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ジェンダー平等についてスウェーデンで考えたこと。

最近、スウェーデンで暮らして強く感じることは、女性が対等な人間として扱われているなあ、ということです。

スウェーデンにきて、
「自分は女だからこうした方がいいかな」と、
性別を基準に行動を決めることが減りました。

それは、「女性だから家事をするべき」「女性だから気が利くべき」という分かりやすいものだけではありません。
例えば、服装を決める基準や、化粧をするかどうかなど。日本と比べて、性別の要素が入る場面が少ないと感じます。

「日本はみんな平等」
「日本で差別を感じることはない」
と考える人もいます。
でも、ある人は違和感やモヤモヤを感じながら生きている一方で、ある人は何も感じずに生きられているという事実が、差別の現状を物語っているように思います。
何も感じずに生きられるのは、有利な立場にいる人々の特権です。

私は、上記の例の他にも、女性だからという理由で諦めること、工夫が必要なことがあります。

例えば、
「電車で痴漢に遭うかもしれないから、性的な目で見られるかもしれないから、安全に感じないから、ある種の服は着られない」
「ヒッチハイクは危ないからできない」
「女性専用フロアの方が安全に感じる」
「夜道ではイヤホンはせずに、後ろに注意して歩く」
などなど。

(当事者ではないのでわからないですが)
男性も、
「電車では痴漢冤罪を避けるために両手を上げる」
「悩みを話しにくい」

他にも、
「そもそも自分には男女もないのに、体のせいで行動が制限される」

などなど、性別が基準となって生きづらくなっていることが、もっとそれぞれ色々あると思います。私も気が付かずに持っている特権があるはずです。

スウェーデンに暮らして、ジェンダー平等とは、
意思に反して日常的に自分の性別を思い知らされることがない状態
を、指すのではないかと思うようになりました。

スウェーデンが完璧であるというつもりも、女性だけがジェンダー不平等の全ての不利益を被っていると主張するつもりもありません。
ただ、自分が経験したことがない差別は存在しないことにするのではなく、自分の特権は目に見えない、実感できない、ということを考慮して、当事者の声に一層耳を傾けることが、すべての平等の達成において必要だと改めて思いました。

そして、その土壌がスウェーデンでは日本より整っているように感じます。また、より多くの人が、自分の特権に自覚を持っているような気がします。

日本も、もっとお互いオープンに、意地を張らずに生きられるようになったらいいのにね。

以上、考えたことでした。
ここまで読んだくれた方、ありがとうございました。

関連動画(字幕あり)-TED Talks | Why Gender Equality is Good for Everyone----Men Included
-Emma Watson at the HeForShe Campaign

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