一冊目『ファミリーデイズ』

瀬尾まいこ『ファミリーデイズ』

自分の明日と、たくさんの可能性と未来に満ちた娘の明日。
自分以外の誰かの未来に手を触れることができるのは、どんな厄介ごとが付きまとったとしても、幸せなことだ。
(本文より)

育児エッセイ集。エッセイは苦手な方ですが、瀬尾さんのエッセイはするする読めてしまう不思議。
元教師でてきぱきした瀬尾さんと、のんびりおおらかな旦那さん、産まれたお子さんの日々。

私は結婚も出産も経験していない。今のところ、そういった予定もない。知人や知らない人のSNSで読む程度で、その喜びは勿論のこと苦しさや難しさは想像しか出来ない。どちらかというと辛いという意見が目につくことが多く、偏見で申し訳ないけれど、子供が可愛いという気持ちと引き替えに育児は戦いのようなものなんだと思っていました。

だから、育児エッセイってこんなに軽やかで柔らかで穏やかな一面もあるのか、と驚きでいっぱいの一冊です。
もちろん、瀬尾さんだって育児の辛さや難しさは感じている。それでもこんな風に日常を切り取っていけるのは、瀬尾さん自身の性格や心の余裕、家族の捉え方、受け入れ方、そういうものがきちんと出来ているからなんだろうなぁ。とにかくお子さんへの愛しさと、日常への見方がとても優しくてよかった。よしよし、と頭を撫でてもらった気分です。

瀬尾まいこさんは私の好きな作家さんです。
直近で読んだ作者の小説でおすすめしたいのは『あと少し、もう少し』。中学生の駅伝を通し、それぞれが成長していくお話。爽やかで瑞々しい。
今後また記事にするかもしれません。とても好きな一冊です。

瀬尾さんみたいにおおらかに生きられるようになって、私が両親の子として生まれてきたことを嬉しく思ってもらえるようになりたいなぁ。
子育てしてから読んだら、きっとまた違う感想になる。それも一つ楽しみになりました。結婚も子育てもまだ先の今、これを読めてよかったです。

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