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押しボタン式信号機に対峙した際の行動原理

押しボタン式信号機の横断歩道が視界に入る場所で、しばし、そこの様子を何の気なしに見ていることがある。

そこで何回か見かけた行動が、ボタンを押すや否やスマホに目を落とし、その間に青に変わり、点滅し、そしてまた赤へ。そこでようやく顔を上げ、まだ変わっていないのだと勘違いして、もうしばらく待つ、といったものだ。
そして押せていなかったのだと勘違いして再び押して、さらにもう一周した人もいた。
これを繰り返して一生渡れない人、みたいなシュールなコントを妄想しつつ、改めて、この押しボタン式信号機において、その行動パターンは結構バラエティーに富んでいることに気付き、以下に記してみた。

ちなみに、車の通りは少なめで、また、必ずしもそこから渡らなくても良いという人も多いといった前提と、自身の偏見も踏まえた上で。

[それが押しボタン式と気付かず、しばらく、あるいは結構な時間待つ]

これは普通によくあるのだが、そこから主に、以下の3つに枝分かれする。

①それに気付いて押下し、青で渡る。

②それに気付くも押さずに、車の往来が無いことを確認して、信号無視で渡る。

③それに気付くが、(おそらく)気恥ずかしさから、そそくさと立ち去り、そこから渡るのを諦める。

[先に待っている人がボタンを押していない]

このシチュエーションもままある。
しばらく待って、何か長いな、おかしいなと感じ始め、先の待ち人、ならびに押しボタンの方をチラチラと見出す。
そして、押していないのだと気付いた後の、以下の2つの行動である。

①車の往来が無いことを確認し、信号無視で渡る。

②そこから渡るのをやめて、先へと歩みを進める

ボタンを押す、あるいは押してあげるという場面は、ほとんど見たことがない。
そうなると当然、先に待っていた人は、もうしばらくそのままの状態である。
しかし、その押し方であるが、無言で押すのはちょっと気まずいし、角が立つ。
「ここ押しボタン式なんですよ、わかりづらいですよね〜。」なんて言いながら押すのがベストだろうが、さすがにそれは面倒い。
なんならそんな時、なぜか押す側の方が「すいません」みたいに恐縮しながら押してしまいがちになる。
ゆえの上記2つの行動であろうし、気持ちはよくわかる。

[ボタンを押すや否やスマホに目を落とし、その間に青に変わり、点滅し、そしてまた赤へ。そこでようやく顔を上げ、まだ変わっていないのだと勘違いして、もうしばらく待つ]

冒頭に記したものである。
そして、押せていなかったのだと勘違いした後の、以下の5パターンである。

①もう一度押して、青で渡る。

②車の往来が無いことを確認し、信号無視で渡る。

③もう一度押すや否やスマホに目を落とし、そしてもう一周する。

④もう一度押すや否やスマホに目を落とし、そしてもう一周するかと思いきや、点滅する頃に気が付き、急いでギリギリで渡る。

⑤押したことには確信があり、どうやらさっき既に変わっていたっぽいと勘付き、車の往来が無いのを確認した後、信号無視で渡る。

悪気はないのだろうが、確実に、いたずらに交通の妨げをしているから、迷惑ではある。

ちなみに、他の迷惑な"いただけない"と感じる行動は、ボタンを押すが、車の往来がないから、そのまま赤信号でそそくそと渡る。そして、その後に来た車が無駄に待たされる。
もっと酷いのは、押すや否や、何らかの心変わりでそこをやり過ごし、先へと歩みを進める。よって、やはり無駄に車を止める。

しかし私も小さい頃、こういったボタンは無駄に押していた。もっとも、昭和のバカな子供であり、令和の賢い子はこんなことしないだろう。
時代に限らず、賢い子はやらないか。

それに引き換え、年配の方がボタンを押して青に変わった際、止まった車に会釈しながら渡っていた光景は、なんだか良かった。

歩行者優先と言えど、これ見よがしに歩行者自身がわざわざ傲慢さを出す必要はなく、この押しボタン式信号は、そういった各々の尺度をも計るような気がする。

そして、こういうのって、他の面にも反映されると思う。

例えば飲食店などにおいて、先の平然と無駄に車を止めてしまうような人は、"お客様"然とした横柄な態度をとり、まだ注文も決まっていないうちからボタンを押して店員さんを呼び寄せ、そして無駄に待たせるだろうし、作っている最中に平気でキャンセルもするのだろう。
そこまでバッチリと当てはめてしまうのは、流石に偏見が過ぎるが、実際、こういう客が珍しくはないことは、ファミレスでパートをしている妻より聞いている。

最後に

[押さないで渡る]

結局これが一番多い。
信号無視がダメだという一応の決まりは置いといて、車通りも少ないし、まぁそうだろうと思う。
もっとも、歩行者の信号無視にきちんとした罰則があることを、私は比較的最近に知った。
でも、自転車や電動キックボードの信号無視も野放し状態だから、歩行者のそれなんて二の次三の次で、有って無いようなものだろう。

しかし、信号無視のそれらが入り乱れている光景は、なんだか治外法権の発展途上といった具合で、なんなら、ある種の異国情緒すら感じる。








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