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香港で本気のGet Wildをしてきた、という話・その①


祝・TM NETWORK デビュー40周年!ということで、代表曲である『Get Wild』のMVを見てほしい。


おわかり頂けただろうか?
TM NETWORKの3人が、返還前の香港の街をただブラブラと歩くだけ、一般人が見切れようがカメラに被ろうがお構い無し、という代物である。

他にも3人が謎の静止ポーズをとったり、宇都宮隆の謎の動き、歩いてきた女子学生に食べかけのリンゴを渡す…などなど、かのヒット曲のミュージックビデオが、このようなカオスな世界観で構成されていた事は(ファンの間では)あまりに有名である。

このMVが作られた経緯は下記ブログ『TMN通史』に詳しい。

しかしながら、カオスであるが故にその魅力は得も言われぬ物があり、TMの3人が香港で訪れた場所を「聖地」と崇め巡礼するファンは後を絶たない。

今回は、我々が深いネットの海から情報を収集し、『Get Wild』のMVと突き合わせること数百回、ストリートビューを見比べ、実際に現地まで足を運び、調査・撮影した「Get Wild の聖地」の情報すべてを公開する。

今後も現地にて「Get Wild」(通称・ゲワイ)される方々への手引きとなれば幸いである。

なお、香港でゲワイされていた先駆者の方々には、こちらにリンクを貼ることで謝意に代えさせて頂きたい。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm14649913

https://youtu.be/9ZeSJZe4AYw?si=n1XL_BcEzpldt5Ds

https://youtu.be/BfBsPud3xOI?si=FpUwBloa7mtm-ub3


実際に Get Wild の聖地を巡って撮影してきた


さすがにライブ映像部分は作れなかったので、ロケ地に限って解説していく。

香港仔 ジャンボキングダム(Jumbo Kingdom・珍宝王国)

0:21〜0:29

かつて香港仔の深湾内で営業していた有名な船上レストラン。
しかし、コロナと民主化デモの影響で観光客が激減し2020年に営業停止。
2022年6月、売却されたカンボジアへ曳航中に、南シナ海沖に沈没してしまったとのこと。

ただし、隣接する姉妹店のTai Pak(太白海鮮舫)は現存しており、営業はしていないものの、警備員が常駐して管理されている模様。営業再開の計画もあるとか。

当時の雰囲気を残すこの場所で代替とした。

香港仔・Tai Pak(太白海鮮舫)
香港仔・Tai Pak(太白海鮮舫)

場所はこちら↓

一番分かりやすい行き方としては、香港MTR南港島線で金鐘から4駅、利東駅から鴨脷洲まで歩き、観光サンパン船に乗るのが良いだろう。
かつてのジャンボ・キングダムも船でしかアクセスできず、桟橋で船を待つTMの3人のスナップショットが残っている。

この桟橋も現存している

ちなみに我々は総勢8人いたので、観光サンパン船を貸し切った。
1987年当時は、まだ水上生活者が多く、漁民のアルバイトとして水上タクシーのように簡単に小船をチャーターでき、客引きもあったようだが、2024年6月現在は漁船の客引きは無く、観光サンパン船も4隻しか残っていないそうだ。

我々はネットでサンパン船の連絡先を探し出して、香港人の友人に交渉してもらったのだが、Klookなどを通しても予約ができる。ジャンボ・キングダム亡き今、見どころも多くは無いので、少し撮影するぐらいの融通は聞いてもらえるだろう。

https://www.klook.com/ja/activity/22655-aberdeen-boat-tour-houseboat-visit-hong-kong/

船着き場となる鴨脷洲には、MVラストカットでバックに映るマルボロビルが現在している。よくよく見ると剥がされたMarlboroのロゴの跡が確認でき、我々を興奮させた。

世界的に今は亡きタバコ広告
いまは不動産屋?集合住宅?の広告があるビル
よく見ると薄っすらMarlboroのロゴ跡が…

場所はここ
「鴻勝大廈」という名のビルらしい。

鴨脷洲で、我々の撮影に協力していただいた観光サンパン船のThomas Laiこと、
黎國威氏の連絡先を記しておく。8人で1時間チャーターして960HK$だった。多謝。

かなり若い頃の宣材写真らしい
現在のお姿はこちら
「この仕事をはじめて40年」だそうだ。
もしかするとTMとすれ違ったかも知れない。

中環・ポッティンジャー・ストリート(Pottinger Street‐石板街)

0:30〜0:59

言わずと知れたポッティンジャー・ストリート。有名観光地でもあるのでアクセスしやすい。3人で静止し、ウツが女子学生に齧りかけのリンゴを渡そうとした場所だ。

我々が撮影している時にも、サングラスをかけてゲワイ写真を撮る日本人観光客に出会った。
まさに代表的なゲワイの聖地である。

場所はこちら↓
ちなみに果物屋台はもう無い。

この果物屋台のあった場所のすぐ隣りにセブンイレブンがあるのだが、そちら方面からTMの3人が坂を登ってくるのが↓のシーン

0:59〜1:10

分かりづらいが、画面右側の白服の女性がいるあたりから、ウツが女子学生にリンゴを渡す果物屋台へ続く坂道があるのだ。
撮影者は手前のY字路側から撮っている。

カメラの場所がここで

TMの3人は東南方向から歩いてくる。
ストリートビューで見るとこの方向だ。

画像右下の三角のマークを目印にすると良い

MTRの中環駅からほど近く、歩ける距離ではあるがポッティンジャー・ストリートの坂の勾配がきつく、登るのは少ししんどいので覚悟しよう。

深水埗・錦記理髮店

0:34〜0:35

ウツが後ろを通り過ぎる路上の青空理髪店。

深水埗のこの店は、実際のMV撮影場所ではないのだが、中国語で「巷仔理髮」というこの手の店は、中国本土はまだしも香港ではもはや2,3店しか残っていない希少な業態の理髪店だという。Get WildのMVが撮られた1987年当時は、街中に多数あったのかも知れない。

我々が調べた結果、九龍中心部に一番近かったこの店で交渉し、撮影させて頂いた。カットのみで45HK$、2024年6月のレートで約900円換算で、QBハウスよりも安い。(ちなみにQBハウスは香港にも店舗がある)

散髪台の後ろは「道」で、人が通る
路地奥側から見た理髪店
「他のお客さんが映らなければ撮影しても良い」との条件で撮影させていただいた。多謝。

場所はこちら
MTR深水埗駅より徒歩5分。

蛇足ではあるが、この理髪店の隣にある「新香園」という茶餐廳は行列が出来るほどの人気店で、日本人観光客にもよく知られたお店らしい。

「蛋牛治」という牛ひき肉と玉子焼きのサンドイッチをトーストで注文するのがマスト。

22HK$。トーストすると+1HK$。


「香港で本気のGet Wildをしてきた、という話・その②」へ続く


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