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パンローリングの本

投資関連の本で、とくに技術よりも心理面にフォーカスしたものは似たようなことが書かれているが、それぞれに著者の個性が出ており読み物としても面白い。


「ルール」

ラリー・ハイト(Larry Hite)
トレードや投資で35年以上も成功した経験があり、ウォール街で高く評価されている富豪の1人。『マーケットの魔術師』でも取り上げられている人物。

・彼は失読症(ディスレクシア)であり、子供のころからパッとしないタイプだったため「失敗に慣れている」ことが成功の秘訣だと語っている。
・読み書きが苦手だったため暗算の能力を鍛えた

 この、「相手に借りがない」ことは私がトレードが好きな理由のほとんど全部だと思う。

・トレードは粘り強さのゲームである
・成功は怖いものであり、心の準備ができていないと結局は利益を失うことになる。

>良いシステムを持っているなら、自分の勝率を調べて、どれだけの損なら許容できるか決めたら、相場がポジションに逆行してもシステムに従うべきだ。

>トレーダーや投資家として私が学んだなかで、ほとんどの人にとって最も難しいことは利益をのばすことだ。

後半は、さまざまなタイプのトレーダーとの対話形式になっている。


第5章「どうして損をするのか」

1. 天才になる
2. その銘柄に借りを返してもらう必要があると考える
3. トレンドを無視する
4. ひどいポジションを手仕舞わない
5. 含み損になってもしがみつく
6. 勝ち組である
7. 自分の目標がはっきりしていない
8. 思い上がる

> 6. 勝ち組である
勝つことに慣れている人は負けを認めようとしないという意味で書かれていた。

> 7. 自分の目標がはっきりしていない
ラリー・ハイトは人生全体の目標という意味で書いているが、アリ・キエフの「リスクの心理学」では1日の目標金額としての「ゴール設定」が重視されている。


「リスクの心理学」

アリ・キエフ(Ari Kiev)
1934年生まれ。精神科医で、ストレス管理とパフォーマンス向上が専門。1990年からトレーディングのコーチ。

 ゴールを設定し、それを達成するために逆算してリスク(損失)を捉えること。含み益が出ているポジションに積み増しをする方法。不安を感じたらストップウォッチで時間を測る。

損益が示す以上に優秀なトレーダーなんていませんよ。トレーダーは損益がすべてです。

自己啓発本の側面が強く、筆者(=キエフ)の個人的な事柄はあまり書かれていない。youtubeにアップされていた講演と内容も同じような感じ。


ポジションを増やす

トレーディングの利益の大半はごく一部の売買(率にして3〜10%)から生まれるという。このことは、チャンスがめぐってきたときに利益を最大化させることの重要性を示している。

>大きな損失を受け入れる力がなければ、大きな利益も得ることはできない。


感覚を掴む

・トレードは車の運転と同じである。また、スキーにも似ている

 精神集中は、飛行機の操縦や車の運転にとてもよく似ている。小型飛行機で左に旋回したいときにはそのことに集中し、操縦桿をゆっくりと左に傾ければよい。車で左に曲がりたいときも同様で、ハンドルを少し調整すればすむ。

失敗の事例

>経験の浅いトレーダーは、利益を確定するタイミングが早すぎて儲けそこなった、と後悔することが多い。

逆張りをしてしまう人の性格について。自分のことが書かれているみたいでめちゃ恥ずかしかった、、

・ほかの人と違うことがしたい
・一番乗りになりたい
・やさしい部分ではなく、わざと難しい部分に取り組む
・値上がりするものは買いたくない
・集団の一員にはなりたくない
・他人の売買に便乗したトレーディングはいやだ
・自分のアイデアで勝負したい

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