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『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』についての備忘録

はじめに

 『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』(2021年,以下『シン・エヴァ』)を4月14日(水)と4月15日(木)にそれぞれ4DXとIMAXで観てきました.というのも,『シン・エヴァ』のIMAX/4DX/MX4Dでの上映が4月15日(木)をもって終了すると聞いたからです.結局『シン・エヴァ』が3月8日に公開されてから私は合計で4回観たことになります(通常版→IMAX版→4DX版→IMAX版).

 先日庵野秀明監督は『シン・ウルトラマン』(2021年夏公開予定)に続き『シン・仮面ライダー』(2023年3月公開予定)を制作することを発表しました,『(株)カラー 2号機』のTwitterによると庵野監督は旧東映生田スタジオ跡地にお参りに行ったらしいのですが,地名が何となく見聞きしたことのある名前だったので詳しくネットで調べてみると,なんと家から歩いて行ける距離にあることが判明しました.そこで急遽,私もその跡地に行ってみました.そこは住宅地の先にある緑豊かで閑静な良い場所でした.

上の写真は旧東映生田スタジオ跡地の周りを撮影したもの.旧東映生田スタジオ跡地は今では駐車場になっている.停めてある車のナンバーが映り込んでしまうので旧東映生田スタジオ跡地(駐車場)の写真は割愛した.

『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』についての備忘録

 さて『シン・エヴァ』については以前noteにも書きましたが,本当は他にも色々と書きたいことが山ほどあるのです.しかしながら,なかなか文章にまとめることができません.なのでTwitterで述べた感想をもとにこれから(余力があれば)書きたいことを列挙しておきます.

・エヴァは〈自由意志〉で生きることの物語であること
 社会の中で自らの役目を果たすことを意志する.碇シンジは最初は父ゲンドウに「エヴァに乗れ」と言われて乗る.シンジは『なぜ僕がエヴァに乗らなきゃいけないんだ』と戸惑いながらエヴァに乗っていた.『破』の「男の戰い」篇で.シンジは「初号機パイロット碇シンジ」を自認するところから,自らの意志でエヴァに乗ることを決意する.『綾波を助ける』という目的は,「自分自身の願いのために」(ミサト)遂行された.『Q』以降,シンジは鈴原サクラに「エヴァにだけは乗らんといてください」と言われても,WILLEクルーに銃を突きつけられても「いえ,サクラさん 僕はエヴァに乗ります」と強固な意志を示す.WILLEを率いる葛城ミサトは〈意志〉の象徴的存在.

・エヴァにおいて〈電車〉は何を意味するか
 第三村で図書館や風呂場として再利用される〈電車〉,精神世界で対話が行われる〈電車〉,ラストシーン宇部新川駅の〈電車〉,etc.

・綾波レイの〈眼〉は何を意味するか
 アップで映る綾波レイの紅い〈眼〉,第三村で好奇心旺盛なアヤナミレイ(仮称)の眼差し,最終的にWILLEの槍で刺されるエヴァンゲリオン・イマジナリーの巨大綾波の〈眼〉,etc.

『人類補完計画』のモチーフについて(追記:書きました)

・エヴァにおいて〈縁〉は何を意味するか
 父親を事故で失った相田ケンスケはシンジにゲンドウと話をした方がいいと言う.相田ケンスケ「しかし親子だ, 〈縁〉は残る」
 『Q』でDSSチョーカーで死ぬ間際,渚カヲル「そんな顔をしないで 〈縁〉が君を導くだろう」

・旧作『新世紀エヴァンゲリオン』とオーバーラップするメタな演出
 救済される碇ゲンドウ・惣流=式波アスカ・渚カヲル・綾波レイ.映画のセットのようなものが出てくる.『まごころを,君に』の精神世界のシーンとオーバーラップしている.アスカは旧劇の最後の惣流だけ手の込んだタッチになっている.シンジが「好きだった」と告げたのは,旧版の惣流アスカラングレーに対してであり,「気持ち悪い」で終劇となった旧劇の最後のシーンは新たに塗り替えられた.これに対して,彼らとは異なる真希波マリの特異な存在.旧作の外部にいる人物だからこそ,シンジを迎えに行けたのかも.

・〈結果〉としてのニアサー,災害孤児の北上ミドリ,大規模災害責任の行方
 原発事故における責任主体と被災者の葛藤.
ミドリ「この再生水だって,誰のおしっこかもわからないのに, みんな洗い流せば済むと思っている,そんなわけないっしょ」
 放射能汚染された自然に対する「浄化すれば済む問題か」という問題提起を行なっている.

・あらゆる〈種〉を保護する加持リョウジ,「すいか」の表象としての加持リョウジ.
 人類は〈類〉ではなく,あらゆる動植物のなかの一つの〈種〉へと引きさげられている.人間中心主義ではない,青い地球全体を含めた生命の保全を志向する思想が垣間見える.

・〈自然主義〉としての第三村
 ケンスケは山間部で落ちた薪だけを使い,湖を保護している.

以上.

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