第1四半期は2020年来の下げの米国株 グロース銘柄が買われてきそうな兆しが見える

マネックス証券 岡元兵八郎   

今年も既に第1四半期が終わりました。

S&P500は4.95%の下げ、ナスダック100は9.08%の下げで3ヶ月間を終えました。四半期でマイナスとなったのは共に2020年第1四半期来のことです。

昨年までグロース銘柄が長期に渡ってバリュー銘柄をアウトパフォームしてきましたが、今年に入り、金利上昇をきっかけにマーケットが下落する局面で、グロース銘柄が売られ、バリュー銘柄が買われるという展開になりました。日本の個人投資家の皆さんはグロース銘柄にバイアスのかかったポートフォリオをお持ちの方が多いようなのでS&P500をアンダーパフォームした方も多かったのではないかと察します。

具体的には、今年に入って3月14日までで、S&P500は12.44%下げるなか、S&P500ピュアバリュー指数は0.82%上昇、その一方S&P500ピュアグロース指数は21.72%も下落しました。その結果としてグロース株の割高感が解消されました。

この図1は、S&P500ピュアグロース指数のPERをピュアグロース指数のPERで割ったものです。この2010年からの平均は1.88倍です。


図2

2020年末の段階ではその比率は2.69倍とピークを付けましたが、昨年末のEPSを使うと2.15倍まで下がり、直近では1.76倍とほぼ歴史的な平均まで下がってきました。

このようにグロース株の割高感はなくなってきています。

では、今後の業績の見通しについてですが、図2を見ると第2四半期までバリュー指数の業績(前年同期比)がグロース指数の業績の伸びを超えていますが、第3四半期からはグロース指数の方がバリュー指数の業績の伸びを大きく超え始め、来年になると前年同期比で14%と二桁成長となる見通しとなってくるのです。

図1

グロース銘柄のバリューションの割高感がなくなり、業績もバリュー銘柄の伸びを超えて成長するのであれば、グロース銘柄の継続的な上げが再開してくるだろうと思います。また、株式市場は先を読むという傾向があるのであれば、米国株市場はそろそろそのようなトレンドを織り込み初め、グロース株の上昇が始まるのではないかと考えています。


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