見出し画像

金融危機で儲けた人、破綻の原因になった人

「史上最大のボロ儲け」

 リーマンショックが題材の映画は「マネーショート」が有名ですが
(原作:「世紀の空売り」マイケル・ルイス)

この作品には登場しない人物に、ジョン・ポールソンという人がいます。
彼もリーマンショックで有名になった人物です


▶️ 彼はCDSを売っている会社(ベア・スターンズやリーマン・ブラザーズ)に対するCDSを購入した。破綻する方にかけた債務1億ドル分のCDSが20万ドル、これは0.5%よりも少ない価格である。

(ベビーシッターの移民の女性が支払いを踏み倒している方法について)
請求書を無視してサービスを打ち切られると、別の携帯電話会社に乗り換えるのである。

p328

▶️ このような具体的な事例を調べたのち、ポールソンは銀行などのサブプライムローン以外の、高リスクローンを販売している銀行の株を空売りした(2007年9月)

▶️ 2007年10月、12月→ムーディーズがCDOトランシェなどの格付けを下げた。大手金融会社の株価は半減して、シティグループ、メリルリンチのCEOが辞任させられた。

▶️ 無事に利益が出たあとはドルの供給量が増えている(120%)ことに気がつきインフレになると予見、GOLDを10億ドル以上購入、下がった住宅も買い戻し始めた。2009年ごろ


検索すると記事もたくさん出てきます。2021年に離婚したそうです

金融の話とは関係ないのですが、彼は2004年にアン・ウッドウォードの邸宅を1500万ドルで購入したということが書いてあり、カポーティ「叶えられた祈り」でウッドウォード事件について読んで名前を知っていたので、ちょっと面白かったです。


「私がベアリングズ銀行をつぶした」

 一時期はひとりで日経平均先物を動かしていたとも言われるニック・リーソンの自伝です。

彼はデイトレーダーとして働いていたはずなのに、さまざまな理由からポジションを持ち越すようになり、阪神大震災のタイミングで大損をしてしまいます。その直後は、買い戻しの成果もあって持ち直したりもしたのですが、別の理由で結局破綻をしてしまいます。


「フラッシュ・クラッシュ」

2010年に起きたフラッシュ・クラッシュの犯人(とされた)人物のノンフィクションです。

▶️ ナビンダー・シン・サラオは子供のころから3桁の掛け算ができたような天才で、実家に住み車も買わない質素な生活。トレードは板を読む手法で、使うモニタも2枚だけ

▶️ アスペルガーの傾向が強くパターン認識は得意だが人を見る目はなかったので、稼いだ4千万ポンドもポンジスキームに投資してしまい保釈金すら払えず。代わりに捜査官たちに株価操作のやり方を講義して減刑してもらった

超高速取引については、ハミングバード・プロジェクト(原作「フラッシュ・ボーイズ」)で題材になっています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?