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アフリカ事件簿 #28 ~向き合えば向き合うほどじぶんの鏡①~

このnoteは、下記のマガジンで不定期連載中です。

これまでアフリカで出会った
奇想天外な出来事たちを紹介してきたが、
最後に

「こんなに『え?』とか『は?』とか思った
 アフリカでの出来事が、
 実はわたしの鏡かも・・・!?」

と思った出来事について紹介したいと思う。

①手当が少ないから出張したくない

2018年~2020年にかけてSADC
(サダックと読みます。南部アフリカ開発共同体といって、EU(欧州連合)のようなものの、南部アフリカ版でしょうか。通貨は特に統一はしていないです)
16か国の森林官に研修をする、という仕事に従事していた。
わたしの役目は、

研修会場の予約、各国参加者の確定
航空券手配や海外旅行保険、必要に応じて査証(VISA)の手配
当日資料の準備や印刷、空港から研修会場へのの送迎手配
研修で遠出する場合のバスや宿泊の手配

など、いわゆる雑用というか
「研修講師業務」以外の全部、みたいな感じであった。笑
(もちろん、各国でもサポートしてくださる方がいらっしゃいました)

1か国に16か国の研修生を集めると、
森林官(研修生)同士も刺激になるし、
横のネットワークが構築できたりして
いいこともたくさんあるのだが、

問題になるのが 「待遇」 の違いである。

例えば、A国の参加者はA国内での交通費はA国政府が負担しているが、
B国の参加者はB国内での交通費も日本側(プロジェクト側)が負担している、など(このへん複雑ざんすのよ)。

また、同じプロジェクトの同じ研修内ならまだしも、
他の国際機関や他国による国際協力・支援の待遇と
比べられてしまうこともある。

2021年にボツワナで2週間開催した研修では、
ある国の研修員(森林官)の帰国と
わたしの他国への出張移動日が重なり
ボツワナの空港のチェックインカウンターで待つ間に彼女から

「上長からの命令でなければ本当は来たくなかった」
「他の国際機関や他国の支援の研修に行きたかった」
「日当が低いから、全然もうからない!大変なだけ」

と延々と文句を言われていた。

研修を一生懸命準備してきた身としては、

「不満、そこ・・・?」
「研修内容とかは?」
「キャリアップにはつながるんじゃないの?」

と思うのだが、話を聞いていると、
どうやら他の国際機関や他国の支援に関する出張では
もっと日当が出る(出張に行った本人の手元に残るお金が多い)とか、
もっといいホテルに泊まれたとか。

なんだかな~~~
結局お金か~~~
キャリアアップとかスキルアップとか
ネットワーク構築とか、
自国の森林のためとか、
ないもんかね~~~

と思いながら
彼女にボツワナのスターバックスである
「MUGG&BEAN」というおしゃカフェで
(しぶしぶ)昼食をご馳走したのであるが


そのあとしばらくして、
思い出したのだ。


わたしの会社でも、社員の中で

・日当がいくらなのか(例えば海外出張で、早朝便で出発した場合と夕方便で出発した場合で異なるのか?)

・宿泊は規定額を越えても精算できるのか(めちゃくちゃアクセスが悪いところに泊まらないと定額に収まらないとか、規定額内だけど仕事都合でキャンセル代が発生した場合の扱いとか)

議論が白熱していたことを。笑


なんだかな~~~
結局お金か~~~
キャリアアップとかスキルアップとか
ネットワーク構築とか、
自国の森林のためとか、
ないもんかね~~~


じゃ、なかった。
というか、わたしたちもそう思ってた。
お金、モチベーションのために大事!!!


なんだ、結局
手当が少ないから出張したくない彼女たちも
手当を求めて会社の経営層と議論しているわたしたちも


一緒じゃん。。。。苦笑


だとしたら、わたしが考えるべきは
彼女たちがモチベーション高く出張できるように
できるだけ不平等、不公平感が出ないように
ルールの範囲内で調整したり(新たにルールを提案したり)
あるいは、待遇面での条件の悪さを
有り余るくらい魅力的な研修にしたり・・・

一緒じゃん。。。。苦笑


じっくり向き合ってみれば、
なんのことはない、
アフリカの人たちは、
目の前で起きることは、
結局、究極、
わたし自身の鏡なのだ。


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