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マエケンに学ぶ創作術

マエケンをご存じですか?前田健太投手。
プロ野球選手ですね。ポジションは、ピッチャー。

ヘイヨーさん、野球結構好きで、プロ野球は長年見続けています。特に応援してるのは、広島カープですよ。

で、最初に登場した前田健太投手は、カープの選手だったんです(今は、メジャー行っちゃいましたけど)

今回は、そんな前田健太ことマエケンに創作の基本を学びたいと思います。

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ここまで読んできて、「え?野球と創作と、どう関係あるの?」と思った読者の方は多いのではないかと思います。それがあるんですよ!おおあり!

何年も前に、マエケンがメジャーに行く前、まだ広島カープでプレイしていた頃。いや、それよりも、さらに数年前にまで話はさかのぼります。


当時、カープは弱かったんです。「万年Bクラス」なんて呼ばれていた時代。

…というのも、戦時中の旧日本軍の軍隊方式のような特訓をやっていたから。なので、シーズンが始まると、故障者が続出して、まともな試合にならなかったんです。

厳しい訓練に耐えた、ほんの一部の人だけが年間を通して試合に出場して、他の選手は大体どこかの時期で休んでました。


それが、ブラウン監督(通称:マーティ)になって、一変します。「極力、ケガをしないように。練習をし過ぎないように」という方針に変わったんですね。当時、「ゆとり教育」と呼ばれたくらいですよ。

おかげで、シーズン中の故障する選手も激減して、以前に比べるとまともに試合ができるようになりました(ただ、この頃は、まだBクラスのままでした)

で、マーティが4年ほど監督を務めて、次の野村謙二郎監督(通称:ノムケン)に引き継がれます。

ところが、このノムケン、何を思ったか、以前の「軍隊式の特訓」に逆戻りさせちゃったんですね。「ブラウン監督は確かに優秀だったけど、あのゆとり教育はダメだった!カープがAクラスになれなかったのは、練習が不足してたからだ!」とかなんとか言って。

その結果、どうなったかというとですね…

ま、読者の皆さんのご想像通りですよ。故障者続出で、まともに試合ができなかったっていうw

当時、カープには大竹寛っていうピッチャーがいたんですけど。大竹は、体が丈夫なことで有名だったんです。ところが、シーズンが始まる前のキャンプ中に、投げ込みし過ぎて、肩を壊しちゃったんです。

この年、カープのピッチャーって、軒並み体のどこかを痛めてましたから。そのくらい練習が厳しかったんですね~

ところが、ひとりだけ1年を通して全くどこも故障せずにシーズンを投げ通した投手がいたんです。
それも大竹の代わりに開幕投手を務めるわ。前半戦だけで12球団トップの防御率を誇り、2桁勝利を達成するわ。挙げ句の果てには、オールスターでダルビッシュに投げ勝って完封で勝利投手にまでなったんです。
最終的に、この年の投手三冠王になり、沢村賞までもらいましたからね。

それが誰あろう、マエケンですよ!前田健太投手!


ここで、マエケンの秘密を明かしましょう。

この年のシーズン前、キャンプの時期に、他の投手は全員、コーチの言うコトを素直に聞いて、過剰な訓練を行ったんですね。

ところが、マエケンひとりだけ「いや、自分には自分なりの練習スタイルがあるから」と、マイペースで練習したんです。だから、どこもケガしなかった。

つまり、たとえプロであろうとも、指導者の言うコトを聞き過ぎたらいけないんです!指導者って絶対じゃないんです。選手時代にどんなに優秀だった監督やコーチであろうとも!

創作も同じです。プロの編集者や成功した作家の言葉が絶対ではないんです。「その人にはその人の創作スタイル」というものがあるから。

もちろん、指導してくれる人(あるいは、読者や評論家)の言うコトが正しい時もあります。その時には、頭を下げて素直に受け入れればいいんです。

でも、そうじゃない時には、頑として自分の道を貫き通さないといけません。そうしないと、作家生命を絶たれるくらいの致命的ダメージを負ってしまいかねません。


じゃあ、「どの意見を取り入れて、どの意見を突っぱねるのか?」

これは大変に難しい問題です。

「素直に耳を傾けるべき時に反抗してしまい、突っぱねるべき時に相手の言う通りに従ってしまう」

そういうのは、よくあるコトです。

最終的には、自分で判断するしかないでしょうね。そうすれば、少なくとも、人のせいにして後悔することだけはなくなるでしょうから。

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