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イギリス初期のコロナ対策

「コロナで世界を学ぶ」第13回。

今回から何日かかけて、イギリスについて学んでいきましょう。

イギリスは、コロナ戦の序盤から非常に大きく振り回された国なので、ある意味で一番「パンデミック対策の見本」となっています(悪い意味でも、いい意味でも…)


イギリス初期のコロナ対策

2020年1月に中国の武漢で新型コロナウイルスの発生が発表され、当然ならがらイギリスもコロナに対する警戒を強めたわけですが…

当初は「緩和策」を採用するつもりだったんです。

第2回の解説で「流行性ウイルスに対しては、3つの戦略がある」と言ったのを覚えてますか?

1.完全に抑え込みにかかる(封じ込め)

2.ウイルスと上手くつき合っていく(緩和)

3.ノーガード戦法(何もしない)

この3つ。

イギリスは、3月の時点で2番目の「緩和策」を取るつもりだったんです。つまり、ウイルスと適度につき合って、ロックダウンなどは行わないという戦略。

ところが、科学者(ウイルス学の専門家)は「その方法だと、最低でも数万人。最悪の場合、数十万人が犠牲になるのでやめてくれ!」って進言したんです。

そこで、イギリスの首相であるボリス・ジョンソンさんは専門家の意見を聞き入れて、「じゃあ、封じ込め策の方にしよう」と言って、ロックダウンを行ったんです。

それが、この時の記事書いてあります。


実は、この時点で「かなり未来のコトまで予測されていた」んですね。

たとえば、「ロックダウンのような強攻策を行えば、経済が疲弊してしまう」とか「ワクチンの開発に1年半くらいかかるかも知れない(それすら、何の保証もない)」

結果的に、1年半かからず、新型コロナウイルス発生から1年ほどでワクチンの開発に成功したわけですが…

それにしても、かなりいい予測だったのではないかと思います。


イギリス、ロックダウンを開始!しかし…

「封じ込め策」に転換したイギリス政府は、3月中旬から学校の一斉休校を決めました。さらに、カフェやレストランの即日閉鎖を決定し、スポーツジムや映画館などの遊戯施設も「できるだけ早く閉鎖するように」と指示します。

ところがですね。これでも遅かったんです。

「あと2週間!せめて、あと1週間早ければ、大幅に犠牲者を減らせただろう」と言われています。そのくらいパンデミックは初期の行動が重要なんです。

結果、4月の中旬には、イギリス全土で8万5000人が新型コロナウイルスに感染し、1万人以上が亡くなるという事態に発展してしまいます。


ジョンソン首相、コロナに感染する

ちょうどこの直後にジョンソン首相がコロナに感染して、ベッドで看護を受ける事態になっちゃったんですね。

ヘタしたら、あの世行きだったんです。

ま、そんなコトもあって、コロナの怖さは一番理解していた国の代表だと言えるのですが…

そんなジョンソン首相でも、イギリス国民の行動を制止するコトはできませんでした(次回に続きます)

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。