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激務!ハンバーガー屋さんで月に25日働く

さて、新宿の南口にあるハンバーガー屋さんで働き始めた青年でしたが、仕事は瞬く間に覚えてしまいました。なにしろ、「マスター・オブ・ザ・ゲーム」の能力を持っているのです。

お忘れの方のために、もう1度説明しておくと…

青年の持つ学習型特殊能力「好きこそ物の上手なれ(マスター・オブ・ザ・ゲーム)」は、自らの興味の対象をゲーム化し、最短でクリアしてしまう能力。

今回与えられた任務は「ハンバーガーを焼いて包み紙でラッピングし、商品を販売しているレジに届ける」というものです。ハンバーガーにもいろいろと種類がありますし、それ以外にもポテトやサラダなども作らなければなりません。

具体的には…

「パンをオーブンにセットする(時間が来たら、パンを取り出す)」
「ハンバーグを鉄板の上で焼き、タイマーをセットする」
「時間が来たらハンバーグを裏返し、再びタイマーをセットする」
「時間が来たらパンを並べ、レタスやトマトを乗せ、ハンバーグも乗せる」
「最後にラッピングして終わり」

大体、こんな感じです。

ただし、同時並行で…

「ポテトを揚げてタイマーをセットする」
「時間が来たらポテトを油から出す」
「サラダ(コールスロー)を作っておく」
「できあがったハンバーガーやポテトを小型のエレベータを使って、1回に降ろす(ハンバーガーを焼いているのは2階)」

などの作業があります。

注文は下の階から送られてくるので、その指示に従えばいいのですが、注文が立て込むと超忙しくなってしまいます!

サラダは、あらかじめ作っておいて冷蔵庫で冷やしておかないといけないので、時間にゆとりを持たせて作業する必要があります(かといって、作り置きが多過ぎても困ります)

特にお昼どきは超忙しいので、事前に作り置きをしておく必要があります。それも、早めに作り過ぎると冷めてしまうので、ちょうどいいタイミングでちょうどいい量を予測して作っておかなければなりません。

たとえば、「雨の日ならば、あまり数を作らないように」といった予測能力が必要となります。

限られた時間内で、最も効率の良い作業を目指さなければならず、パズルゲームみたいに頭を使わなければなりません。


それから、時給1250円は夜勤の人の最大賃金でしたので、お昼に働く人は最大で時給1000円となっていました。

それも、「月に200時間以上働くこと」という制約があります。月に200時間というコトは、毎日8時間働いたとして月に25日以上というコトになります。

実際には、月に26日とか27日働くこともありましたし、緊急で呼び出されることや残業しなければならない日もありましたので、余計に大変でした。最大で13日連続労働というコトもありました。

…というわけで、結構大変です。その代わり、お給料は充分なくらいもらえます。単純計算で月に20万円。そこから源泉徴収で1割引かれて、手元には18万円が残ることになります。残業などもありましたので、もうちょっと上でした。

毎月3万円の家賃を支払って、光熱費と銭湯代、それに食費を入れても、相当な額を貯金することができました。


仕事が忙しく、余暇の時間はあまりなかったので、そこまでお金を使うようなことはありませんでしたが、ゲームセンターにはよく行きました。1プレイ50円のゲームセンターにも100円のゲームセンターにも。

あとは、映画をよく見に行きました。東京には数多くの映画館があったので、毎日見にいっても何かしらの新作を見ることができたのです。

一番多い時で月に30本の映画を映画館で見ました。あらかじめ前売り券を購入しておき、少しでも料金を節約します。

さらに、毎月1回「映画の日」というのがあって、1本1000円で見ることができたので、スケジュールを上手く調整し、1日で5本見たりもしました。これにはさすがに疲れました。

そんなこんなで毎月25日以上をハンバーガー屋さんで働きつつ、限られた時間で好きなコトをやって暮らし、充実した日々を過ごしていた青年。

そんなある日、事件は起こります…

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。