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大切に思っている人だからこそ、逆に関係がギクシャクしてしまう

世界最高の告白チャンスを逃したこの頃から、ちょっとずつあの人との関係がギクシャクし始めていました。

その理由を説明するのは非常に難しいのですが…

なぜなら、いくつもの理由が複雑に絡み合っていたからです。


1つには、あの人のコトを理想視し過ぎてしまったため(同時に、あの人も青年を心の底から尊敬し、神様みたいに信じてくれています)

これ、何がいけないかって、「思ったコトを素直に言えなくなってしまう」のです。

どうでもいい人に対しては、気軽に軽口が叩ける。「別に傷つけてもいいや」と思うから、ジョークなんかもバンバン言える!でも、真剣になればなるほど、そういうコトができなくなってしまうのです。

また、相手の方も心の底から信じてくれているからこそ、気軽に言った冗談を真に受けてしまい、大きく傷ついてしまう。なので、ますます慎重にならざるを得ない。結果、何も言えなくなってしまいました。


もう1つには「これは、世界を変えるための戦い」であり、私情を挟むのがはばかられたからです。ボランティアも、この活動も、半分仕事みたいなものなんです。ただ、お給料が発生しないというだけで。意識の上では、全く同じと言ってもいいくらいでした。

職場恋愛って、なかなか難しくないですか?

「この人とつき合って、関係が悪化して別れることになったら、仕事にまで影響が及んでしまう」

そんな風に考えたりしません?

「それだったら、最初から恋人になどならなければいい。友情とか信頼とか使命感とか、そういった感情で強く結びついていればいい」

無意識の内に、そのような方向に進んでいきませんか?

この時の青年は、それに近い状態にあったのです。

「今は『世界を変える』という崇高な目的のため、この活動に没頭しよう。3月の末まで最大限がんばって、恋愛は4月からやればいい」

青年は、そう考えるようになっていきました。そして、あの人の方もそれに近い感情になっていったのでは?だって、「人は鏡」なんですもの。

元々、共感しやすいふたりのコト。一方が考えたり感じたりしているコトが以心伝心で伝わってしまい、もう一方が同じような心理になってもおかしくないのでは?

そう!相手の気持ちが手に取るようにわかるからこそ、仲がいい時には最高に仲がいい!「もう、この人以外誰もいらない!」となりやすい。

代わりに、関係が悪化し始めると、どこまでもすれ違いが生じてしまう。坂道を転がり落ちていくみたいに、どんどん関係が悪化していき止められなくなってしまうのです!


さらに言えば、浜田君の存在です。

ふたりだけならば、どうにか話し合って解決できたかもしれません。でも、この時はふたりではなく3人だった!このコトが事態をさらにややこしくしていきます。

ふたりがまるで夫婦みたいな仲良くしているのを見て、浜田君は嫉妬し始めたのです。ハァ~とため息ばかりつくようになり、常にイライラするようになってきました。

青年は、そういうとこ察しがいいので、すぐに浜田君の心理を理解できました。これもまた「ディケンズの分解メス」の能力だったのでしょう。

ところが、どういうわけか、あの人の方はその心理がサッパリわからないらしいのです。「どうしたの?何か病気なの?」くらいにしか思っていません。

人の顔色をうかがって気持ちを察するのが異様に上手い割に、自分に対する気持ちとなると全く理解できない人でした!まさに、朝ドラのヒロインみたいな性格!

複雑な状況と心理を抱えながら、3人の関係は続いていきます。

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。