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最強お助け魔女コンビ#08

 
朝顔の妖精

翌朝、時間どおりにペティーが現れる。まだ夜空には星がまたたいていて、真っ暗だ。ジーンとペティーは余裕を持って虹色広場に向かった。夜の森は魔女のジーンでもちょっと恐ろしい。

そんなこともあろうかと、使い魔のフクロウ、ボウルも連れてきた。ボウルが道案内をしてくれる。ジーンは、カボチャ型のランプを持ってゆっくりと道を歩いていく。森の中はシーンとしていて、ボウルの羽根の音と2人の足音だけが響いていた。

ようやく広場について、2人はホッとした。短い間だったのにすっかり体が冷え切っている。2人はマチルダが持たせてくれた魔法瓶を取り出し、ピンクショウガ入りの紅茶を飲んだ。

夜空にはしんじられなほどの星が輝いている。今にも落ちてきそうなくらいだ。次第に、東の空が明るくなり太陽が昇ってきた。星があと1つになるまで見ていないといけない。2人はじっと目をこらして空を見続けた。

ついに、星があと3つになった。ジーンは、魔法を使う用意をしている。ペティーが合図をした途端、ジーンはものすごい勢いでジェスチャーをこなし、呪文を唱えた。

「アンゲナワラ!」一気に広場中に霧が広がる。あとは朝顔が開くまで待つだけだ。太陽が完全に出て、朝顔が開き始めた。と同時に、何だか毛虫のようなものが出てくる。これが妖精??この毛虫が?

ジーンは毛虫に、「おはよう」と声をかけた。毛虫は、びくっとして固まっている。しばらくすると毛虫が姿を変え、蝶のような立派な羽根を持った妖精が現れた。ジーンは妖精に「実は、黄金ガエルの卵の在りかを知りたいんです」と切り出す。妖精は、驚きながらもすんなりと教えてくれた。

黄金ガエルはエメラルドの湖に住んでいるという。あそこは白樺が回りにずらっと生えていて、魔法界でも有名な観光名所だ。ただ…かなり遠い。麓まで下りて、魔法の汽車で行くしかない。

ジーンとペティーはすぐに麓の町に下りることにした。ジーンは汽車代がなかったから、途中で古物商のおじいさんに金貨を2枚借りることにした。おじいさんは快く貸してくれた。駅は石造りの立派な建物で、魔法界の首都ペンティーノに向かう列車がたくさん出ている。でも2人が行くのは反対方向、万年雪の山に行く途中にある高原地帯だ。出発時間までは2時間ほど時間があった。ジーンとペティーはひとまずお昼を食べることにした。朝から何も食べていないから腹ペコだ。

駅の前に屋台が出ていた。7色水玉トカゲの串刺し、褐色のパンのサンドイッチには、水色のスクランブルエッグが挟まれている。何の卵だろう?ジーンおすすめのトカゲの串刺しとサンドイッチを頼んだ。パティーがおそるおそる水玉トカゲにかぶりつく。「おいしい!」と声を上げた。肉がしっとりとろりとしていて、まるでキャラメルを食べているような感じだ。味はちょっと甘めのコンソメチップス風。パティーはガツガツとほおばった。サンドイッチはしょっぱいのかと思ったら甘かった。ソーダ味の飴みたいな卵だ。悪くはない。

そうこうしているうちに出発時間になった。2人は緑のジンジャーエールと極楽鳥のゆで卵を買って、列車に乗り込んだ。

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