだなぁ。

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