世界各国のコロナ対策の違い
では、今回は世界の国々がどのようなコロナ対策をしていったかを見ていきましょう。
「流行性ウイルスに対する3つの大きな戦略」
コロナに限らず、流行性ウイルスの対策は、大きく3つにわかれます。
1.完全に抑え込みにかかる(封じ込め)
2.ウイルスと上手くつき合っていく(緩和)
3.ノーガード戦法(何もしない)
※参考資料
1の「封じ込め」は、完全にウイルスをゼロにする政策です。
2の「緩和」は、それなりに対策するのだけど、それだと経済が回らなくなり失業者が増えてしまうので、完全にゼロは目指さない方法。
そして、3の「何もしない」は、文字通り何もしません。一見するとムチャクチャに思えるかもしれませんが、大抵の流行性ウイルスは、この方法でもどうにかなるんです。
なぜかというと、人間にはウイルスに対する「抵抗力」というものがあるので、そんなに重症化したり死亡者が出るわけではないからです。
ところが、今回の新型コロナウイルスに対しては、この戦法が通用しませんでした。それほど凶悪なウイルスだったから。
事実上、2と3は役に立たなかったんです。1の「封じ込め」を行うしかありませんでした。
2020年の3月の時点で、ウイルス学者はそれを知ってたんです。「封じ込め以外の戦法は、大量の犠牲者を出してしまうぞ」と。
ただし、大統領や総理大臣など国のトップの判断は別でした。なので、国によってコロナ対策に差が出てしまったんですね。
「どの国がどの戦略を取ったか?」
では、次に「どの国がどの戦略を選んだか?」を見ていきましょう。
1.完全に抑え込みにかかる(封じ込め)
「オーストラリア」「中国」「ニュージーランド」「シンガポール」「台湾」など。
2.ウイルスと上手くつき合っていく(緩和)
「アメリカ」「イギリス」「ドイツ」「フランス」など
3.ノーガード戦法(何もしない)
「スウェーデン」など
ザックリわけると、こんな感じです。
ただし、アメリカは当時トランプ大統領だったのですが、経済を最優先にしてコロナを軽視していたので、事実上ノーガードに近い戦略でした。
イギリスも、コロナをなめていたため、秋以降に特大のダメージを受けてしまいます。
他の多くのヨーロッパ諸国も、アメリカやイギリスほどではないとはいえ、対策が甘かったために、多くの犠牲者を出してしまいました。
「ノーガード戦法」のスウェーデンも、当然特大のダメージです(正確には、完全なノーガードではなかったのですが、それについてはいずれ詳しく語ります)
結果的にうまくいったのが、1の「封じ込め政策」を取った国々です。
中国は徹底した外出制限を行い、早くからコロナの新規感染者ゼロを達成します。おかげで、2020年、唯一のプラス成長国となりました。
オーストラリアも似たような政策を取ったのですが、完全なゼロを達成するために時間がかかったため、2020年は大きなマイナス成長となります。その代わりに、2021年に入ると一気に経済が活性化し、見事にV字回復を遂げました!
「ニュージーランド」「シンガポール」「台湾」も、似たような感じで、コロナを封じ込めることに成功しました。
※ただし、このお話には続きがあって、「ワクチン」の話題の時に詳しく語ります
「日本が選んだ政策は?」
では、日本はどうだったか?
1と2の間の戦略を取ったんです。なので、結果も中間的になりました。
アメリカやイギリス・他のヨーロッパ諸国に比べれば、随分と被害を少なく抑えることに成功します。
ところが、中国やオーストラリアに比べると、かなり多くの犠牲者を出してしまったんですね。
経済的にも同じコトが言えます。たとえば、アメリカはコロナで大ダメージを受けて、ず~っと映画館が閉まってたんですよ。たまに開けると、再び感染が大拡大するので、即座に閉鎖するといったことの繰り返し。
おかげで、ディズニーも映画産業から撤退しちゃいましたからね。「もう、基本的には映画館で上映する作品は作らない!これからは、インターネットの配信事業に力を注ぐ!」と宣言しました(おそらく、ネット配信用に制作した作品を、あとから映画館で上映するというようなことはやるのではないかと思います)
みなさんご存知の通り、日本って映画館を閉鎖してた期間って、ほとんどなかったでしょ?一時期閉鎖されてた地域もあるかと思いますが、それほど長くはなかったはずです。
そのくらい日本は経済的にはマシだったんです。かといって、平常時ほど経済も回らなかった。つまり、コロナ対策も経済対策も「中間策」を取ってしまったんです。
よく言えば「バランスがよい」悪く言えば「中途半端」というわけ。
「物事は基本を押さえるコトが大事!」
前回に比べると、ちょっと難しかったでしょうか?
今後、段々と難易度の高いお話になっていきます。でも、大丈夫!基本からしっかり押さえていけば、ついていけるようになっているので。
物事っていうのは、基本さえ押さえておけば、どうにかなります。逆を言えば、基本がわかってないと、「陰謀論」や「トンデモ理論」に騙されちゃったり、とんちんかんなコトを言うようになってしまいます。
なので、まずは基本を大事にしてください!
noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。