最後の雪
卒業までの日にちを指折り数えて
いざその日を迎えたら名残惜しいなんて
あまりに都合がいいでしょうか
この日を待ち望んだのは事実でしたが
放課後の教室が好きでした
陽が沈んだら帰ってしまっていたけれど
勉強をするふりをして
よく自分の席に残っていました
イヤホンで好きな音楽を聞きながら
本を読んだり宿題をしたりしていました
思えば私は、学校という空間が
好きだったのでしょう
あの頃に戻れたら
もう少し上手く立ち回れるかと
時折過ぎることもあるけれど
そうはならなかった、ならなかったから
ピントの合わないあの景色を
今はただ、まばゆく振り返るのみです
万が一集まったら製本してコミティアで頒布します