笑っている時よりも、泣いたり怒ったりしている女性の方が心を開いている
この頃から力関係が微妙に変わっていきます。
それは、そうです。あの人は浜田君のことを意識し始めたのですから。
「浜田君が私に酷いコトを言うのは、もしかしたら、やさしさから来るものなの?ほんとに私のコトを好きだから?」
きっと、そんな風に考えるようになったのでしょう。
それでも、まだ最初の頃は以前と変わらぬ日々が続いていました。決定的な出来事が起きたのは、ある夜のコトでした。
何かの勉強会があって、有楽町まで3人で出かけました。青年とあの人と浜田君の3人です。
青年は勉強熱心だったので、一番前の席に座りました。あの人は恥ずかり屋さんだったので、1つ後ろの席に座ります。浜田君は、サッとあの人の隣に座りました。
勉強会はそつなく終わりました。青年は、充実した時間を過ごし、あの人はボ~ッとした感じで心ここにあらずといった感じです。
帰り道、3人は電車に乗って新宿まで戻ってきました。1度、駅から出て、新宿駅の南口から徒歩5分くらいの所にあるベローチェという喫茶店に寄ります。
そこで、あの人は自分の夢を語りました。
「私、将来は、学校の先生になるんです!」
それを聞いた浜田君は真っ向から全否定します。
「そんなもん、なれるわけないじゃん!」
でも、あの人はひるみません。笑顔のまま、青年に同意を求めます。
「絶対なれますよね~」って。
青年は、なんと答えようか迷ってから、マンガみたいに「どうかな~?」って感じで首を横にひねりました。
「確かに、この人は純粋で、子供が好きで、いかにも学校の先生に向いてそうだ。でも、同時になんだかお嬢様みたいで、社会の荒波にもまれていなくて、厳しい仕事には耐えられないかもしれないな…」
そう考えたからです。
その瞬間、彼女は泣き出してしまいました。
「絶対に、全面肯定してくれる!」と思っていた人に否定的な動作を取られたからです。
青年は、どうすればいいのかわからなくなって「もう、帰ろう」と言いました。そうして、3人で新宿駅まで歩いていき、その夜はそのまま別れました。
そのあと、何があったかは大体想像がつきます。
きっと、浜田君はあの人のコトを慰めたのでしょう。「さっきのは違うよ。そういう意味で言ったんじゃないんだ。きっと、君は学校の先生になれるよ」とかなんとか言って。
女性の心理を考えた時、笑ってくれるのは好意を持ってくれている時。
でも、泣いたり怒ったりしている時は、それ以上。笑っている時以上に心を開いてくれている証拠。
だから、泣いてる女性を慰めたり、怒った女性と仲直りできれば、以前よりも仲は深まるのです。
あの人の心を開いたのは青年の方でした。でも、アフターケアをしたのは別の男性だったのです。
noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。