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数える。3

初回は機械で数える事例。
二回目はどうしても手で数えなきゃいけない時の事例を紹介してきた。

今回は、意味が無いとまでは行かないが効果の薄い数え方を書いてみようと思う。

1つ目は「ダブルチェック」
二人、もしくは一人で二回以上数えて一緒だったらOKとする方式だ。
なぜ効果が薄いか。
それは、同じ方法でチェックしているからである。
静電気でくっついている物は、何人で数えてもくっついたままなのである。
例えば、一人目が上から数えたら二人目は下から数える程度は最低限しなければならない。
効果が薄いもう一つの理由は「馴れ合い」である。
同じ職場で一緒に数を確認出来るような仲は、「相手が間違えている」前提でチェック作業をしない。
二倍の作業時間が掛かっている割に効果が薄いのである。

二つ目は「理論値だけで数える事」
実際にあった事例を記そう。
いつもは、1梱包30枚の3㎜厚のアクリルを使用していたが、業者の都合で1梱包50枚になっていた。(梱包には「50枚入り」とシールが貼ってあった)
1枚のアクリルからは10個のアクリルキーホルダーが作れるとする。
約3,000個のアクリルキーホルダーを作る案件の場合、300枚のアクリルを使用する。
実際には(300枚÷50枚=6梱包)用意すればいいが、1梱包30枚と思い込んでいる作業者は(300枚÷30枚=10梱包)と理論値を出して疑わない。
実際200枚多く使用してしまい、一生懸命作業した分は無駄になり、多大な損害を出した。

なぜ、この事故が起きたか。
もちろん連携不足、思い込み、不注意等あるが、どうすれば防げたかを考えた。
結論は「面倒くさがって3,000個を数えなかったこと」である。
3,000個数えるのを面倒くさがって、一生懸命2,000個多く作ったのだ。

理論値はもちろん大事だが、「数える」事において最も大事なのは「疑う心」だ。
自分も、同僚も、上司も、お客も、前工程も、数量記載のシールも全て疑う人じゃないと「数える」は出来ないと考える。

「数える」について、失敗談はまだまだあるけれど、一旦終了にする。
次は、缶バッジかアクリルか。


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