無敵の防衛システム!決断の日!さらに巨大な運命の歯車が回り始める
みなさん。青年が14歳の時に心の底から願った夢を覚えていますか?
あの地獄の少年時代をいかにして生き延びたのか?
何年も何年も待ち続けた「世界で一番大切な人」と出会いながら、自らの失敗によってその人を失ってしまった。それも、最悪の形で!自分から命を絶っていてもおかしくない状況。でも、青年はそうはしなかった。なぜか?
思い出してみてください。少年時代に彼が何を望んだのか?青年になっても持ち続けていた夢はなんだったのか?
理想の女性?
いつか「心の底から信じられる女性が現れて、この人生を救ってくれるのだ」と。
確かに。それもありました。でも、それだけではなかったはず。残り2つの夢があったんです。
1つは、心の底に生み出した「伝説の悪魔」
「いつか、あのような存在になり、世界を滅ぼす力を手にし、魔界の王となるのだ」と。
絶対の孤独の中で得た世界を憎む気持ち。誰よりも強い復讐心。深き深き闇の心。それが、彼を支え続けてきたのです。
そして、最後の1つ。
「世界最高の作家となり、今後数百年に渡って読み継がれる作品を誕生させる!」
夢は3つあったのです!
少年時代に夢見た通り、理想の女性は現れて、青年の人生を救ってくれました。おかげで少年時代に受けた心の傷は癒された。でも、代わりに彼女はもっと大きな傷を残していきました。
それと同時に「世界はやっぱり信じられないのだ」という不信感を与えてくれました。これこそが、真の意味で「魔界の王として覚醒する条件」人としての心を捨てるための最後の試練。
物語が示した通り。伝説の悪魔は生まれたのです。
3つの夢が、青年の命を救ってくれました。そして、どれか1つが破れたとしても残り2つの夢がその人生を支え続けてくれる。
そう!これこそが、まさに生存本能が生み出した「無敵の防衛システム!」
*
母子寮での夏祭りの日。青年とあの人は並んで座っていました。そして、あの人が口を開きかけた瞬間…
「物語が終わってしまう!」と、青年は感じました。
少年時代より夢見続けていたファンタジーの世界での物語。あの物語のラストシーン。それは、このようなものです。
どこかの草原。
これまで出会った人々が集まっています。生き残った物語の登場人物が一堂に会しているのです。
フィリアとランシーヌふたりの女性は融合し、ひとりの女性となっていました。
それだけではありません。集まった人々の魂は融合し、1つの存在となっていきます。
そして、その後しばらくの時が経過し、人々の魂は再び個々の器へと戻っていきました。
全てが1つになる。それが何を意味しているのかはわかりませんでした。物語が現実の世界で何をイメージしているのか、その瞬間が訪れるまでわかならないというコトもよくあったからです。
この時の青年が考えていたのは「あのシーンは、結婚式なんじゃないだろうか?」というものでした。でも、その仮説はこの時にはあまり重要ありません。
それよりも、この瞬間、青年が考えたのは次のようなコトでした。
「早過ぎる!物語が終わるには、早過ぎる!」
少年時代より頭の中にあった物語。何年も何年も空想し続けてきた独自の世界。ここまで数年の準備期間を要したのに、この人と出会って、わずか1年足らずで終わらせるわけにはいかない。どう考えても長さが足りない!ここで物語を終わらせるわけにはいかない!
そう考えた青年は、あの人が口を開きかけた瞬間、先に言いました。
「ああ、その話だったら、もういいよ…」
「エッ!?」と彼女はすっとんきょうな声を上げました。
自分から告白しようとしているのに、その言葉をさえぎられてしまったからです。そう!青年は、はしごを外しちゃったんです!
だから、この時に彼女がなんて答えようとしたのかはわかりません。「浜田君とおつき合いしているので、あなたとはつき合えません」だったのか「これから、よろしくお願いします♪」だったのか。
でも、おそらく後者だったのではないかと思います。なぜかというと、この場に浜田君はいなかったし、ここ最近ふたりは険悪なムードでケンカばかりしていたし。それに、この後の展開から「おそらく間違いがないだろう」という出来事があったからです。
でも、そのお話はひとまず置いておいて、先に別のお話をしておきましょう。
「マスター・オブ・ザ・ゲーム」
ゲームの達人の能力を覚えていますか?
その最大のリスクは、「興味を失った瞬間、効力を失い、人並みの数分の1から数十分の1以下まで能力が落ちるコト」と思われていました。でも、違っていたんです。
真に恐ろしいのはその程度のリスクではありませんでした。「目的の為なら、いかなる犠牲もいとわない!」の方だったんです。文字通りの意味で!青年が、そして「この物語の読者」が考えているよりも遥かに高い次元で!
「マスター・オブ・ザ・ゲーム」は「世界最高の作家になる!」という夢をかなえるため、その能力を最大限発揮し、持てるリスクを可能な限り拡大して、新たな能力を発現します。何もかも全てを巻き込む能力を!
その名は「ハンズ・オブ・ミダス」
noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。