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最強お助け魔女コンビ#04
不思議な招待状
ミント色の壁紙、タンスの上に並んだかわいいお人形たち。乙女チックな部屋にそぐわない巨体で、ペティーはどよんと沈んでいた。
あの日、パンケーキ屋さんに行ったあとクラスメートに聞いたのだ。私が1人でパンペーキ店に行ったことが噂になった。アレックスもきっとあれが私だと気づいたはずだ。ため息しか出ない。
「このまま地球の底まで沈んでいければいいのに」そう思った時、ペティーのママがノックをし、1通の手紙を置いていった。
「手紙?今はメールでほとんどのことが済まされるのに、誰だろう?」
ペティーにはまったく心当たりがない。宛名を見ると、なにやらクネクネした文字で「親愛なるペティー・ブランシェット様」と書いてある。差出人の名前はない。
中を開けると、赤い厚紙に金の縁取りがしてある立派なカードが出てきた。やはり金の文字で「招待状」と書いてある。早速開くと、またクネクネとした黒い文字で「あなたをゆらゆら屋敷にご招待します。9月17日の夜11時、寝室のバスルーム前で『ラロヨンム』と唱えてください。そしてドアが開いたら、中へ入ってください」と書いてあった。
誰かのイタズラ?どこのお店からのダイレクトメールかな?「ゆらゆら屋敷」って何よ、と、ペティーはポイッとカードをベッドに放り投げた。
その様子をテレビで見ていたジーンは気が気ではない。私のお助けデビューなのに、ペティーが呪文を唱えてくれなかったらどうする?すかさずマチルダが、エイドを差し出す。一口飲んだジーンはますます焦ってきた。マチルダったら、こんな時に「焦燥感味」のカプセルを使うなんて!
マチルダがウインクをする。「大丈夫、時間になったら、カードの文字が動き出して、ペティーに教えてくれるから」
9月17日の夜10時。宿題をしていたペティーは、招待状のことなんてすっかり忘れていた。肝心の招待状はというと、ベッドと壁のすき間に入り込んでしまってる。時間はどんどん過ぎていくのに…じりじりしながら、ゆらゆら屋敷で見守るジーン。
時計の針が10時45分をさした時、ベッドと壁のすき間に落ちたカードから、何だか黒い粒のようなが這い出してきた。蟻だ!蟻はぞろぞろ列をなしてとジーンの勉強机に向かっていく。そして机の脚をつたって、ついにジーンのノートの上までやってきた。
居眠りしていたジーンは、手がモゾモゾして目が覚めた。何だかノートの上に黒い粒がウロウロしてる。「やだ!蟻!」と、指で潰そうとした時、蟻が何か文字を書いていることに気がついた。
「あ、な、た、を…ゆ、ら、ゆ、ら、や、し、き、に…」
あれ?これってこの前のカードの文字じゃない?そう思った瞬間に、文字が輝き始めてゆっくりと宙に浮かんだ。『ラロヨンム』だ。バスルームの前で唱えろって行ってた言葉よね?
目の前で起きていることに半信半疑ながらもペティーは、バスルームの前に立っていた。あと30秒で11時になる。5,4,3、2,1…
「ラロヨンム!」
そう唱えると、バスルームのドアがピカーッとまぶしく光り、古ぼけた丸い木戸に変わった。ペティーはフラフラと何かに操られるように、木戸を押した。
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